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異世界で囲われて  作者: するめいか
24/27

24.準備

 帰って意見書を出す。

 無論というか勿論というか、提出された意見は問題なく通った。

 まあ事業的(金銭的)に大規模でないのと、自分たちにも恩恵(楽しみ)があるのだから、とっとと通してしまって早く旅行に行きたいのだろう。

 一応の予定では出来上がるのは半年後になっている。

 いましばらく時間がある計算だ。



 でも、やれる事はやれる時にやっておくのが俺の理念である。

 例えて言うなら一回ですごく痛い思いをするより、百回に分け軽い痛みをチクチク我慢していたいタイプである。

 更にわかりやすく言えば、まずいジュースを原液で飲まずに薄めてしばらく飲み続ける感じの軟弱な感じ。

 それが俺の基本スタンスである。

 ちょこちょこ仕事を分散させてのんびりとやっていく。



 ちなみに効率重視の俺だが、今回はのんびり非効率にやっている。

 忙しい時はそれでいいが、今回はというかこっちに来てからは追われる仕事なんてないし。

 そんな訳で、ここ毎日一日一つの作業していない。

 仮に頑張って働けば一日に五つの作業は終わるが頑張らないので一日一つ。

 だって半年後に終わればいいのだから。

 で、予定では一応、向こうに行く一か月前には終わらせるはずだ。



 で、俺のもう一つの理念。

 余裕はたっぷり持てだ。

 慌てて仕事をすると結構抜けていることがある。

 一日一つだとケアレスミスが減るからね。



 で、本日の予定。

 温泉地の名物料理を考えること。

 そう、ただ考えるだけの日である。

 で、以前に考えたものが。


 マス寿司。

 プリン。

 茶碗蒸し。

 温泉饅頭。

 温泉卵。


 とりあえず5つである。

 ふむ。卵料理率高しだな。

 鶏をあっちに用意しないといけないかな。



 まあ鶏をあっちの孤児院で飼うのもいいかもしれないかな。

 無論、鶏のお世話をするプロも雇うことにする。

 孤児院の用務員さんも兼ねてね。


 ──────ニワトリ的孤児院。


 三歩歩いたら物忘れしそうな孤児たち。

 前途多難だな。 まあ冗談だが。

 でも生き物を飼うというのもいいかもしれない。

 生き物を飼うことで思いやりなんかも身に付くという期待出来るし。



 で、今回飼う鶏は食べない予定である(お肉にしない)。

 なので食育でなく純粋に卵を取るだけ。

 まあこれも一応食育なのか?

 そんな訳だから年取った鶏は、お亡くなりになるまできちんと飼わせて頂くことにする。



 生きて飼っていれば鶏もフンをするし、それは肥料にもなるからね。

 こっちの世界も鶏のフンを肥料にしているので加工とかも問題ない。

 まず孤児たちに産まなくなった鶏のお世話をしてもらおう。

 生き物係的な感じで。

 用務員さんにフォローしてもらってさ。

 で、慣れたら卵から飼ってもらうとしよう。

 まあこっちは自己消費になるから市場には出回らないと思うが。

 とりあえず鶏業者を募集して貰わねばなるまい。







 次は泊まる宿を考えてみる。

 温泉までに行く道中の宿と温泉地の施設である。

 どうせなら温泉地に行くまでにも名物料理なんかも作りたいものだ。

 三人で旅をした際に泊まった先での料理はどれもこれも似たような物だったし。



 とりあえずアンコを主体にかな。

 小豆や砂糖はこっちの世界でもあるし。


 あんまんと肉まん。

 アンコのクレープ。

 アンドーナツ。

 おはぎ。

 お汁粉とぜんざい。


 こんなもんかな。

 どれもこっちの世界の物で出来るものばかりだ。

 ちなみに俺は白アンの作り方をしらない。

 白アンの材料名に白いんげんとあったが、どう調理すれば白いんげんが白アンに変化するのか俺には理解不能だ。



 でもズンダなら何となく分かるかな。

 確か枝豆を使えばいいんだよね。

 緑つながりで草団子も捨てがたいな。

 団子にヨモギを入れたらいいんでしょ。

 ヨモギなら俺でもわかるし。



 とりあえずヨモギ団子はともかく、ズンダの餡はまだ隠し持っておこう。

 隠し玉である。

 とりあえず王城の三階では作ってみるが。

 俺も久しぶりに食べたい味だし。



 で、せっかくだから、きな粉も作ろう。

 あれも作り方なら分かる。

 大豆を石臼でゴロゴロ挽けばいいのだ。たぶん。

 こっちに石臼があるかどうかは知らないが。

 まあ粉にする道具ならありそうだし。



 考えるだけだが、思考に穴があって意外に大変である。

 とりあえず、考えたことをメモにとって終わりである。

 一応清書もするから時間を取られる。

 本日の労働、二時間なり。

 なかなか素晴らしい生活である。







 翌日、料理長を部屋に呼んだ。

 今日呼んだ理由は、茶わん蒸しとプリン作成の為である。

 卵と水もしくは牛乳の割合を忘れてしまったので、試してもらいながら作ってもらう。

 で、幾つかの出来上がった料理だが俺の監修なので味に深みというか何か足りない気がするので、料理長に深みを出して欲しいとお願いをする。

 ちなみにカラメルソースも作ったがこれまたイマイチだったので、それも一緒にお願いをすることにした。

 で、一か月後に三階にて試食会を開く旨を伝える。



 ちなみに他の料理は後日である。

 一気にやると混乱する(主に俺が)

 まあ料理長は城にいるし何時でも会えるから問題ない。

 で、本日の労働三時間。

 料理の待ち時間が長かったというのが理由である。



 で、その翌日は孤児院の遊具の設計である。

 と言えば格好いいが、実際に設計図を描いたが微妙だったので粘土で見本を作ることにした。

 平均台にすべり台にシーソー。

 で、跳び箱に鉄棒に登り棒。


 

 で、鉄棒と登り棒が微妙だけど気にしない。

 そして苦心して作ったシーソーと滑り台。

 マルガも参戦して半日くらい粘土と格闘をする。

 ちなみにマルガも参加し、花を作っている。

 微妙にクオリティが高かったので、遊具にこの絵でも描いてもらおう。

 女の子が喜びそうだ。

 ちなみに、三日後に親方に会う約束を取り付けて貰い、本日の業務は終了である。



 そんな感じで鶏の件やら試食会など無難にこなしていくこと五か月と一週間後。

 一応すべての予定は完了した。

 自分でチェックし、孤児院の職員さんにもチェックして貰った。

 まああっちに行けば足りないものなど山のように出てくるが、それを今言っても詮無きこと。

 大きな物をいくつか作っておけば見栄えはするもんである。



 ちなみに遊具は向こうで出来上がっているとのことだ。

 まあ家を建てるのに比べたらそこまで労力も大きくないからな。

 余った木材で積み木なんかもいっぱい作って貰った。

 あとは向こうに行く日を待つだけである。

 うむ。温泉よ、待っておれ。

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