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No4 俺の食べ物は何?

ゴキブリは雑食性ですが、ある程度味が分かるそうです。

 しかし、やっぱり死ぬのは怖い。いや、一回死んでいるのだが。

 ゴキブリとしてまた殺される?

 アホな……。

 考え直した俺は、食洗器の背後の壁をひたすら上りながら、ふと気付くと前足に付着した油に心惹かれていた。


 あれ……?


 めっちゃおいしそう……。


 やばいよ。完全にゴキブリやん……。


 でもうまそう……。

 ゴクリと唾をのみ込む。

 まずいぞ。冷静に考えろ。

 人間ならまず間違いなく壁に飛んだ油は舐めない。


 しかし、今自分はゴキブリだ。人間の気持ちを持ったゴキブリだ。

 ふと、周りを見渡せば居酒屋の中には、唐揚げを頬張る者。刺身を味わう者。ビールを美味しそうにゴクゴク飲む者。色々な食事がテーブルの上に並んでいるのが見える。

 俺だって食べたい。

 何も食べなかったら死ぬ。


 人間に戻ったら、大好きなハンバーグを死ぬほど食ってやる!

 腹いっぱいになるぐらい食べてやる!

 チーズも乗せて、コーラと一緒に腹いっぱいになるまで食べる!


 だから今は……。

 よし、舐めてみよう。


 ただの油だった。


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