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勇者の弟  作者: ドル猫
第2章『アインリッヒ大学編』
100/114

第2章 62『北門防衛戦②』

 今回でなんと、100話目です!

「………?」


 一匹の巨大な魔獣との戦闘の最中、突然レオは殴り掛けていた拳を止め、後ろを振り向いた。


(なんだ……?空気が変わった?)


 後ろの方、それも前衛よりも遥かに遠くの方で突然空気が重くなった。レオは素早く周りを見て、変わった所がないか確認してみるが、第五師団は前に攻め過ぎていた為、後ろで何が起こったかまでは分からなかった。


(少し押されてるのか?クソッ、此処からじゃよく分からねぇ)


「レオ!!」


「──!?」


 よそ見をし過ぎた。油断していた訳ではないが、隙を見せてしまった。土熊の一撃がレオの顔面に振り下ろされようとしていた。


 しかし、その一撃がレオに当たる寸前、割って入ったネメアがレオを突き飛ばすと、土熊の爪をギリギリで躱しつつ、身体を捻りながら遠心力を利用して、土熊の腕を剣で切断した。


「グォォォォォォ!!!」


 そして、休憩を挟む事なく、ネメアは土熊に攻撃を入れる。

 ネメアの攻撃は土熊の目、喉仏、健と生き物にとっての急所に命中する。攻撃する場所によって、ネメアは剣の持ち方や振り方を変え、確実にその箇所へと攻撃が入るよう工夫しているのだ。

 そのような攻撃を土熊は少なくとも八回は受けたのだ。遂には、膝を付いて、その巨体は地面に伏せてしまった。


「油断しないで!!今は戦闘中なのよ!!」


「わ、わりぃ」


 ネメアの怒りはごもっともだ。隊を率いる隊長が戦闘の最中よそ見して命を落としたとなれば、その後の戦闘にも大きく影響を及ぼしてしまうからだ。


「私の代わりはいても、レオの代わりはいないんだよ!あんたその事分かってんの!?」


「……分かってらぁ」


「分かってるなら?」


「……本気、出せばいいんだろ?」


「そう言う事」


 ネメアは、その言葉を受けて、少しだけレオから距離を離す。土と血の匂いに纏われたレオは仕方がないといった様な表情で三歩前へ出る。その途端、血の匂いに誘われた魔獣は目の色を変えて、一斉にレオの方へと動き出した。

 食欲に飢えた魔獣達は、血の滴る獲物を一目見れば、例え支配下にあったとしても、その本能が強く働き、獲物へと襲い掛かる。

 魔獣達は、レオ目掛けて此奴は俺の昼飯だと言わんばかりに足を走らせ、その肉へと噛みつこうと、口を開く。


 ──瞬間、レオの周囲の空気が変わった。その空気に怯える様に冷たい風が彼らの毛を摩り、戦場から遠く離れた森では急に岩が割れ、木の葉が斜めに切れた。


 魔獣達の小さい脳では、人間の言葉は理解出来ない。しかし、目の前にいるこの男がどれ程危険かは理解出来る。足を止めた魔獣達はレオに背中を向け、怯えながら一目散に蜘蛛の子を散らす様に逃げ始めた。逃げなければ待っているのは死だと知ってしまったのだ。


 レオはそんな魔獣達を見て笑い、白い八重歯がギラリと光る。

 腰を落とし、腕をダランと脱力させる。今のレオの体勢は、普通人間がするようなものではない。まるで獣だ。逃げていなかったキラーウルフも、その姿に呆気を取られたようで、雰囲気の変わったレオと自分自身を重ねてしまった。


