第三話
冒険者ギルドでの騒動のあと無事に冒険者になることが出来た。最近では私を見かける度に他の冒険者さん達、特に男の冒険者達は「頑張ってください!」というエールを送られ女冒険者達は「アイラ姐さん頑張ってください!」という感じになりこの冒険者ギルドは誰に言われたか知らないが皇女様が支配しているギルドとまで言われてしまった。支配していないんだけど···
「良しこれで10匹!」
今私は村の人達の依頼でゴブリン、オークといった魔物を狩っていた。
良しこれでオークは10匹、ゴブリンは15匹だな。
あとはこの依頼を冒険者ギルドに報告すれば完了っと、しかし今、私のレベルって幾つだろう? 少し見てみよう。
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アイラ・アズガルド 18歳
レベル:999
職業:姫騎士『皇女』
体力:9999
筋力:9999
魔力:9999
防御:9999
魔防:9999
敏捷:9999
スキル:勇者殺し、全属性無効化、加護無効化、絶対追撃、絶対最速、限界突破、無限の武器
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何これ!? もうカンストしてる!? いつから私はレベル999になったんだ? これ絶対勇者や魔王を越えているよ。
いや、魔王は何レベか分からないのに決めつけるのは良くないが特に勇者は···あいつ絶対成長していないな。
私は無意識にある事を呟いた。
「勇者殺しって何?」
勇者殺しってそもそも何? これで勇者を殺せとでも言うのかしら? 勇者カズマは嫌いだが復讐する気はない。
もし勇者達にするとしたらざまぁはしたいな。
もうあの王国の事を考えるのをやめよう、気分が悪くなってきた。
そう言えば、剣聖と賢者は元気だろうか? もしあの二人が勇者に寝取られて居なければ私の婚y···じゃなくて私の近衛騎士にしようと思って居たんだけど···あの馬鹿勇者が余計な事をしなければあの二人を手に入れられたのに···全く!!
「帰ろうかな」
私はそう呟きながら冒険者ギルドに向かった。
数時間後····。
「お帰りなさいませアイラ様」
最初に向かい入れてくれたのは冒険者ギルドの看板娘でもある受付嬢であった。
受付嬢は私にお辞儀をして向かい入れてくれた。
「ただいま。」
私は微笑みながらこちらも受付嬢にお辞儀をして依頼の事を報告した。
「ゴブリンが10匹、オークが15匹でしたよ」
「ありがとうございます。
では、こちらが今回の報酬になります。」
そして私は受付嬢から報酬を貰いお礼をして踵を返して冒険者ギルドを出た。
さて、どうしようか···。
まずは城に戻りますか。
しばらく歩いていると「きゃああッ!!」という悲鳴が聞こえたので皇女として姫騎士として悲鳴が上がった方向へと駆け出した。
すると嫌らしい男が三人···と恐らく何処かの貴族令嬢が一人いた。
おいおいちょっと待て! 何故こんな処に山賊が居やがるふざけんなよチクショウ!
そして私は駆け出し山賊達···ああもうめんどくさい! もう山賊A、山賊B、山賊Cで良いや。
そう考えながら一瞬で山賊Aに距離を詰め山賊Aの顔を殴り飛ばすと力の加減が強すぎたのか山賊Aは空の彼方へと飛んでいった。
しまった···忘れていた。今の私のステータスがとんでもなく上がっていたのを忘れていた。
「ダニエル兄サーン!」
「クソ! よくも殺りやがったな!」
ええ!? 山賊Aに名前があったの!? 知らなかった···いや、まだあの山賊Aは恐らく死んでいない···多分。
「貴方達もダニエル? みたいになりたくなければこんなつまらない事を止めて自分の家に帰りなさいな。」
私は名前も分からない山賊達に手をひらひらと煽りながら忠告した。
「ふざけんなよこのアマが‼️」
すると私の煽りが山賊Bの怒りが限界を超えたのか暴言を吐きながら襲ってきた。
「危ない!」
名も知らぬ貴族令嬢ちゃん···大丈夫よ私はこいつらには負けないから
山賊Bの拳をギリギリ所で避けそして私は山賊Bの腹を殴り彼もダニエル?とやらの山賊と同じく空の彼方へと飛んでいった。
「ジョ、ジョージイイ!?」
ジョージだと? ダニエルの次はジョージですか、まさかこいつら兄弟なのか? さっき兄さんっと呼んでいたような? もしそうなら···こういう感じかな?
長男ダニエル、次男山賊C、三男ジョージ……。
何これ、まさかあの伝説の話でお伽噺にも出てくる山賊三兄弟が実際に居るとは···良し確認しよう!
「ねえ、最後に残った貴方に聞きたいことがあるわ···良いかしら?」
すると山賊Cが切れだし挙げ句には「あいつらはな、俺の実の兄弟なんだよ‼️ よくも俺の兄であるダニエルと弟のジョージを殺りやがったな‼️ああ‼️」とドスの利いた声で怒鳴りジョージ?と同じように私に殴りかかって来た。
こいつらは本当に同じ様な攻撃しかしてこないのか? まるで何処かの誰かさんみたいだ。
もう良いや、殴り飛ばそう。
私はそう思いながら山賊Cにアッパーを放ち彼も先に飛ばされた兄弟と同じく空の彼方へと飛んでいく瞬間に「俺は絶対にお前の処に戻ってくるぞ❗️ 俺の名はグリーンカレーだ❗️覚えておけ‼️ あーれー!」と言いながら飛んでいった···それに台詞長えよ!省略してから言え!しかし山賊Cの名前がグリーンカレーか···食べ物じゃないか!次男の方はちゃんとした名前を付けられた無かったのか? それと確認が出来なかったな。
私が苛立ちながら考えていると山賊達(三馬鹿)に襲われていた貴族令嬢が駆け寄って来てお礼をしにきた。
「ありがとうございます! もしあなたに助けて頂けなければ私は今頃山賊達に襲われていたでしょう。」
するとその貴族令嬢はお辞儀して、また改めてお礼をしてきた。
「ええ、問題ないわ···困っている人を助けるのは当たり前の事よ。
貴女も次は賊に襲われないように気を付けるのよ?」
「はい!解りました!」
そして私は踵を返して歩き出そうとした時に「待ってください!」と呼び止められ何か用?と聞いた。
「あの、貴女ってまさか···」
ん? 何だ?
「まさか···アイラ様ですか?」
「ち、違うわ!私はれっきとした普通の女性よ!」
不味いこのままじゃ
「正直に答えてください!! あなたはアイラ様ですか?」
ああ、もうバレバレか···もう言うしかないな。
「ええ、私はこの国の皇女···アイラ・アズガルドよ··何故解ったのか教えてくれるかしら?」
すると貴族令嬢はすぐに答えた。
「まずは、あなたの銀髪とあなたが持つ武器が証拠です。
そもそも銀髪の髪をしているのは王族しか居ませんし、あなたが持つ武器も本来は王族しか扱えないものです。」
チッまさかここまで正体がバレていたとは思いもしなかった。
おい、ちょっと待て···もしかしてこの子はあの公爵家の!?
「もしかして貴女って····グラディール公爵家の?」
私はこの時、直感的にこの貴族令嬢の正体が解った。
するとその貴族令嬢は改めてドレスの柄を持ち上げお辞儀をしてそれからその貴族令嬢は本名を出した。
「お久し振りですね、私の名はアイリス・グラディール·····あなたの父である皇帝の宰相の娘です。」
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