第二十二話
スマホが壊れて修理に出していたので時間が掛かって申し訳ありません。
はい。到着······馬鹿勇者は一人部屋だけど文句無いよね。
「おいおい、待てよ。
何故俺様が一人部屋なんだよ。」
馴れ馴れしいわ。
別に良いだろうが、お前は一人で眠れないお子ちゃまか何かか。
「普通は一人で眠るものです······特に勇者様、まさかだと思いますが何か嫌らしいことでもするつもりで?」
「······いや~違うよ、俺様はな心配なんだよ、コイツらの事がな。」
嘘下手だな~、特に目が全然違うところに向いている······。
「気持ちは分かりますが、保障のためです。」
「だから俺様がやる「結構です!!」ッ!!」
すると彼はばつの悪そうな顔をした。
これ以上は言わせない······今のところは勇者のイメージを崩す気は無い。
今のところはね。
「さあ、勇者様! あなたの部屋は隣ですので行ってくださいませ♪」
「チッ分かったよ。」
と舌打ちをしながら部屋に行った。
監視を強化しといた方が良いかも、じゃなきゃ絶対にいやーん♡ 的な事でもするだろうから。
それに汚されるのもちょっとね~嫌なんだよね。
「ふう。」
でも、場所間違えたかな? なんか嫌な予感が······。
「ちょっとあんた!!」
「何ですか?」
「勇者様を冷遇するなんて言い度胸じゃない!!」
ああ、元幼馴染? の剣聖の少女が怒鳴ってきた。
そういえば名前なんだっけな?
「すみませんが保障の為です。
誰かが夜に襲ってきたら怖いでしょう? 私の部下も優秀ですし、少なくとも安全確保が出来ます。
······失礼ですけどあなた誰でしたっけ?」
「はあ!? 私はシラよ!!」
「すみません、私物忘れが激しくて。
剣聖という所しか覚えていませんでした。」
「まったく、次は気をつけてよ。」
名前を忘れたくらいで怒るとは······追放されたあの時よりも更に性格が悪くなっているね。
後で始末書でも書こうかな。
「ちょっと!! あんた!!」
次は賢者の少女が怒鳴ってきた。
「次は何すか。」
「何よ、その言い方は!!」
「すみません、こっちが標準語ですので。」
「嘘よ!!」
「すみませんがあなたの名前も教えてくれませんか?」
「エレナよ!!」
ああ、確かそんな名前だったね。
賢者という名前だと思っていたよ。
「エレナさんですね。」
「様と呼びなさい!!」
「エレナちゃま」
「わざとかしら?」
「すみません、嚙みました。」
そう言うとエレナの顔が鬼になって、魔法で私に攻撃しようと手を翳してきたが、聖女様に止められた。
「止めなさい、みっともない。」
「聖女、あんた放しなさいよ!!」
やばいどうしよう、(主に私のせいで)大喧嘩に発展しそう。
「私たちよりも小さい子を攻撃するなんて大人のやることかしら? 少しは恥を知りなさい。」
「さてはあんた、勇者様の事が好きで私達の事が羨ましくてこんなことをしてるの? ダッサ~。」
「貴女は子供か何か? 礼儀正しくしなさいと言っているでしょう。」
「うるさいわね!! あんたと喋っているとこっちが疲れるわ!!」
「それは奇遇ね。
私も貴女と喋っていると喉が乾くわ。
アイラ皇女、私の部屋はこの部屋で良いかしら? 出来れば一人にして欲しいわ。」
纏まってくれれば楽なんだけど、
「えっ、本当は3人とも同じ部屋にしてもらいたかったのですが、この様子じゃ無理そうなので良いですよ。」
「ありがとう。助かるわ。」
そう言い残して部屋に入って行った。
後はこの人達だな。
「どうしましたか? 3人とも入らないといつまで経っても時間が過ぎるだけですよ?」
「分かってるわよ!! 言われなくても!!」
「あんたに言われたくない。」
最後まで暴言を吐きながら聖女様が入った隣の部屋に入って行った。
さてと、次はエルザ王女か。
「どうしたのです?」
「貴女、アインでしょ。」
一応結界張っておくか、防音用の結界をね。
「いいえ、違いますが?」
「嘘を付くな······私の目を誤魔化せないわよ。」
これは厳しいな。
「勘ですか? 普通そのようなものはすぐ外れますよ。」
エルザ王女は勘が鋭い······半端な嘘だとすぐに見破られる。
「いいえ、私の勘は外れたことなどあるわけ無いわ。
嘘を付かずに正直に話なさい。」
「はあ、分かりました。
彼は私が派遣した冒険者です。」
「冒険者? 彼奴、此処が出身だったのね。」
「まあ、そうですね。
彼は相当有能でしたがそちらではどのような活躍をなさいましたか?」
「あんなクソ野郎で小石以下しかない存在のあの男が活躍なんてするわけ無いでしょ!! いつも勇者様の邪魔ばかりするし、うざいしで、殺してやりたい気分だったわ!!」
あの時邪魔したのではなく、サポート回っただけなのにクソ扱いで小石以下しかない存在か、言ってくれるじゃないか。
そういうお前こそ、後ろでキャーキャー悲鳴をあげていたじゃないか。
「では、貴女は何かしたのですか? 私と同じく姫騎士でしょう。」
「あんた、年下の癖にいい気になってんじゃねぇわよ!!」
それ一国の王女が言う台詞か? やっぱりこいつは変わらないな。
あの馬鹿勇者と同レベルの腐れ野郎か? この人の妹の方がよっぽど常識あるわ。
「その怖い表情をやめてもらいませんかね? 貴女の妹様が見たら怖がりますよ? 『お姉様怖いです!! もう近づかないで下さいまし!!』と言われますよ?」
「なっ!!」
さあ、どうでるか?
「論点をずらすな!! どうでも良いのよ!! あんな愚妹なんか!!」
こいつ、自分の妹を愚妹と呼ぶか。
いくら私が女の子大好きでも妹を愚妹と呼ぶような輩は苦手だ。
「ハア、もう良いです。
貴女と話していると疲れるので、此処で失礼させてもらいます。」
「おい、逃げるな!!」
「ハイ、サイナラ~。」
私は怒り狂っている彼女を無視してその場を後にした。




