第1章 4『使者』
早朝午前四時、村への街道にこの辺りでは見かけない装飾品が施された通常より三倍は大きい馬車が舗装された道を通る。
馬を手綱で操る御者は、一つ小さな欠伸をし、後ろの座席で座る、フードを深く被った人物と寝台で横たわる清楚な男に声を掛ける。
「ローグさん、そろそろ『ボルスピ』に着きますよ」
「──ん?もう着いたのか」
ローグと言う清楚な男は枕元に置いてある片眼鏡をかけ、寝台から男の向かい側に座る。
「ローグ様、寝癖が…」
「おっと、これは済まない。先方に会う際はエチケットを気にせねばならんな」
フードの男にピンと跳ねた寝癖を指摘されると、ポケットから手鏡を取り出して、直様櫛で髪の手入れをする。
馬車が揺れる。
(此処もまだ、整備が行き届いていないな)
今の揺れで櫛を落としてしまった。
フードの男が落ちた櫛を拾い、ローグの手に戻す。
「御者、馬を止めろ。この広場で少々休憩を入れたい」
ローグは、寝癖直しを一旦中断し、御者に馬を止めるよう呼びかけた。ガタついている村の街道に不安感を覚えたからだ。
御者は、馬に急ブレーキを掛ける。馬はいきなりの主人からの命令に驚きながらも、その足を止める。
「よ〜しよし、いい子だ。ローグさん、もう降りて大丈夫ですよ」
御者は馬の頭を撫でながら、顔を後ろに向け、ローグに降りてもいいと言う。
「さて、私はあそこの井戸の水で顔でも洗おうかな。…君はどうする?」
「私は、ここで見張りをしています」
「ここに盗賊とかは出ないと思うけどなぁ」
「念の為です」
フードを被った男は、御者が盗賊か魔獣にでも襲われないよう見張ると言い、その場から動かなかった。
「──さて、こんなものか」
ローグが顔を洗い終え、自前のハンカチで顔を拭きながら歩いていると、目の前がぼやけ、足下がふらつく。まだ、目脂が少し付いているからか、霧が出ているからか、或いはその両方が原因で、やや視界が悪い。
すると突然、地面の感覚がなくなる。周りを見渡していたが、足下までには気を配れなかった。そのまま、浮遊感と共に下へ落ちる。
「──ん?あああああああ!!」
突如上げた大声に反応し、直ぐにフードの男が駆けつける。
「こ、これは…」
「い、いったい何が起きたというんだ!?」
ローグは浅く、広い穴に落ちていた。直径十五米程だが、深さは三十糎もない不気味な穴だ。
「…ローグ様、微弱ですが、この土から魔力の痕跡を感じます」
フードの男が地面に触れ、土を握り、それをジッと見ると、何か解ったかからか数秒で土を離し、魔法で誰かがこの穴を開けたことを知った。そして、この地面の後と昨日、此処で何かがあっただろうと言う線から二人の頭の中で一人の人物が浮かび上がる。
「まさか…」
「ええ、間違いなく今から迎えに行く次期勇者の仕業に違いありません」
フードの男は明後日の方を見て、何を思ったのだろうか。ぶつぶつと小言を言いながら馬車の方へ戻っていった。
「服が汚れてしまったな。仕方ない、予備の着替えは持ってきていたかな?」
ローグも穴から出て、着替えをするためにもう少しだけ、この場に留まることを決め、馬車に戻って行った。
△▼△▼
「────ん、ふわぁ」
目が覚めたのは、朝日がまだ完全に上りきっていない午前七時。喧しく階段を上がる足音に意識の覚醒を促される。
「……朝か」
アスタは寝ぼけた目を擦り、閉め切っている部屋の窓を全開にする。
勢いよく窓を開けたとき、音と軽い衝撃に驚いて、屋根に止まっていた鳥が一斉にバサバサと飛び立つ。
外からは新鮮な空気が入ってくる。身体を起こすには丁度いい空気だ。
「──ふわぁぁ」
大きな欠伸を出す。それから部屋を見渡すと、いつもはアスタより起床が遅いレイドの布団が畳まれていた。
「………」
「アスタ!起きろぉ!!」
部屋のドアを開けたのは、やけに機嫌がいいレイドだった。既に着替えを済ませて、走ってきたらしい。額から汗が滴れる。
「兄さん、おはよう。今日は早起きだね」
「あったりまえだ!!今日は王都から迎えがやって来る日だからな!」
「うん、じゃあシャワーでも浴びてこようか?」
「なんで?」
「汗臭いから早く行ってきてくれる?」
アスタからのただよらぬ殺気を感じ、レイドは急いで風呂場に向かった。流石に、朝からアスタの魔法で冷水を浴びせられるのはキツイと判断し、死に物狂いで風呂場へと猛ダッシュだ。
「やべぇ、アスタ怒ってる」
──ドーン!!
