第四話
宰相の娘か···何故ここに居るのだろうか? 私も人の事を言えないが、何故ドレス姿···? もっとマシな服とか無かったのか? それだと流石にあの山賊トリオに狙われるわ。
確かにアイリスは可愛い美少女だ。
彼女は背中まで伸びた綺麗な金色の髪を三つ編みに結んでおり、サファイアのように青く輝いている瞳をしている可憐な美少女だった。
彼女が少し動いただけで金色の髪が動きに合わしてサラサラと綺麗に揺れた。
あぁ、欲しい···彼女が欲しい····でもお父様とグラディール公爵に言いづらいしなあ(泣)
おっと危ない危ない、もう少しで私の百合趣味に目覚めるところだった。
この性格を何とかしないと····ちなみに私は絶対にあの馬鹿勇者にならないからな!確かに剣聖と賢者は正体を明かして女だけの騎士団···いえ、愛し合う予定だったのに勇者が取ったせいで台無しになって二人の事は諦めて興味を無くしてしまったわ。勇者と一緒にされるのだけはゴメンだ。
百合は好きだが男が一人で後は全員女のハーレムだけは嫌だね、つうかハーレム勇者というチヤホヤされている馬鹿勇者はマジで○ね!ニッポン?という異世界から来た正義の勇者だあ? ふざけんなよチクショウが! だけど、ニッポン? という異世界は彼のような人間がいっぱいにいるのだろうか? そもそもニッポンという異世界は必ずあの馬鹿勇者みたいな人は居ないと思いたいし、そもそも私は差別は嫌いだ···あの馬鹿勇者はどうでもいいがアイツ(勇者)以外の人と会ってみたい。
ちなみにアイリス令嬢は私のもう一人の幼馴染だが、すっかり忘れていた。
本当にゴメン!
するとアイリス嬢が少し申し訳無さそうな表情をして話しかけてきた。
「あのすみません···なにか悩みでもあるのですか? もしかして、勇者の件ですか? 何か失礼なことを言っている事も自覚していますし、あの、あの···その」
ああ!アイリスちゃん駄目よ!そんな可愛い顔で話しかけて来ないで! 確かにあの馬鹿勇者の事は嫌いだけどそんな可愛い顔で問い詰められたら恥ずかしくて返答に困っちゃうじゃない!
ああもう! アイリスちゃん駄目よ! そんな可愛い顔で見ないで!分かったから言うから!(泣)
「ええ、そうね···確かに私は勇者パーティーとオズワルド王国の件でちょっと気にしているわ」
本当は思い出したくないけどな!
するとアイリスが心配してそうな表情で謝罪して来た。
「すみません! まさかここまで傷付いていらしていたなんて知らなかったんです!
申し訳ありません!」
「いえ、大丈夫よ。」
アイリスちゃん···本当にゴメン!
「ですが!」
「アイリス嬢···良いのよ。
気にしてないから大丈夫よ、それに貴女の事をアイリスちゃん···と呼んでも良いかしら?」
そしてアイリス令嬢は驚いたような困惑したような表情になったが了承してくれた。
「まずは勇者パーティーと王国の話ね? 何処から話そうかしら?」
するとアイリスは「最初からお願いします。」と言い、最初から話した。
本当は嫌だが…………。
数十分後…。
「これが私が勇者パーティーとオズワルド王国に追放された時の話よ···どうだったかしら?」
するとアイリスちゃんは···
「ひどい、そんなのが勇者なんですか? 私には勇者じゃなくて、何も努力しないで最高の加護と職業を貰って調子に乗っているお坊っちゃまにしか見えません。」
まるで勇者達の事を「汚物ですね」という感じに勇者の事は失望したような表情になった。
「そもそもハーレムって何ですか? よく小説に出てくるアレですか? もしそうならその勇者と一緒に居たくはありませんし、会いたくもありませんわ。
それに···王国も王国ですね···何故? 勇者の事しか信用できないんですかね? どちらかというと···」
アイリスちゃんが何か言いかける前に少し悩んだ素振りを見せたがすぐに口を開き答えた。
「余りこういうことは言いたくないですが、王国の国王と王都民は勇者の言葉とかを信用しているみたいな感じで···あの··もしかしたら···」
凄く言いづらそうだね···確かに彼女は私と同じで差別は嫌いだ。
特にオズワルド王国は差別主義をしている国だったし、よく奴隷商人が町のど真ん中で亜人の奴隷を···特に獣人族の子供が多かった。
それを見た国民達は汚らわしいとか気持ち悪いなどと罵倒暴言をしていたから···私は見てられなかったから助けたかった···でもあの勇者のせいで助けられなかった。
もしまた王国に戻ってきたその時は今度こそ助けよう。
話は戻すがもうアイリスちゃんが勇気を振り絞って口を開いた。
「腐ってませんか? あの国」
ああ、なるほど···確かにあの国は本当に腐っているな···良く言ったわアイリスちゃん
「ええ···そうね。
アイリスちゃん、ちょっと良いかしら?」
「はい? 何でしょうか?」
私がアイリスちゃんにある事をお願いしたい事があったため彼女の名前を呼ぶと首を傾けながらこちらの用件を聞いてくれる姿勢になった。
「アイリスちゃん、私の用件はね···貴女に私の―――――」
そう、それを一番聞きたくてお願いしたい話だ。
アイリスちゃん···私の―――――
「―――――恋人になってくれるかしら?」
「ええええええええええ!?」
そんなに驚かなくても良いじゃない···アイリスちゃん
こうして宰相の娘であるアイリスは驚愕しながらもアイラ皇女の恋人になったのであった。
その後、城へと戻ったアイラ皇女とアイリス令嬢は父との再会を喜んだアイリス令嬢と父王に叱られているアイラ皇女がいた···何故叱られているのかというとアイラ皇女が父王であるルーカスに「お父様! 私はアイリス令嬢を恋人にします!」と答えて、それを聞いた父王ルーカスがブチ切れ「皇女が貴族の娘を···しかもグラフィールの娘を恋人にする皇女が何処にいる‼️この戯けぇ‼️」と言ってアイラ皇女に目にも止まらぬ速さでアッパーを決められ彼女は城の天井に突き刺さって二日程気を失うのであった。
読んでいただきありがとうごさいました!もしこの小説が面白いかな?と思ったらブックマークとポイント評価または感想をお願いします。