Progress3 「好きな人」
前回初登場の人物・前回情報を公開された人物
芥川 那由多
図書室にこもっていて内気。アクタと呼ばせているのは自分のことをゴミだと思っているから。周りには高貴な雰囲気を漂わせているが実際には天然。幅広い知識を持っている。
ーーー数日後ーーー
「おはよう!」
「おはよう〜。」
「ねーねー研!なんか最近さ、陽依の様子おかしいと思わない!?」
「あーそうか?俺にはわかんないなー。」
「なんあったのかなー?」
「女子は気まぐれだからな、考えるだけでゾッとするぞ。」
「深く考えない方がいいってことだね!」
「(ん?まさか、陽依?これは面白いか!)なあ、珠明。この前そういえば、結局聞きそびれてたんだが。」
「何ー?」
「好きなやつ、いるのか?」
「や、やめてー!透明化したくなる!」
「好きなやつくらい教えろよー!珠明みたいに純粋なやつが好きになるやつがどんなやつなのか気になえうじゃねえかよ!」
「僕のことはいいからー!」
「透明化しやがって…。そういうのよくないぞーーー。俺が持ってない力を酷使してーーー。しかも学校内で使うなって言ったじゃないかーー。」
「だ、だってー。」
「って顔赤いな!」
ーーー放課後ーーー
「今日も私、別の人と帰る〜。」
「おっけー!」
「なあ、最近多くないか?」
「でも元々陽依って人気者じゃーん。何も違和感はないでしょ!」
「そう思うのが普通かも知れねえけどな、なんか異様に関わり方が変わってねえか、俺らと。というよりお前と、か?」
「別にいつも通りだと思うんだけどなー。きっと大変な時期なんだよ!僕たちが考えることじゃないでしょ!」
「さ、さっさと帰るか。」
「だいぶ慣れてきたねー!」
「最初は不慣れだったけどな。だんだん高校っていう場に馴染めてる気がするぞ。ただ、お前は元から変わってねえ!」
「えー!?」
「やっぱ謎に最初から馴染んでる感じあったんだよな、意味わかんねえ!1人だけ空気澄みすぎなんだよ!」
「そんな驚かれても!僕は僕のままだし!」
「そりゃそうだよな!普通に羨ましいって思う奴はたくさんいるだろうな。珠明の存在は学年の中でもかなり異質だ。」
「そうかなー?」
「(やっぱ自覚しないタイプの性格いいやつ!)まあお前に限って人間関係で失敗するなんてそんなミスしないだろうからな!俺は何も心配してねえよ!」
「あ、ありがとう!」
「人間関係では心配してねえけど、お前の恋愛の話は聞かせろ!」
「えー!?待ってよー!(さっきうまくかわしたと思ってたのに!)」
「珠明のその純粋の正体は守りたいものがあるからきてるのか、気になるんだよ!」
「そんなこと言われてもー。」
「ちょっとでいいから、な!」
「恥ずかしい…。」
「珠明ってほんとかわいいよな!」
「だって、恥ずかしいじゃん!事実なんだって!」
「(学年男子の中で1番かわいいぞこいつ間違いなく。なんかもう別の種族じゃないかと錯覚させられそうなくらいだよ!)」
「す、好きな人…。(鼓動が早くなる…。抑えないと…。好きな人がいるかってだけで、いいかな?)」
「好きな人は…。」
「おお!」
「いる、よ…?」
「ってそれだけかい!」
「これしか、僕には言えないよ…。心臓が溶けそうだから…。」
「ま、それだけ知れただけでも俺は楽しいから!ありがとうな、珠明ー!(体と性格だけじゃなくて心まで繊細なのか…。珠明は同じ高1男子とは思えねえよ!?)」
「う、うん。ま、また明日!」
「じゃなー。(というか、やっぱり珠明の好きな人ってあいつか!?これは考えるのが捗るなーー!楽しみでしょうがねえ!)」
「言っちゃった…。でも誰かまでは言ってないし…。(うん、そうだよね!これでいい!研は親友だし話しても…。そう、僕にはそんな話す資格なんてまだないし!資格があっても、言えるわけないよ…。あの引き寄せられるような、美しさ、既視感…。僕の心を吸い寄せる人物像。…………。恋って、こういうことなのかな…。僕にはまだ、よくわからない。)」
ーーー次の日ーーー
「おはよー!」
「珠明、おはよう。昨日言ったお前の好きなやつも含め、俺は応援するからな!?うまくやるんだぞー!」
「えっ。あ、ありがとう!」
「最近は陽依だけじゃなくて珠明までもなんかオドオドしてんだよな!」
「研のせいでしょ!」
「わりいわりいー。」
「(確かに、なんか陽依とは関わりが減った気がする。一緒に帰ることだけじゃなくて、クラスの中での会話も。も、もしかして!何かあったのかな!?心配だな!)」
「あ、珠明、研。おはよ〜。」
「あ、おはよー!」
「(なんだこのよそよそしい感じ!?こいつらなんかあったのかよ!?やっぱり、そうなのか!?)」
「今日は一緒に帰ろうね!」
「えっ…。そ、そうだよね。ごめんごめん〜。昨日一緒に帰れなかったし〜。」
「研と3人でいつも通り!」
「あ、俺急用あるんだった、いっけね!早く帰んねえといけねえんだった!」
「僕は早く帰るんでもついて行くけど!」
「私も大丈夫だよ。」
「いや、大丈夫だっつの!そんな急かせたくねえし!いつも通りの時間に帰れよ!」
「あ、そうー?じゃあ僕らはいつも通り帰るか!」
「そ、そうだね〜。」
「あ、授業始まるじゃん!今日はいっそうめんどくさい授業ばっかだ!」