一階で誰かがぶつかった、或いは倒れた音が二階まで響いた。おそらく、レイドが慌てて階段を下りた所為で足を滑らして、階段から転げ落ちた音だろう。
「はぁ」
アスタは一つ嘆息をつき、窓から外の景色を眺める。この日常もこれで最後になるかもしれないと思うと、寂しいような、又は、嬉しくもあるような心の移り変わりがあった。
「顔でも洗ってくるか」
洗顔する為に一階に下り、洗面所へ向かおうとすると、途中、男達四人が大量の食器を洗っていた姿を発見した。その傍らでは母が鬼のような表情をしながら見張っていた。
「…ご愁傷様です」
食器を洗っているのは、父のランブル、祖父のフライデン、エグゼ、ロイドの四人だ。彼らは昨日、飲むだけ飲んで、客室で寝落ちしていたらしい。今でこそ、客室は片付いているが、一時間前までは、酷い有様だったようだ。それは母も怒る。しかし、この中に同じように呑んでいた筈のブリシュの姿はない。
後に聞いた話では、ブリシュは昨日のパーティーの料理を殆ど一人で作り、更に四人が寝落ちした後も、一人で掃除をしていたらしい。だから、この地獄のような皿洗いを彼一人、免除されたのだ。
「あ、アスタおはよう」
「おはようございます。母さん」
母と朝の挨拶を交わし、男たち四人の憂鬱そうな表情を眺めながら廊下を歩こうとすると、母に呼び止められた。
「アスタ、少し来なさい」
「なんでしょうか?」
昨日倒れたことだろうか、それとも怪我のことだろうか。ここ数日で母には心配をかけさせまくっている。もしかしたら、何か怒られるのではないかと心底怯えていた。
「アスタ、もう怪我は大丈夫?」
「はい。もうなんともありません」
「そう…ならよかったわ」
母は何か言いたげな様子だ。しかし、口は閉じている。言いたくないことなのだろう。それとも、昨晩の話題に出てきたあの男のことについて思い出したのだろうか。それならば、今すぐにでも聞きたい。
「母さん、僕は母さんの話ならなんでも聞きますよ」
意を決して、聞き出すことにした。正直、どんな話をしてこようともちゃんと受け入れられる自信があったからだ。そんじょそこらの子供とは人生経験が違うのだ。
母はその返事を聞いて、口籠もりながら、話し始めた。
「あのね、アスタはこの村が好き?」
何を言うかと思ったら、全くの予想外の質問だった。急な変化球に戸惑いはしたが、
「もう十年も住んでるんですよ。今更、愛着が湧かない訳がないじゃないですか」
この村が好きだと、自分の気持ちをはっきりと伝えた。五年前に魔獣に襲われた時も、村人が助けてくれたし、近所の方々との交流も楽しいものだ。何より、此処はアスタにとって、心が休まる場所でもあったのだ。
「……そう…よね。アスタもレイドもこの村が好きよね」
母は苦笑いを浮かべると、皿洗いをしているランブルを呼んだ。
「父さん…」
ランブルも口籠もるように、何か言いたげな様子だが、母も同じ反応だ。自分からは余程言いたくないらしい。
(父さんと母さんがここまで話したがらない内容って……まさか離婚!?)
悪い想像がアスタの脳内を過った。
「……離婚するんですか?僕は嫌ですよ!!こんなにも仲が良い父さんと母さんが離れ離れになるなんて!!僕は…認めません!!」
やはり、アスタも子供。どれだけ大人ぶろうと、何時迄も冷静さは保てない。そして、そこから出た必死の心の訴え。どうか両親に伝われと願う。最近も二人で出かけてはいたし、それだけはないだろうとも思う。いや、それでもどちらかが浮気をしたという可能性もある。考えれば考える程、無数の可能性が出てくる。最悪の場合は────
「えっと─、アスタが何を心配しているのか分からないけど、父さんと母さんは離婚なんてしないわよ」
「え?」
「あのなアスタ、実は父さんの実家から、木こりなんてしていないで、街に戻ってきて家業を継げと手紙が届いたんだ」
飛んだ早とちりだった。ずっと本題に入らない両親も悪いが、アスタの深く考え過ぎる性格もどこかで直さなくてはいけない。時には、浅く広く物事を柔軟に捉えることも大切だ。
「だから、父さんと母さんは今日、レイドが王都に行った後、ここから西にある父さんの生まれ故郷の『ワーボン』に向かおうと思うんだ。…無理にとは言わないが、ワーボンなら今よりも便利で豊かな暮らしができる。アスタさえ良ければ、父さんたちと一緒に街へ移らないか?」
