Progress1 「僕は透明人間」
ーーーこの作品を読むにあたってーーー
・登場人物は架空の人物で、名前の多くは実在しないような名前をつけています。しかし、世界観上、やむを得ずに実在する可能性が高い名前も使われておりますので、ご注意ください。
・現実に存在しない言葉を一部使用する場合があります。
・数字は基本的に半角のアラビア数字を用いています。(熟語としての意味を持つものは漢字表記にしています。)
・文章で「」が1人のセリフとなり、「」の中に()が書かれている場合は、心の中で考えていることとなります。(文章の中には「」中に重要な語句や名前が入る可能性等があります。)「」も()もついていない場合は誰かしらのナレーター役もしくはその時の物音となりますのでご理解ください。
・基本的に1度登場した人物に再びフリガナが降られることは少ないです。
・文章の後に「ーーー〇〇〇ーーー」のように区切られる場合は、多くは場所の変化や時間の変化です。(少しの時間経過や移動などは書かれていない部分が多いです。)
・その話の終了時には「ーーー→ continue to next story」と表記されます。(その次の話が始まるとき、多くは前の話につながるような会話で書かれています。)
※一部、日本語として成り立っていない部分があるかもしれないですが、その際は連絡をお願いします。
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「僕は透明人間なんだ!」
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まだ高校に入学したばかり、人の繋がりついて考える授業が行われていた。
「人と人が繋がるということの意味って何でしょう?皆さんでよく考えてみてください。考え終わったら、誰かに当てますからね。」
「(先生も簡単なこと聞くな、それはー…。)」
「おい、珠明。なんだと思う?」
「うわ、びっくりした!研ー、僕今自分で考えてたところなんだけどーー。」
「あ、ごーめんごーめん!でも珠明は優秀だからさー。」
「ありがとう!(人と人が繋がる意味、それはもちろんねー…。)」
「霧灯くん!霧灯くん!!」
「ああ!すいません先生ー!(また止められちゃったよ!)」
「音坂くん邪魔しないでくださいねー。」
「俺が悪いんすか先生ー?」
「霧灯くん、わかりますか、答えてみてください。」
「僕にとって、人と人が繋がることっていうのはそれぞれの尊重、理解だと思います!つまりは「紡ぎ」です!」
「(こいつ、やっぱり純粋すぎる!高校生にもなってそんな純粋な返しをするやつがあるかよ!珠明の心の中を見てみてえぜ。まあ、どうせ透き通った空模様的な感じが人がってんだろうよ。それくらいこいつはなんというか、不潔さもないし、真っ直ぐな心を持ってる。)」
「霧灯くん!素晴らしいですね。先生はこのような答えが出ることを心から嬉しく思いますよ。」
「いやーそれほどでもないですよー!」
「このプリントは回収して先生たちが廊下に貼っておきますから。それぞれ人と人の繋がりというものがどういう意味を持ってるか、みんなでもう一度確かめ合ってください。」
「これ集めるんですか!」
「そうですよ、霧灯くん!」
「シンプルに書きすぎたかな?」
「いいんじゃね、俺は珠明っぽくて好きだぞ。」
「ありがとう!研!」
「これで授業を終わります。提出はしっかりしてくださいねー。」
「はーい!」
「3年前の中学の始まりと、今の高校の始まり、なんら変わりがみられないが、お前は!?」
「えーそんなことないよー?」
「大体な、精神異常でもあるんじゃないかってレベルだぞ!?なぜそんなにも清らかなんだ…。」
「そんなこと言うけどー、僕にだって下心とかないわけじゃないよー!」
「そんなん言ったって、お前はなんつーか、その中でも綺麗な次元にいるんだよ。」
「へえーそんなもんなのかなー?」
「少なくともお前はこのクラスの中じゃ1番心が綺麗だが!?」
