表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/16

第11話 違和感と女


──本体のほうかよ!


 タケト君に見えたということは、そういうことだろう。「なんなのよ!」思わず声をだして振り返る。女は逃げるように走り去っていった。その背中を腹立たしい思いで追視する。


「なに? どうしたのユウコちゃん」

 タケト君の声が聞こえる。

──そうだ。かまってられない。

「なんでもない。とにかく……」再び、二階のタケト君を見上げる。



──ちょっと待ってよ…… マジでなんなのよ!


「ちょっとちょっと」私は力強く手招きする。

「え?」

「今から外出れる?」て、いうか今すぐ出てきて!

「いいけど、なに? さっき日野さん……」

「いいから! 早く!」


 玄関の横であの女がタケト君を見つめている。首をかしげてニヤニヤしている。今度は私にしか視えてない方だろう。


 事態を把握できない様子で、階段を下りてきたタケト君の腕を掴んで、

「いいからいいから、ちょっと歩こう」

「なんか怖いよユウコちゃん。また、変なこと言い出さないでよ」

「…………」タケト君を見る。言葉を探す。


「ユウコちゃんてば」

「………… ちゃんと話すから」まずは、ここを離れたい。

「もう」あきれて笑ったタケト君の表情は、不安そうに強張っていた。



 階段を下りてくるタケト君の後ろで、私は悍ましいものを視た。あの女が…… ()()が滲んで溶けていくように、姿を歪ませて部屋の違和感に飲み込まれていった。



 信じたくないけど、あの部屋で何かが起こる。他の()()()()と同じく膨れ上がる違和感。さらにあの女まで絡んでくるというのか? どうすればいい? 何が出来る?


──なにも思いつかない


 困惑するタケト君を、半ば強引にカフェに連れ込んだ。ろくに説明もせずに。どのみちうまく説明できないし、私自身が混乱している。落ち着いた雰囲気の店内。低いテーブルを挟んで、タケト君は私の言葉を待ってくれている。得体の知れない違和感のことを、ちゃんと伝えることが出来るだろうか。

 ホットコーヒーの香りが、少しだけ気分を落ち着かせてくれている。やはり気になるのは、別件と思っていた違和感と女。



「あの女ってさ…… 日野さん? なんなの」


 自分の言葉に(とげ)が含まれていると感じて、不快感と罪悪感を覚えた。あまりこういう部分はタケト君には見せたくなかった。


 この後、タケト君が語った『日野さん』の話に、私は目眩がして頭を抱えた。



もう少し続きます。

どうぞよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