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ようこそ幻想都市塔京へ   作者: 竜馬光司
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第5話 その2

勝太郎とバルイールが駐車場に向かう。

そこにはメルヒェンがウミボウズの前で二人を待っていた。

「お待ちしていました。マム。マスター」

メルヒェンは二人の姿を見つけて深くお辞儀をした。

「ご無事でよかったですマスター」

「何とかな」

「メルヒェン。弾薬は補充できた?」

バルイールの問いにメルヒェンは頷く。

「弾薬を補充?」

「はいマスター。ボウビーチに行き、弾薬を補充してきました。あと皆様の銃も持ってきてあります」

メルヒェンはウミボウズの後部ドアを開ける。

中に銃と弾薬が所狭しと置かれていた。

「……いくらかかった?」

勝太郎はかなりの数の弾薬を見て、つい値段のことを聞いてしまう。

「クニェツに事情を説明したところ、ツケで良いとの事でした」

「オッさん太っ腹じゃん」

バルイールは両手を頭の上に置いて口笛を吹く。

「マスター。伝言とこれを預かりました」

「何だ?」

メルヒェンが勝太郎に渡したのはガンケースだった。中を開けると一丁のピストルが出てくる。

「ジェリコ941……ミスフォルラのか?」

それはクニェツがミスフォルラ用に調整していたジェリコだった。

「はい。ついさっき完成したそうです。伝言は『彼女にこれを手渡してくれよ』です」

メルヒェンはクニェツの声をそっくり真似て、伝言を伝えた。

「伝言は受け取ったよクニェツ。ちゃんとコイツを彼女に渡すさ」

「ショータロー。早く準備しよう」

勝太郎は頷き車の中に入る。すでに準備を終えたメルヒェンは運転席に座った。

「メルヒェン。準備するから五分待ってくれ」

「分かりました」

メルヒェンは頷く。

勝太郎とバルイールは、すぐさま準備に取り掛かる。

勝太郎は愛用のアサルトライフルHK416を手に取る。

HK416には上部にホロサイトとレイルに取り付けられるアドオングレネードランチャーM203を装着する。

五・五六ミリが三十発入ったマガジンを装填してチャージングハンドルを引いて薬室に初弾を装填する。

キメラスーツの上から防弾仕様のタクティカルベストを着る。

そのポーチには予備マガジンと四十ミリグレネード弾をできる限り詰め込む。

サブウェポンのM1911も初弾を装填しておく。

そしてセイフティをかけコックアンドロックの状態で太腿のレッグホルスターに収納した。

腰のベルトにはM1911の予備マガジンと接近戦用のナイフを差し込む。

最後にクニェツから預かったジェリコにマガジンを装填して腰のベルトに差し込んだ。


バルイールが使うのは七・六二ミリを使用するHKG3だ。

G3には上部に中距離戦用のスコープが搭載されている。

スコープの上には近距離用のダットサイトが取り付けられていた。

彼女も勝太郎と同じく、タクティカルベストとベルトに予備弾薬を詰めていく。

勝太郎と違うのは四十ミリグレネードではなく、自衛隊でも採用されているM26手榴弾(てりゅうだん)をベストに装備する。

レッグホルスターにはM93R。腰にはナイフの代わりにある物を持ってきたて腰に下げる。

それはタクティカルトマホークという軍用の斧だ。

これは刃の反対側が鋭いピックになっている。

その為、切るだけではなくピックで相手をついたり引っ掛けて倒すこともできる。

更にはヘルメットを被った相手の頭ごと叩き割ることも可能だ。

怪力を持つドワーフのバルイールにぴったりの武器だった。

更に銃床と銃身を切り詰めたイサカM37ソウドオフショットガンを背中のホルスターに収める。

バルイールはコレが大のお気に入りで、銃身にレーザー刻印を施し自分の名前を彫っていた。


「ショータロー。これもあるよ」

そう言って勝太郎に渡したのは緑色の弾頭を持つエーテルバレットが詰まったマガジンだった。

「エーテルバレットか。ありがたい」

勝太郎とバルイールはマガジンの一つをエーテルバレットが詰まったマガジンと交換する。

