第六話 悪夢の果て
ザワザワザワ…
ランザ「…逃げ切れた…の…?」
???「ライト!!無事か!!」
ライト「父ちゃん!!」
ライト父「大丈夫か…!!」
ライト「うん!大丈夫!母ちゃんは?」
ライト父「今はトイレに行ってる」
ライト「そっか…良かった…!!」
レイン「…」
ザッ…ザッ
ランザ「…ねえ…レイン…大丈夫…?」
レイン「…別に…」
ランザ「…別にって…返事になってない…」
レイン「…関係ないだろ…ランザには…」
ランザ「関係なくない…!!」
レイン「…ランザ…世界は残酷なんだ…」
レイン「…進み続ければ死に…留まっても死ぬ…」
レイン「…俺の母ちゃんは死んだ…目の前で殺された…」
レイン「…結局俺はこうなるんだ…」
ランザ「それでも…!!」
レイン「…分かるか…ランザ…」
レイン「…この世界はどうしようもなく…残酷だ…」
バサッ…バサッ…
レイン「…鳥のような翼が欲しかった」
レイン「…俺は…鳥かごの中で閉ざされた…黒い鳩だ…」
ランザ「…そんな…そんな事言わないで…!!」
ランザ「レインさんに…私は助けられた…!!」
ランザ「レインさんに…翼を与えられた…!!」
ランザ「…戦うって…生きるっていう翼を…与えられた…!!」
ランザ「私だって…どうしようもなかった…!!」
ランザ「途方もない旅で疲れてて…!!でも…!!」
ランザ「貴方が手を引いてくれたから…!!」
ランザ「だから前を向けた…!!」
ランザ「だから今度は…私が…与える番なの…!!」
レイン「…どうしようもなかった…」
レイン「この世界を地獄に変えたのは…俺だ…」
レイン「皆…地獄に足を突っ込んだ…」
レイン「…大抵…地獄を見るのは一人が背中を押してからだ…」
レイン「…仕方なかった…ああするしかなかった…」
ランザ「…レインさんが…地獄に変えた…?」
レイン「…脳内に出てきた…」
レイン「…地獄を見た先にあるのは…破壊と再生だ…」
レイン「…なんで俺…こんな事言ってんだろうな…頭でもおかしくなっちまったか…」
ランザ「…疲れてるんじゃ…?」
ランザ「だって…おかしいもん…」
ランザ「今日はもう…休も…?」
ライト「レイン!!大丈夫か!?」
ランザ「…ライトさん」
レイン「…戦い続けろ…か」
ライト「…なんだ、またあの声か」
レイン「…」
ライト「…なんとか言えよ!レイン!」
レイン「…やってやるよ…この世界に抗えるなら…いくらだって…!!」
ライト「…おい、レイン…何言ってるんだ…やめろ…!!取返しのつかない事になるぞ!!」
レイン「…取り返しのつかない事になってるから言ってんだろうが!!」
ライト「それでも!!お前が危険な事に身を投げ出すなんて間違ってる!!」
レイン「お前にはわかるか!!俺は…俺はあの日!!死ぬよりつらい事を経験したんだぞ!!」
レイン「お前は良いよな!!父ちゃんも母ちゃんも無事で!!生きてて!!」
レイン「俺は…!!母ちゃんは死んで…!!親父は外に行った!!ここには俺の家族なんていねえんだよ!!」
ランザ「やめて!二人とも!喧嘩しないで…!!」
レイン「…嫌なら、俺と関わるな…俺は、俺が信じた道を行く…」
ライト「…そうかよ、そうかよ!もう良い!お前なんか知らねえよ!!」
ランザ「ライトさん!!」
レイン「…進み続けたものは…自由が手に入る…か」
ランザ「レインさん!!そんなの!そんなの嘘だよ!!」
レイン「…やってみねえとわかんねえだろうが」
ランザ「それでもっ!!それでも争うのは違う!!」
ランザ「言葉でだって戦える…!!」
レイン「…言葉で戦えるなら、戦争なんか起きない…」
レイン「言葉で戦えるなら…殺し合いなんて…犯罪なんて起きない…」
ランザ「それでも…それでもっ…!!」
レイン「…じゃあ、俺らは指を咥えて見てろってか」
レイン「故郷をぶっ壊されて、母ちゃんも殺されて」
レイン「そんな俺らが、指を咥えて見とくだけ?そんなのは嫌だ」
レイン「俺は、自由のためなら、この手で奴らを殺せるなら」
レイン「命だって惜しくはない」
ランザ「…じゃあ私もやる」
レイン「…は?」
ランザ「これは、貴方一人が抱えていい問題ではないもの」
ランザ「それに、あの日助けてくれた…それのお礼でもあるわ」
レイン「…ランザ…」
ランザ「これからよろしくね、レイン」
レイン「…あぁ、宜しく…ランザ」
──
ランザ「…ねえ、レイン」
レイン「…どうした」
ランザ「…家族、いないんだよね」
レイン「…っ」
ランザ「…私、ね」
レイン「…あぁ」
ランザ「…家族いないんだ」
レイン「…ランザも…なのか…」
ランザ「…うん」
ランザ「…だからさ、形だけの家族…って事にしたい…」
レイン「…形だけ」
ランザ「…血は繋がってないけど…家族っていう事実だけが…ほしい…」
レイン「…良いよ」
ランザ「…っ!」
レイン「これから宜しく、ランザ」
ランザ「…うんっ…!!宜しく…!!お兄ちゃん…!!」
レイン「お兄ちゃんって…」
ランザ「えへへ…///」
次回 決意を決めた者