「さあ、いくぜ」


 そして、戦場に獣の雄叫びが響き渡った。


△▼△▼


 中衛を飛び越え、タウルス達へ二つの影が向かってくる。フードで顔を隠しているので、表情は見えないが、彼らの目的は間違いなく後ろの北門を開門する事だろう。

 その目的を達成する為に、目の前にいる三人の騎士は障害以外の何者でもない。


 邪魔をするなら殺す。その殺意をタウルス達にも肌で感じられた。それが分かった途端、イオとノヴァードの二人は抜剣し、タウルスよりも三歩前に出た。


 ──衝突。鋼特有の音が周囲に響き渡った。影二つは脚を止め、一度舌打ちをすると、バックステップで距離を離した。その後、隣り合わせに立ち、姿を隠す為に来ていたコートを脱いだ。


「──!!」


 コートの中から現れたのは、爪が長く伸び、不気味に笑う猫目で細身の男と、腹を出し、血走ってるいる目をギョロギョロと動かす肥満体型の男だった。

 そして、二人の魔王軍の証である三日月の紋章が肩に入っている。間違いなく魔人だ。


「おー、二人ともナーイス。よく止めてくれたね」


「やっぱり絡んでましたね」


「生捕り……でしたっけ?」


「そうだよ。殺さないでね」


「生捕りにしたいのは私も山々ですよ。最近も、貴重なモルモットが自殺しちゃったし」


「……ノヴァード、あいつらを仮に生捕りに出来たとしても、お前には預けないぞ。少なくともな。先ずは、然るべき所に……」


「おい!無視すんな!」


 魔人を前にしても、三人はビビるどころか、表情に余裕さえ見える。しかも、人類の宿敵である魔人が目の前にいても、会話を止めない。この態度に流石の細身の魔人の怒りが一気に怒髪天にまで達した。


「──ん?ああ、ごめんごめん」


「お前、ふざけてんのかよ?そこを退け。ぶっ殺すぞ」


「そう怒るなよ〜。あっ、そうだ。まだ名前聞いてなかったね。私の名前はタウルス・プレイアデス。王国騎士第二師団の隊長だよ〜。君の名前は?」


「だから、ふざけてんじゃねえよ!!」


「オデはブチャ。こいつはウスト」


「おまっ!?」


 細身の魔人がタウルスにキレている中、隣にいる肥満体型の魔人が代わりに名を名乗った。


「何名乗ってんだよ!?いや、それはまだしも、俺の名前まで言う必要はねえだろ!!」


「え?だって、向こう名前言ってたし……」


「ああ、私はノヴァードと言う者です」


「会話に入るなッ!!」


「怒るなよ。イオさんも自己紹介したらどうですか?」


「……生憎だが、魔人と喋る気なんてない」


「……奇遇だな。俺もだ。テメェらゴミクズと同じ空気も吸いたくねえ」


「二人共仲良くしようよ〜。魔人と人間が仲良く出来れば、こんな不毛な争いもしなくていいんだよ〜。ほら、仲直り仲直り」


「うるせえぇ!!テメェの声は耳障りなんだよ!!黙ってろ!!」


「仲良く出来ないの?ん〜、あっ、じゃあさ、君達捕虜になってよ。悪いようにはしないからさ〜。友達になるのはその後でいいから」


 この場の何もかもがウストにとって心地の悪いものだ。魔人を目の前にしているのに恰も仲良くしようと言う人間、会話に割って入る人間、まともそうな人間、簡単に情報を吐いてしまう味方、全てにうんざりだった。