「頭いい奴はまだマシだろ!」
「(珠明…。)」
ーーー放課後ーーー
「研はもう帰っちゃったか!ってか、あれー?陽依珍しいな!全然来ない!あっ、連絡。もしもし!」
「ごめん〜。私ちょっと残らなきゃいけなくなっちゃったから〜。ほんと、ごめん!」
「切れちゃった…。なんか珍しい連続もあるもんだな!じゃあ1人で帰るか!(って!忘れ物思い出した!教室にとり戻ろ!)」
ーーー教室ーーー
「いやー、早く気づいてよかった!危ない危ない!(って、なんか声聞こえるー?あ、陽依いるじゃん!残らなきゃいけないって言ってたけど、何があったんだろう!?ちょっと気になる!僕たちのクラスからちょっと場所外れてるけど、何してるんだろ!?少しだけ近づいてみようかな!?でも、よくないかなー?透明化…。よしこれで、自分は透明化した!大丈夫、実験通りちゃんと「自分の体に触れてるもの」は透明化してる!これで服とかカバンとかも見えない!)」
「陽依ほんとにいっても大丈夫そ?何話されるかわかったもんじゃないよ?」
「でも、割と仲はいいし〜。」
「普通に告られる可能性とかあると思うんだけど?」
「わかるー。陽依なら本当にありそうっていうねー。でも、本人次第だしいいんじゃん?」
「ていうか、まずわざわざ呼び出すってのがそれくらいしか用なくない?」
「わかるー。男子から呼び出し宣言なんてほぼ確定演出じゃーん?」
「そうかな〜。」
「(あれって〜?えーと、陽依と仲がいい、神水と宇治原だよね、たぶん。僕は名前呼びするほどの中じゃないけど!一応クラスメイト!そういえば、あの2人最近陽依の近くにいること多い気がする!会話の流れ的に、誰か他にもいる気がするけど!音出したらバレちゃうしなー!あんま近寄れなくて角度的に見えない!)」
「陽依ちゃん!ってこの人たち…。」
「ご、ごめんね〜。五月と凛奈もたまたま一緒だったから一緒に来ちゃったんだけど〜。」
「僕は、全然!大丈夫、です…。」
「(顔見えたけど、他のクラス!誰だっけな!?名前よく覚えてない!)」
「遼生、話って何〜?」
「(あ!思い出した!隣のクラスの澄川遼生だ!何回か顔見たことあるくらいだけど!)」
「あ、あの、その…。」
「私たちははけた方がいいって?」
「しょうがないなー。君の意見に賛同してあげよー。」
「陽依、終わったら声かけて?」
「頼んだー。」
「(この2人結局見てるけど!?隠れてるだけじゃん!しかも結構堂々と!)」
「(見てるに決まってるでしょこんなの?早く話してあげないと陽依がかわいそうだっつーの。)」
「あの場面、わかるー。」
「言ってる場合か。」
「遼生〜どうしたの?いいから喋ってみてよ〜。」
「い、いや、あの、陽依ちゃん!」
「何が起こるんだろ!」
「あなたのことが好きです!付き合って、くれません……。」
「ご、ごめんね…。遼生。情けない姿見せて、ただ私には好きな人がいるの……。考えるだけで涙が止まらないの…。」
「(…。陽依…。やっぱ、モテるよね、陽依ってさー…。僕は何をしてるんだろう。透明人間の力を使ってこんなの覗いて…。最低じゃないのか…。初めて見た、陽依が泣いてるのを…。陽依も、恋してるんだ…。)」
「そうだよね、ごめんなさい。僕みたいな影薄い人には興味ないと、思ってた!いるだけで嬉しいから。もう今まで通りに接してください…。」
「そんなことないよ…。遼生が影薄いとか、そんなんじゃない…。私、ダメなんだよ…。色んな人を好きになれるほど、器用じゃない…。」
「おい、凛奈?これやばい展開じゃない?普通に。」
「わ、わかるかもー?」
「これを撮っておけば、陽依を泣かせた人間として遼生の格がもっと下がる。」
「それはやめよーよ。人の気持ち、踏み躙っちゃいけないよー。五月ももし撮られてたらやーばいって思うでしょー。」
「そうですよね、陽依ちゃんはそんな人じゃ、ないですよね…。頑張ってくださいね…!」
「ありがとう…。」
「ね、陽依大丈夫そ?ガチ泣きしてんじゃん。」
「五月今くらいは心を整理せてあげよー。私たちが首突っ込むことじゃないー。陽依ー、泣きたいだけ泣きなー。私たちはわかってるよー、陽依の気持ち、ちゃんと。」
「…。(僕はこんな場所にいていい資格はない…。帰ろう。透明化解除…。)」
「(これが陽依なりにできた答えの出し方だったー。でも、流石に今は荷が重かったよねー。)」
「泣いててごめん…。でも、私の気持ちは正直だって、ちゃんと信じられた。他の人から言われても正直に答えられた…。よかった、この気持ちは、本当なんだ…。」
「陽依って本当にこういうところ尊敬できるよー。五月も見習った方がいいんじゃないー?」
「いちいちうるさい!凛奈も人のこと言えないでしょ。」
「2人とも、ありがとう…。自信ついた〜…。頑張るから、ぜひ見守っててほしい〜。2人には。」
「言われなくてもそうっしょ。」
「何のために最近ずっと話聞いてると思ってんのさー。当たり前だよー。」
「うん〜…。ありがとう!(これ以上、実現したいことは他にないだろうな〜…。それだけ思えて自分でも嬉しい。きっと、そう思える分だけ、私は「珠明」のことが好きだから。)」
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