女子高生に喫茶店でダメ出しされる専業作家とは僕のこと
売れない専業ラノベ作家と、生徒会長候補の女子高生のラブコメ。
「主人公だけど、個性があるのはいいけど、高校生らしくない。読者がついていけない」
「はい」
「あと、ここの行動はおかしいと私は思う。見て、私のノート」
「はい」
喫茶店、僕は女子高生にダメ出しをされる。
ダメ出しをされる専業作家、しかも女子高生に。
『何なのこの2人!?』
周りの人たちから、そう思われているだろうな、などと思いながら。
「聞いてる?」
きつい目をされる。
怖いです。
「ねえ、聞いてる? 聞いてます?」
「はい、聞いています。すみません」
僕は頭を下げる。
「これくらいだね、今作のダメ出しは」
女子高生は、ため息を吐き、ノートを閉じる。
「もうだめだー、また売れないー」
僕はうなだれる。
「専業作家なのに、高校に入ればよかったのかなー」
「今更そんなこと言ってもさ、どうしようもないじゃん」
「生徒会長になるんでしょう? 僕を高校に入れてー」
「そんな権限、生徒会長にはありません」
「生きるのが辛い…」
僕と、この女子高生の子は、同じ年齢。
そして、幼なじみ、幼稚園から一緒。
きつい子だけど、僕にとってはありがたい存在。
売れない専業ラノベ作家と、今度の生徒会選挙で当選し、そして生徒会長になる(と周りから言われているらしい)高校2年生。
「差が、人生の差が。たったの2年で差が。いや、昔からなのか? 幼稚園からなのか?」
「はあ」
「私は、応援してるよ? 小学生の、あの事件の日から」
真面目な顔で言われる。
「やだなあ、事件って言っても貴女が僕のノートを見ただけじゃないか。間違えて学校に持ってきた創作のノートを」
正直、「こいつラノベ作家目指してるー!」て言いふらすような子じゃなくてよかったと思う。「貴方、本気でラノベ作家を目指してるの? どうなの?」て責められたんだよなあ。真面目は顔されて。周りに誰もいなかったからよかったけど。
「学校には、本気で何かしている人はいないし、尊敬する」
?
「いや、部活を本気でする人とかいるだろう」
「いないよ、普通の進学校だし。皆遊びでしてる、先生がいるときは真面目なふりするけど」
「進学校なら、勉強は? 東大目指してる、休憩中は参考書を開いてますとか」
「いない。そんなのいたら、いじめられるよ」
なんてことだ。
「創作は? ラノベ作家を目指してますとか」
「いない。痛い人って見られるし。
私は、尊敬するけどね、格好いいし」
「が、学校とは。青春の学校生活とは。漫画やアニメと違うじゃないか、変だよ」
「現実だから、架空とは違って」
じゃあ、僕は高校に入らなくてよかったよ。痛い人? 東大を目指すだけでいじめられる? 窮屈すぎる!
「けど、専業作家は、売れないと、逝く」
「だから応援してるんでしょう? 売れるように、人気者になれるように。私はただの高校生だから、しっかりとした指摘はできないけど。
昔から、貴方を応援してる。これからも、ずっと」
「ありがとうございます!」
勢いよく、頭を下げる。
「女子高生のアドバイス、本当に参考になります! 編集者よりも!」
「なら、いいけど。けど大声は出さないで」
「はい!」
「怒るよ?」
「すみませんでした…」
そして、食べ終わった後。
「僕がお金を出すね」
「なに、男性だからとか」
「いやだなあ、社会人だから、だよ。僕は作家なんだよ? 売れてないけど。
そして、貴女は女子高生」
余裕の笑み、社会人としての余裕。
「まあ、いいんじゃない? 数年後には私の方が稼いでいるかもしれないけど、生徒会長候補だし?」
「頑張ります…!」
読んで頂き、ありがとうございました。