「……ッ!──もういい。殺す」


 ウストは怒りのままに臨戦体勢に入る。長く伸びた爪の先が鋭利な刃物の如く光り、その危険さを示している。


「ありゃま。仲良くしたかったのに。……しょうがない。心苦しいけど、やるしかないかぁ」


「隊長は後ろで門を守っててください。この二体は自分とノヴァードでやります」


 タウルスが残念そうに剣を抜いて、戦闘の為に出ようとするが、待機のサインを出したイオがタウルスの脚を止めた。


「……そっか。じゃ、任せるよ。呉々も殺さないようにね。生捕りだよ」


「了解」


「──生捕りとか何とか、舐めた事ほざきやがって……。おいブチャ!お前は左の緑髪をやれ!俺は、あっちのまともそうな奴をやる」


「え──、しょーがないなー」


 緑髪と言うのは、ノヴァードの事だ。手入れされていない癖毛が特徴的なので、緑髪とウストは呼んだのだろう。まともそうな奴と言うのは、十中八九イオだ。


「……おい、そこのまともそうな奴」


「なんだ?」


「俺の名前はウスト。魔王軍幹部序列十位プロキオン様の一の部下だ」


「……何の真似だ?」


「決まってるだろ?これから俺とお前は刃を交えるんだ。最低限の敬意ってもんだよ」


「………王国騎士第二師団副隊長イオ・ヒヤデス」


 最低限の敬意──その言葉にイオは反応を示した。もしも、これでウストと同じ様に名乗らなければ、それが魔人と言えど、名乗った相手に失礼なものだ。更に、イオの名前にも傷が付く。それだけは絶対に避けなければならない。しかも、此処には証人になり得る味方がいるのだ。嘘も吐けない。なので、仕方がないとは言え、一本取られたイオは素直に名乗った。


(副隊長……。道理で…さっき腹を切り裂いた奴らとは何かが違うと思ったぜ。成程、主力か)


 此処で出会した時から、ウストは三人から強者(つわもの)特有の雰囲気を肌で感じていた為、直ぐには戦闘に入らず、じっくりと三人を観察していたのだ。そうした直勘があったので、イオの発言から、肌がずっとピリピリとしていた理由にも今納得がいった。


「イオって言うのか。そうか。名前が知れて……よかったぜ!!」


「!?」


 不意を突いたウストの先制攻撃にイオは一瞬反応を遅らせてしまった。言葉遣いは荒くても、最低限の礼儀が出来ていたからだ。だが、魔人が魔人である事に変わりはない。コンマ数秒の間にイオは剣を僅かに動かし、ウストの先制攻撃を止めた。


「コイツを止めるとは、やっぱりお前強いんだな」


「当たり前だ。……成程、この爪で前戦の者達を倒しながら進んできたのか」


「そうだ。だが、戦闘行為だったっつーのは理解して貰いたいな。俺達はお互い殺し殺されの関係なんだからな」


「……分かってるさ。だから、俺も容赦はしない」


「──あ?」


 イオは剣を地面に突き刺すと、ウストの視線が剣に誘導されている間に剣から離れ、即座に左のブローをウストの横っ腹にお見舞いした。


「カハッ!?」


 ウストの腹がひしゃげ、胃の中の物が逆流しそうになるが、両手で口を押さえ、それらが出てくるのを阻止した。


 しかし、それが間違いだった。両手を使ってしまった事で次の攻撃を防御する手段が無くなったのだ。無論、イオがそれを見逃す筈もなく、更にもう一歩距離を詰めると、胸ポケットから焦茶色の薄い紙を一枚取り出し、ウストの左胸に押し付けた。


(──なんだ?)


 その紙を押し付けられたのをウストが理解した時である。突如として、紙から強大な魔力が溢れ出し、それがウストを包み込んだ。

 そして、その魔力は地面に強く根を張っていた花や雑草を宙に浮かす程の風となり、ウスト自身も気付けば、約三十米は上へと飛ばされていた。


「──ばっ!?何が起こった!?まさか、無詠唱の」


 予備動作のない魔法、まさかと思い、ウストは無詠唱魔法を疑った。


「……そんな訳がないだろ」


「お前!?」


 だが、そのような事を考える暇をイオは与えない。


「どうやって、此処ま……ガッ!?」


 イオは無防備のウストに対し、力一杯持っている剣を振るう。言わずもがな、空中である為、上手く狙いは定まらない。だが、致命傷を与えるには充分過ぎる間合いだ。

 鋭く尖った剣先がウストの右膝へと斜めに入る。目にも止まらぬ早業だ。痛みを感じる暇もないだろう。更に続けて、イオは剣の柄でウストの側頭部を強く殴った。すると、瞬く間にウストの脳は大きく揺れ、軽い脳震盪を起こす。その結果、視界が右往左往に動き、ウストはバランスを取る事さえも困難になってしまった。