父親の実家は、王都でも有名な数ある商会を携える貴族の家の一つだ。ランブルは昔から銭勘定が得意で、八歳の頃、一時、魔石や魔硝石が売れなくなる事態になり、家が崩壊寸前にまでいったらしい。しかし、当時のランブルが進言した経営場所の変更や品の並べ方、外観を当時の王都に店を構える店主に伝え、実践したところ、僅か二日で閑古鳥だった店に客が戻ってきたそうだ。
そして、何故今になってランブルに帰ってくるよう実家から言われたかと言うと、先代の社長であった『マーラン・リール』が去年の夏に死去されたのが原因である。
その後、商会をランブルの義兄である『アトス・リール』が継いだのだが、どうにもその義兄が不正で資金を横領していたらしく、それが原因で従業員にも充分な給料が払われず、それに怒った従業員全員がストライキを起こし、社長を変えないならこのまま出社しないという内容だ。アトス・リールは既に夜逃げし、今、商会は二度目の崩壊の危機にあるということだ。
「つまり、今、父さんの実家がピンチだから、一家全員で助太刀に行こうということ?」
「いいや。経営や管理、事務は一時的に全て父さんがやる。その為にも、此処からじゃワーボンには毎日のようには通えない。だから、この機会に引っ越しをしないかと考えたんだ」
ランブルは義兄のアトスに貸しがある訳ではないが、先代の社長である義父、アスタからは祖父に当たる人物にはお世話になっていたとの事で、遅くなったが、恩返しをしたい。という事がランブルの思いなのだ。
「ついていってもいいけど、爺ちゃんも行くの?」
アスタは一つ疑問に思い、これまでの会話で出てこなかった祖父のフライデンを話に出す。
「うん、お義父さんにも話したんだけど、残念ながら断られてしまった」
どうやら、フライデンには断られてしまったらしい。
「…僕も、爺ちゃんが行かないならいいかな」
アスタもつい断ってしまった。理由は、祖父から教わっておきたい事があるからだ。それと、夢の中に出てきた裏山にある筈の山小屋があるかどうかをこの目で確かめたかったからだ。
「アスタ、いいんだね?」
「はい。母さん」
「じゃあ一つだけ父さんと母さんと約束して」
母は、小指を出し、アスタもそれに乗っかり、互いの指をフック状に掛け合い、上下にふる。
「アスタは、父さんと母さんよりも長生きしてね」
母は涙声になりながら指切りげんまんをし、ランブルに抱きつく。やっぱり、自分の子を旅に出させたくはないのだろう。だが、これが最後の別れと言う訳ではないから、少し大袈裟にも感じた。それでも、暫くは会えなくなるのかもしれない。だから、アスタはめい一杯甘えた。
「ん?なになに?なんの話してるの?」
そこに当の本人、レイドがシャワーを浴び終えて、こちらへやって来た。
(空気くらい読んでくれ…)
場の空気は一気に静まり返る。ランブルは頭をボリボリとかいて、皿洗いに戻ってしまった。
「レイド……ごめ…んね」
「なんで泣いてるの母さん?」
レイドは突如、涙腺を崩壊させる母に困惑した。アスタも何故、今、母が泣いているのか分からなかった。まだ、旅にも出ていないのに、更に言ってしまえば、旅に出るまでまだ一年の猶予もあるのになぜ。
(…母さん、僕はレイドがそう簡単に死ぬとは思えません)
アスタは、レイドが必ず生きて帰って来ることを信じている。なぜなら、兄の底力を知っているのは長い時間、隣で共に過ごした弟だけなのだから。兄の力があれば、魔王なんて瞬殺してしまうんじゃないかとすら思っている。
「──朝食にしましょう。アスタ、お皿を並べてくれる?」
母は涙を拭い、キッチンへ行ってしまった。
アスタも一言、声を掛けようとしたが、言葉が出なかった。なぜなら、母の背中は悲しみに溢れている気がしたから。
* * * * *
コンコンコン
朝食を食べ終え、読書をしていると、玄関の扉からノック音が鳴った。
アスタはノック音が聞こえた瞬間、感じた。遂に来たのだと。
二階から一階へ階段を下り、玄関の扉を見る。
そこには、二つの人影。奥には何か大きな物。おそらく、馬車があった。
アスタは一度、深呼吸をし、扉を開ける。
「どうもこんにちは。私は、主人『ルゲ・シミウス』の命を受けて参りました。使いの者『ローグ・ティーナ』と申します。本業は執事です。以後、お見知りおきを『勇者様』」
扉の前に立っていたのは、黒い燕尾服を身に纏い、バッサリと切られた短い青髪の片眼鏡をかけた男性と、その隣にいる、エグゼやブリシュと同じ王国騎士の制服を着て、その上から白いローブをはおい、フードで顔を隠している者がいた。体格から、おそらくは男だろう。