「僕はどっかの陽依さんも心が綺麗だとは思うけどね!」
「え〜よんだ?」
「そうそう、呼びましたよっと。」
「陽依は僕なんかより全然心が綺麗だよねー!氷室っていう苗字もかっこいいよね!」
「あったりまえでしょ〜。」
「あのなー、俺からしてみればお前らどっちもレベチなんだが!?」
「えっへん!私は珠明より心が綺麗ってことで〜。」
「陽依には叶わないからーそれでいいよー。」
「あ、話変わるんだけどよー、珠明。この生活どうだ、慣れてきたか?」
「中学校の時とそんなに感覚変わらないかなー!」
「私たちクラスずっと一緒だしね〜。」
「これ以上求めることない!」
「なんだかんだ小学校から仲良いよなあ俺らってさ。」
「大体そんなもんなじゃない〜?」
「僕らにはこれくらいがちょうどいいでしょー!」
「高校になってからも友達はできたけどな!でもなんだかんだやっぱ昔から馴染みあるやってのは関わりやしもんだよな。」
「私と珠明に関しては隣の家住んでるしね〜。なんかいないっていう実感の方が少ないかも〜。」
「陽依は物心ついたときから遊んでたらしい僕!」
「何回も聞いたような内容だなあそれも。」
「研は小学校の時からの同級生って言っても、幼稚園児の時の記憶全然ないからなんとも言えない!」
「実質同じような仲間ってことだ。」
「同じような仲間なのに〜研だけすごい変わっちゃったね〜。」
「そうなんだよ!何でこうなっちゃったかなー。」
「さっきも言ってたけど僕そんな心綺麗じゃないんだから変わったでしょ!」
「いーや、お前は断じて変わってないだろ。(こいつの変わったのと変わってないってはどういう意識から来てるのかよくわからん。)」
「私もそう思うよ。」
「って、もう帰りのホームルーム始まるから!また後で!」
「じゃね〜。」
ーーー帰り道ーーー
「よっしゃ疲れたー!2人とも帰ろー!」
「授業まじでだるかった〜。」
「陽依はあんまりできねえもんなー。」
「馬鹿にすんじゃないよ〜。」
「珠明の出来を真似したいくらいだけどなあ。」
「珠明はちょっと出来すぎなんだよ〜。」
「そんなことないから!」
「お前が出来なくて誰が出来んだよ?(クラスの中でダントツトップのやつが何言ってんだ本当に。)」
「えーなんかごめんごめん。」
「珠明みたいな超人的な能力を俺も持ってみてえよー。」
「もしなんでも能力が手に入るんだったら珠明はどんな能力が欲しい〜?」
「僕は人と人を調和できる力かな!」
「なんだお前、優等生すぎないか?(ていうか、全部の能力の中で1番欲しい能力それかよ!?)」
「だってー、なんでもいいっていうから!」
「なんでもいいからこそそれにするのかよ…?」
「まあそうだねー。じゃあ、陽依だったらどうするのー?」
「私は人の心が読める能力かな〜。」
「すげえ苦労しそうだなそれは。」
「え、なんで?」
「人の心が読めたら本心しかわからなくなって人間不信になりそうじゃねえか。」
「僕は人の心なんて知りたくもないな!」
「いいんだよ!夢の話だから!」
「研は何!」
「俺は透明になれる力がほしいな。」
「え、そんなの役に立つのー!」
「だって透明化したらいろんな女子の家とか入り放題じゃねえか!」
「うわーさいてー。」
「私の前でそれいう?」
「いやーごめん。でも透明人間って夢があると思うんだけどな俺は!」
「人の考えはそれぞれだから!う、うん、いいと思うよ!」
「全然賛同してなさそうだな!」
「もしそういう力を手に入れたらって誰でも想像したことありそうだし〜。」
「考えるくらいは面白くていいね!」
「んじゃ、俺はここで!じゃな。」
「じゃねー!」
「私たちも、ここで。」
「家の前だけどね!?」
「いいんだよ〜。じゃね〜。また明日〜。」
「また明日!」
ーーー翌朝ーーー
「学校今日も頑張ろ!」
「行ってらっしゃい珠明。」
「行ってきまーす!(昨日研たちと話してたのって欲しい能力についてだっけー?面白かったし今日もこういう話しよーかな!)」
バタン!