「………?」


 それでも尚、イオの追撃は止まらない。攻めに重点を置いた『闘流』の剣術と魔力障壁で作った足場を利用した個人戦術で、空中に目標がある限り、イオは何度もウストに剣撃を喰らわせ続ける。鳴り止まぬ剣が肉を切り裂く音、骨が折れる音、そこに、清さ、優しさ、美しさなどの綺麗なものは存在しなかった。

 そして、時間にして二十八秒、漸く、ウストの体が地面に着いた時には既に決着がついていた。

 右腕はあり得ない方向に曲がり、左の眼球は潰れ、右膝から骨が飛び出し、左脚の親指と人差し指が無くなり、腹部はひしゃげ、多量の出血が見られる。ここまでの損傷具合ともなれば、内臓も潰れているだろう。


 ここまで元の生き物の形を保てていないとなれば、もはや再確認をする必要もない。


 ──死んでいる。


 魔人の血で濡れた剣をハンカチで拭き取り、ゆっくりと鞘の中に刃を収める。


「……さて、あっちはどうかな?」


 生捕りは出来なかった。いや、する気がなかった為、イオはもう一体の魔人はどうなっているのか、ノヴァードを探した。


「──お」


 すると、今イオがいる位置からそう遠く離れていない所で左膝を曲げて楽にしているノヴァードと発狂しながら奇声を上げるもう一体の魔人ブチャの姿があった。


「アアアアアアアアアアアア!!!もういやだァァァァァァ!!!」


「……あーあ」


 ブチャの姿を見たイオは、溜め息を吐くと、ウストの方を見て、悲しそうな顔をしながら口を開いた。


「お前は幸運だったな。ウスト。死ぬ事ができて」


△▼△▼


 時間を遡ること十分前、ノヴァードとブチャは薄汚れた城壁に沿って、ゆっくり歩いていた。


「……君、あっちの加勢に行かなくていいの?イオさん、そこそこ強いから多分負けちゃうよ」


「いい。ウスト、自分の闘いを邪魔されると凄く怒るし」


「そっか」


 前戦では未だに激しい戦闘が続く中、この二人は何とも言えない気持ちでゆったりと流れる時間に耽っていた。


「ねえ」


「うん?」


「お前は、オデの事、殺さないのか?ほら、騎士の奴ら、いつもオデ達魔王軍を見つけると、目の色を変えて襲ってくるじゃん。……オデ達、何もしてないのに」


「……今回命じられているのは、生捕り。別に、私だって殺したくて殺す訳じゃない」


「そうなのか」


 ノヴァードの返事を聞いて、ブチャは安堵の表情を浮かべた。すると、何を思ったのか、ノヴァードはいきなり脚を止め、ブチャの方に顔を向けた。


「どうした?」


「いや、君の腕から血の臭いがするなぁと思って」


「………」


「ああ、勘違いはしないでくれ。私は君が何処で誰を殺そうと興味はない。君が大人しくしてくれるなら、()()()危害は加えないから大丈夫。怖がらなくても、軽い尋問をするだけだし」


「………」


 そう言い終えると、ノヴァードは前を向いて、またゆっくりと歩き始めた。

 そうした中、ブチャは突然脚を完全に止め、ゆっくりと太い腕を上げ始めた。そして、ノヴァードの頭目掛け、殺意を持って、その拳を振り下ろした。そんな背後からの不意打ちにノヴァードは対応出来ず、なす術もなく、頭部を砕かれてしまった。