ローグと名乗る人物は右足を軽く引き、三十度ばかり頭を下げ、目を瞑って自己紹介をした。
「えっちょ…」
自己紹介を済むや否や、ローグは突如、アスタの腕を掴んで外へと引っ張った。
「さぁ、行きますよ勇者様!」
ローグはアスタの腕を引っ張り、無理矢理にでも馬車に乗せようとする。まだ、こちらから挨拶もしていないのに。それに、今掴んでいるのは勇者ではないのに。
自己中な動きしかしないこの変人に流石のアスタもイラついてきた。
(なんだよ、この人)
イラつきの余り、無意識に氷結魔法を発動してしまった。アスタの腕を掴むローグの手に白い霜ができかけた時──
「ちょっと待ったああぁぁぁ!!」
廊下からレイドが走って此方へやって来る。そして、玄関から一気に跳んで、そのまま、ローグの顔面に膝蹴りを入れた。
「ヘブしっ!!」
ローグの顔面がひしゃげて、庭の土に前歯が落ちる。
更に、パリンっという音と共に片眼鏡が弾き飛ばされて道に落ち、ガラスと金属が割れる音と共に完全に壊れた。
ローグも蹴りの衝撃で馬車まで地面を擦りながら平行移動し、馬車の荷台に激突した。
「えっ!ローグさん!?」
御者もいきなり、荷台に鼻血や唇から血を出したボロボロの執事服の男が衝突しているのを見て、驚きを隠せないでいる。
「──っ!!ヘルドぉ!!そいつを捕らえろぉ!!」
ローグはフードで顔を隠している男にそう命令する。
が、男は動かない。
「な、何をしている!?さっさとそいつを…」
「ローグ様、今のは全面的に貴方が悪いですし、この少年は勇者ではありません」
「勇者じゃないだとぉ!?じゃあ、誰が勇者なんだ!?」
男はアスタの頭にポンっと手を置き、レイドの方を指さした。
「彼が勇者です」
「おう!そうだ俺が勇者だ。弟は違う」
「な、なんだと!?そのガキが勇者だと言うのか!?」
ローグは唇から垂れる血を袖で拭き取り、レイドを睨みつけた。
「ちっ!」
舌打ちをして、ローグは玄関に上がろうとすると、男に止められた。
「おい、お前が英雄の子孫だからと言って、調子に乗るなよ」
「歯向かうつもりはございません。ただ、一度治癒魔法を受けた方がいいでしょう。傷から菌が入るといけません」
男はローグの両肩を掴み、アスタの元まで足を進ませた。
「アスタくん、悪いけどローグ様に治癒魔法を使ってはくれないだろうか?」
「──ふん、こんな子供が治癒魔法を使える訳がないだろう」
「は、はいっ」
アスタは、一瞬戸惑ったが、男の圧力に嫌な予感を感じ、しぶしぶとローグに治癒魔法を使った。
「精霊よ舞い踊れ、力を失くした者に慈悲の光を『サーナシュリン!』」
詠唱をすると、アスタの掌から温かな緑色に発光する光がでる。その光がローグの傷に降りかかる。
光が当たった箇所は瞬時に傷が癒え、歯が折れた箇所にも新しく歯が生え変わった。
「お、おお」
ローグは治癒魔法に驚き、アスタの手を両手で掴む。どうやら、感謝の印の握手らしい。
「先程の無礼と失言をここに詫びよう。この貸しは、ローグ・ティーナの名に置いて、いつか返そう」
ローグは、服に付いた土を払い、家の中に入っていった。
レイドとはすれ違いさまに舌打ちをし、睨みつけるような目つきで何か言いたげだった。
「なんなんだよあいつ、感じ悪」
レイドも愚痴を吐きながら、家の中に入った。外に残ったのは、先程、ヘルドと呼ばれた男とアスタだけだ。
「……アスタくん、君は運が良かったね」
男は、アスタにそう言い残し、馬車に戻った。
「……?」
アスタはその発言を不思議に思いながらも、この後の勇者についての話し合いを聞くため、家の中に入っていった。
(なんであの人、僕の名前をしっているんだ?)
その姿を男はフードの中から覗いていた。
「──もしあれがそうだと言うなら……」
男の表情は読み取れないが、何故かどうにも不機嫌そうにアスタを睨みつけている気がした。
「……ふざけるな。冗談じゃねえよ」
豆知識
①作品内には魔獣と呼ばれる害獣が存在します。時に人を襲い、作物を荒らす厄介者です。作品内の歴史では、魔獣は魔王から産まれているという言い伝えがあり、作物を荒らす魔獣を倒しても次々に出現し、人々は困っていました。それにうんざりした1人の男が最初の勇者となりました。
②魔獣以外にも亜人族や竜人族、魔人族などが存在します。この種族の説明は今後の物語で語っていきます。
③魔獣にも色々と種類が存在し、中には魔蟲と呼ばれる虫の姿をした魔獣も存在します。