表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

かつてないほど心地よい無の中で

作者:

ある若者が寺を訪れた。

氏曰く「どうしても酒をやめられない。この頃は日常的に酒を煽っている。ついには樽ごと飲むようになった。酒に負けない心がほしい。心身を鍛えたい」とのこと。


僧はその若者を受け入れ、早速滝に打たせることにした。


季節は冬。

若者は震えながら川に入り、落流の下にあぐらをかいた。


頭からぶつかる大きな流れに若者はそれでも負けなかった。

僧は若者のその姿に感心し、寺の情事のためにその場を去った。


取り残された若者は必死の思いで岩場に根を生やしていたので、そのことに気づく間もなかった。


若者は長い時間をかけて自身を追い詰めた。


それから10年。


若者はついに無を体得した。

その証拠に僧は若者の存在を忘れてしまっていた。


かつてないほど心地よい無の中で、若者はいつの間にか眠りについていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