 頭のないノヴァードの身体が地面に倒れると、破壊された頭部から脳味噌や人の体液が混じった血が辺りに広がり始め、土や草を赤に染め上げる。


(馬鹿な奴だ……。敵である筈のオデに背を向けるなんてな)


 ブチャは作り上げた血溜まりを大きな靴で踏む。

 今の殺し方から、中央の前戦でカルラを殺したのも、ブチャで間違いないだろう。


「さて、もうやっちまったもんはしょうがねえ。後は、あの門を守っている女を殺さないとな」


 これがブチャの本性だ。自分よりも強いと思った者には、他の魔人よりも好戦的じゃないと見せかけ、隙を見て不意打ちを喰らわせる。これをする事がブチャにとって最大にして最高の快楽になる。これを皮肉を込めて表現するならば、卑怯で猟奇的殺人趣味者と人は言うだろう。


「なるほどねえ。その腕が君の武器か」


「──!?」


 聞き覚えのある聞こえる筈のない声、その声がブチャの背後から突然耳に入り、咄嗟に後ろを振り向く。しかし、そこには誰もいない。自分が殺したノヴァードの屍が転がっているだけだ。


「うんうん、見た目的に体力もありそうだし、よし」


 気の所為だと思い、ブチャは再び前を見る。すると、そこには頭部を潰して殺した筈のノヴァードの姿があった。


「お前、どうして生きてる?」


「──?」


 怖くなり、ブチャは咄嗟の反応てノヴァードの右胸に大振りの拳で風穴を開けた。

 その攻撃をもろ受け、再び、ノヴァードは膝を付いて倒れる。

 手応えはある。今度こそ死んだ筈だ。


「痛いじゃないか。いきなり殴るなんて」


 しかし、次の瞬間にはまたノヴァードはブチャの後ろに立っている。可笑しいのは、声がする方とは反対方向にノヴァードの死体は確かにあるのだ。


「なっ、なんだ?これは?まさか、あれか?不老不死の寵愛ってやつか」


「寵愛?うん、まあそうだけど…でも不老不死とか、そんな大層なものじゃない」


「……出てくるなッ!」


「コラコラ。人が話してるのにまた殴るなんて、教育がなってないね」


「──ヒッ!」


 殺しても殺しても現れるノヴァードに、ブチャの身体の奥底に眠る、生物的な古代から刻まれ続けた根源的な恐怖が蘇る。


 気付けば、ブチャはノヴァードに背を向けて走り始めていた。


 もう何が起きてるのか分からないブチャに残された選択は、逃げる事だけだった。


 一刻でも早く逃げたい、立ち去りたい、逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて────


「おーい、そっちは危ないよー」


 この警告が聞こえる事はなかった。


 そして、逃げる先で黒い影がブチャを包んだかに思えば、突然城壁から降ってきた無数の巨大な岩に体を押し潰された。岩の尖った部分が腹の肉を貫通し、熱い痛みに襲われる。


 この時、恐怖が痛みに上書きされた。


 だが、それも一瞬の出来事。次の落石で頭が砕かれ、腕と脚の感覚がなくなり、何が起こっているのかも分からないまま、知らないまま、意識が薄くなっていった。

 どうも、ドル猫です。まず最初に最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 前書きでも記したように、今回で遂に連載初日に立てた目標でもあった100話を書ききるを達成出来ました!ここまで連載を続けられたのも、ひとえに読者の皆様の応援のお陰です。

 更に、今回で累計50万文字を突破しました!100話で50万文字なので、単純計算で100万文字を超える頃には200話に到達している事でしょう。その頃には、もう4章に突入しているかな?


 この一年と八ヶ月でレビューも貰い、様々な感想を頂きました。これからも、読者の皆様の期待に応えられるような作品に仕上げられるよう、精進します。


 最後に、ご感想と評価とブックマーク登録をしていただけると幸いです。

 本当に、ここまでありがとうございました!これからも、勇者の弟をよろしくお願いします!

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