身と刃
掲載日:2016/07/13
胸に刺さる、この痛み。
鈍くて、気味が悪い。
抉られるような痛み。
捻り、捩られる鈍き刃は、滲み出た血液を纏わせ、柄までもを赫く染め、煌々と妖しい光を放つ。
深くに捩じ込まれて行く刃は、人肌の温度を持ち、刺さる身と一体になるような感覚を味わわせる。
その存在が我が身の内に消えた時、ズキ、ズキ、という痛みが心地良い。
滲む血とともに後退して行く思考能力。
下り行く体温に思うことは何もなく、ただただ、快楽のみが脳を支配する。
麻痺する脳は痛みを忌避することさえ忘れ、壊れ行くことへ満足感を覚えるように。
後はただ、崩壊へと突き進むのみ。
戻ることなどできる筈もなく、悦楽の闇へ溺れ行く。
そして、狭間がわからなくなった頃、この身は滅び、消えるのだろうか。




