~かしこいシマリスのお話~ 第四話
だいぶ日差しが強くなってきたある日、
クルルが家族を集めて話し始めました。
クルル: 『キロロ、それからみんな。大事な話があるんだ。』
キロロ: 『………。』
アルディ: 『どうしたのさ?父さん。真面目な顔して…。』
クルル: 『…みんなとお別れする時が来たんだ。』
キロロ: 『…あなた…。』
アルディ: 『お父さん、何処か行っちゃうの?』
クルル: 『私たちシマリスは、夏になる前に一人ずつの生活に戻るんだ…。』
キロロ: 『アルディ、みんなも聞いてちょうだい。これは私たちのルールなの。』
アルディ: 『そんなのいやだ!みんなでずっと一緒に暮らそうよ!』
クルル: 『…だめなんだ。これがぼくたちシマリスの運命なんだ…。』
アルディ: 『どうして?』
クルル: 『…そりゃぁ、毎年新しい嫁さんと…その…つまり…なんだ…。』
キロロ: 『あなた!!!』
クルル: 『いや…つまり…アルディもシマリスの仲間たちが襲われるのを見ていただろ?』
アルディ: 『…うん。』
クルル: 『シマリスは弱い生き物だ…。だから毎年たくさん子供を作らなけりゃいけないんだ。』
アルディ: 『来年もお父さんとお母さんでぼくたちの兄弟をふやせばいいじゃないか!』
クルル: 『…それじゃだめなんだ…。』
アルディ: 『だから、どうして!?』
クルル: 『一人の生活になって、生き残った者だけが子供を作る…。それがルールなんだ…。』
キロロ: 『…。』
アルディ: 『…ぼくはひとりで生活するよりみんなで協力して暮らした方がいいと思う…。』
アルディ: 『そうだ!家族だけじゃない!森のシマリスみんなで協力して暮らすんだ!』
クルル: 『…それは…いったい…。』
アルディ: 『みんなで仕事を分担するんだ!』
クルル: 『どういうふうに?』
アルディ: 『鳥やキツネを見張るリスと、どんぐりを探すリスに分けるのさ!』
キロロ: 『!!!』
アルディ: 『それから、どんぐりを隠した場所を忘れない様にみんなで1箇所にきめる!』
クルル: 『!!!』
アルディ: 『そうすればみんな襲われる事もないし、どんぐりもたくさん集められるよ!』
キロロ: 『アルディ、すごいわ!』
クルル: 『…やっぱりおまえはとうさんの子だ!』
つづく…。