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大歓声

キーーーーーーーーーン


変な耳鳴りとかすかに聞こえる歓声

目を必死に開けるが固めは開かず

もう片方は赤く濁っている。

三半規管もおかしくなってみたいで方向感覚も掴めない。



やられた。そう感じた。




何かどうなっているか分からないうちに、右から左からあらゆる方向から拳や蹴りが入る。



「…ハァ…ハァ…聞こえて来た…」

徐々に耳鳴りが止み周りが鮮明に聞こえる。


「ちょっと!けんた!あと10秒反応しなかったらタオル投げるわよ!!」

後ろのセコンドの湯音が負けを意味するタオルを投げるか迷っている声が聞こえた。

「まて…」

俺はなんとか右手をあげる。


中腰の姿勢からしっかりと立ち

周りを見る

目もだいぶ回復して来たみたいだ。

前には大鯛小町がいた。


「すごっ、先輩。今の食らって回復早くないっすか?」


「…うるせぇよ」


俺は二つ返事で答えた後バックステップで距離を取る。

なんとか今の連続攻撃を耐えれたみたいだ。


「まあ、なんでもいいや。」

大鯛小町はまた土を拾う。

そして投球フォームを取った。


「…ッ!」

急いで回避行動に出るが


「甘いっす!」

大鯛小町の手から出た土はさっきの土と違い

周りへと霧のようにばらけていく。

そして爆発

まるで、散弾銃の弾のようだ。


身体中にかすり傷ができる。


「やっぱ先輩おかしいっすよ。今のでその怪我。もしかしたら身体能力強化は耐久性の面でも強化されるんですかねぇ?」



俺は怯まず大鯛小町に一直線で走り出す。


大鯛は何故か走って逃げた。

が数秒後向き直り土を掴む。


「ほれっ!」

投げた土は最初と同じ爆弾式


俺は、途中で動きを止める。

距離を予測して投げられた土は手前で爆発する。


「そんなんじゃジリ貧ですよ!先輩!」


周りに漂う爆煙の中で大鯛小町は叫ぶ。


俺は爆煙を利用し目の前まで近づく。

「そういうことかよ!」

俺のハイキックをなんとかしゃがんで避けた大鯛小町は俺の軸足に足払いをかけようとする。

「ジリ貧はずっと土投げてるお前の方だ!」

高く蹴り上げた足を垂直に落とす。


もろにかかと落としを受けた大鯛小町は地面に突っ伏せる。


「誰でも最初に開発、授与される身体強化。何故かわかるか?」

「…なんだよ」

「選手の怪我のリスクを抑えるためだ。異常な破壊力を生む能力、回避行動にも無理をしなければならないし直撃した際にも耐久力がいる。だから身体強化を生み出せない人は能力開発の選考から落ちる。」

「へぇ、そうすか」

心底興味ない様子で答える大鯛小町

「今のかかと落とし常人なら死んでるぞ」

「僕の爆弾岩も同じですよね?」

そう言いながら大鯛は付近の地面に軽く触れていく。

「次は僕の話です。僕の能力 範囲と威力は決められているんですよ。だからこうやって小分けしていけば…」

手を払いながら大鯛はこちらを向く。

「地雷です。どれがどれだけの威力と効果範囲を持つか分からない。…怖いでしょう?」


しかし、その話を聞き終わらないうちに俺は歩みを始める。勝利を確信したからだ。

「最後に2つ教えてやるよ。」


歩みからし走りへ。

一気に詰め寄る。

「一つ、俺は記憶力も強化されている!!!」

地雷原に踏み込むが一つも踏み抜かず大鯛小町の目の前に接近する。

「うわぁ!!」

「もう一つ、お前は爆弾岩を一度使用したら次までに時間がかかる。お前のお喋りもそれを隠すためだろう?」

「うれせぇよ!くそが!」

大鯛は大ぶりのパンチを繰り出す。

しっかり見極め俺はカウンターを入れた。




ドンッ





{…おっ、おっーとお!!!まさかの大宮選手の勝利でぇぇすううう!!!!!}


一瞬の静寂の後、アナウンスが流れる。

それに、続くのは大歓声

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