「えっ!何の音だろ。(なんか人が倒れたような、奇妙な音だった…。)路地裏の方かな。はっ…。」
「…。」
「大丈夫ですか!(数箇所刺された跡がある…。もしかして、最近ニュースでやってる通り魔!?刃物での犯行だし、まだ犯人は近くにいるはずだよね!……。でも人の気配が、しない?)」
「私、なんて、いいから、逃げ、て?あ、なたも、被害、を受けるかも、しれない、から…。」
「ほっとけないです!すぐ救急車を!」
「い、いの…。歩ける、から。ほら、ね?」
「大丈夫には見えないですよ…。」
「あ、りがとう。私を、助けて、くれようと、して。私たちの、未来に、灯を…。また、どこか、で。」
「え!?あの!名前は!あ、行っちゃった…。(咄嗟に足が出なかった……。あの人、大丈夫なのかな、本当に…。)やっぱ大丈夫じゃないですよ!救急車を呼びましょう!ってあれ?」
「…。」
「もういなくなちゃった?きっと誰かが助けてくれたのかな!(なんかあの人の顔見たことあったような?いやいや、気のせいだよねー。)」
シーン…。
「なんか静まりかえってるー。あっやば!遅刻しちゃうー!」
ーーー同日・放課後ーーー
「あー疲れた!2人ともお疲れ!研と陽依帰ろ!」
「あ〜ごめん。私今日他の友達と帰るからごめん〜。」
「わかった!」
「俺ら2人ってことだな。」
「久しぶりだね割と!」
「最近は俺らも他の奴らと帰ることも多かったしな。」
「一緒に帰るのも楽しいからいいよねー。」
「普段話さないことでも話すかー?」
「普段話さないことってなんだろ!」
「あ、そうだな。俺は他の奴とよく恋愛の話するけど?珠明ともたまにはそういう話するか。」
「え、えー。」
「その反応、なんかあのかよ!」
「いや違うよ!とりあえず自分の話してよ!」
「俺かよー。まあ今のところは?珠明も知っての通り?彼女も好きなやつもいない!」
「そんなこと言って好きな人くらいいるんじゃないの!」
「(こいつそういう事情までも純粋に聞こうとしやがるな。)いねえったらいねえよー。珠明の方こそ気になるぞ。」
「え、あのね…。いやー。…。(猛烈に恥ずかしい…。2人なことはしょうがないとして、よりによってこういう話かー…。一瞬でいいからこの場から消えたいよー!)」
「は、珠明!?ど、どこ行ったんだ!」
「何言ってんのさー研!ここにいるじゃん!」
「うわー!珠明の声がどっからか聞こえてくるんだが!」
「え、急にどうしたんだよー。」
「俺が少し目を話した隙に、怪奇現象か!?」
「そんなわけー!」
「やっぱ声だけ聞こえる…。とうとう俺おかしくなったのか!?」
「僕はここだってー!」
「そこにいるなら今何をしているか当てろよ!」
「ピースしてる!」
「え、はあ?」
「両手でじゃんけんしてる!」
「ほ、本当にそこにいる、のか?俺が珠明の声を聞き間違えるはずもないしな、やっぱ幻聴!?」
「(もうなんなの!研には見えてないのかわかんないけど見えるようになってよ!よくわかんないな!)」
「うわ!今度は急に出てきた!?やっぱおかしいな、俺…。」
「おかしくないって!ずっとここにいたじゃん!」
「………。あのなあ、よく信じられないかもしれないし、俺も信じられないが、もしかしてお前体が透明になってた、のか?」
「そんなことある!?昨日言ってた透明人間の話はあるまいしーー。」
「なんだかよく知らないが、世界の中にはそんな透明人間の逸話でも書いてるもんもあるらしいしな!透明化は何か条件をクリアして発動することによってかもしれねえだろ!」
「(見えなくなりたい。)心で願ってきたよ!」
「うわ、!本当に、透明になった!?もしかしてお前、本当の透明人間なのか?」
「(見えるようにしてほしい。)透明じゃなくなった…?じゃあ本当に…?」
「珠明、よくわかんないけどすげえ!お前は本当に透明人間なんじゃないか!」
「そうか、つまり僕は、「透明人間」なんだ!」
ーーー→ continue to next story