勝太郎は更に四十ミリグレネード一発をエーテルグレネードに入れ替えた。

「マム。マスター五分経ちました」

正確に時間を数えていたメルヒェンがそう告げる。

「俺たちの準備は完了した。出してくれメルヒェン」

「メルヒェン、アクセル全開でお願い」

準備を終えたバルイールは助手席に移る。

「分かりました。ウミボウズ発進します」

そう言うと、メルヒェンはシフトノブを操作してギアを一速に入れ、アクセルを踏み込んだ。

ウミボウズはスムーズに発進し駐車場を出て、塔の入り口に向かう。

「大丈夫? ショータロー」

バルイールが助手席から声をかける。

「薬のお陰で痛みもないし身体も動くから問題ない」

「分かった」

実際は体力がかなり落ちている。

現に武器弾薬を装備しただけでどっと疲れ動けなくなりそうだった。

それをミスフォルラを助けるという一心で身体に鞭打っていた。

しばらく進むとメルヒェンがブレーキを踏んで車を止める。

「如何したの?」

「赤信号です」

見ると信号は赤く灯っていた。

バルイールは辺りをキョロキョロと見回す。

周りには車は一台もなかった。

「……メルヒェン緊急事態だから、今日は赤信号は無視しよう。ただし事故には注意して」

「分かりました。発進します」

頷いたメルヒェンは、赤信号にも関わらずウミボウズを発進させた。


「少し寝る。着いたら起こしてくれ」

そう言って勝太郎は後部座席で眠ってしまう。

勝太郎が眠った直後、バルイールのスマホに着信が入る。

相手は桃ノ木博士だった。

「もしもし」

バルイールは車に揺られながら、電話に出た。

『もしもしバルイールか? 私、アスカだ』

「どうしたの? アスカちゃん」

『今、三人で塔に向かってるんだろう?』

「うん。ミスティを助けに行くところ」

『そうか。勝太郎ならそう動いてくれると思ったよ。彼は大丈夫かい?』

バルイールはチラリと勝太郎を見る。

彼は腕を組んで寝むっていた。

「うん。怪我はしたけど大丈夫。ピンピンしてるよ」

『それは良かった。まあ二、三発撃たれたくらいで死ぬ子じゃないか。それと此方でもあんた達を手助けしてあげるよ』

バルイールの頭上にクエスチョンマークが浮かぶ。

「手助け? 何してくれるの?」

『聞いて驚け。私のツテを利用して探索者達に通路の塔獣(モンスター)を掃討してもらうように依頼を出した。少しは通りやすくなると思うぞ!』

電話越しだか桃ノ木博士が踏ん反り返っている絵がバルイールの頭に浮かんだ。

「ありがとう。助かるよアスカちゃん。でも結構お金かかったんじゃない?」

『心配するな。これぐらい必要経費だよ。それよりもミスフォルラの事頼むぞ。

絶対四人で帰ってこいよ。一人も欠けちゃ駄目だぞ!』

「ありがとう心配してくれて。ショータローにも伝えておくよ」

『お願いね。ちょっとメルヒェンに代わってもらっていいかな?』

「うん。分かった」

バルイールはスマホの通話をメルヒェンの電話機能に送信する。

「メルヒェン。アスカちゃんから話があるみたい」

「分かりました。お久しぶりです桃ノ木博士」

メルヒェンは運転しながらハンズフリーで、桃ノ木博士と通話を始めた。

『久しぶりメルヒェン。元気にやってるかい?』

「はい。問題ありません。ご用件は何でしょう?」

メルヒェンは冷静に受け答えする。

『用件は視覚データをこちらでも見れるようにして欲しいんだ。出来るかい?』

「可能です」

『じゃあ接続よろしく』

メルヒェンは数秒沈黙する。

「接続完了しました」

『こちらでも確認。何かあったらこれですぐアドバイスが送れるよ』

「よろしくお願いします」

『バルイールに代わってもらえる?』

メルヒェンは通話をバルイールに戻した。

「もしもし?」

『こっちのようはとりあえず済んだよ。頑張れよバルイール。アルフィアと二人で帰りを待ってるから』

「分かってる。行ってくるよ」

アスカは『じゃあ』と言って通話を切った。

通話が終わったのと塔についたのはほぼ同時だった。

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