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娘になった父の戸惑い

退院手続きを終え新しい生活が始まった。


自宅に戻った俺はシャワーを浴びることにした。

だが浴室に入ると鏡に映るのは美咲の……若い女性の裸体だ。


「本当に俺が……美咲なんだな」


石鹸を手に取り自分の体を洗い始めると全身の感覚が違うことに気づく。

特に胸と下半身が気になって仕方がない。


「くそ……何だこれ……」


胸の先端に触れた途端ピリッと電流が走るような感覚に思わず手を引っ込めた。

ふと鏡を見るとうっとりとした表情をしている美咲の顔がそこにあった。


自分自身ではなくなってしまった事実が改めて

突きつけられ絶望感に襲われる。


しかし同時にこの新しい肉体が持つ未知なる魅力にも

惹かれ始めていたのかもしれない……。



◆ ◇ ◆ ◇ ◆


シャワー後、妻に用意された下着を見る。

色鮮やかなブラジャーとショーツだ。

かつて娘が着ていたものとだと気づくと余計に複雑な気持ちになった。


下着を着ていくうちに、自分の身体ではない筈なのに、

しっくりと馴染んでいくことに恐怖さえ覚えた。


続いて女性ものの洋服を選ぶ段階になる。

どれを選んでも似合ってしまう華奢な肢体。


昔はよく太ったと言って笑われたものだけど今は全く異なる体型に

なってしまったことを実感するしかない。


スカートなんか履いたことも無いというのに自然と脚を

通してしまう自分に戸惑いつつも着替え終わる。



◆ ◇ ◆ ◇ ◆


夕食時になると家の中には微妙な空気が流れた。


妻が作った料理は昔と変わらず美味しいものだったが

食べるペースはいつもよりゆっくりになってしまう。


箸で一口ずつ丁寧に食べているとまるで女の子みたいな動作だと

思われてしまうんじゃないかと思い急いで食べる。


「ねえ、大丈夫?」


と妻から心配される度に曖昧な笑みを浮かべることしかできなかった。



◆ ◇ ◆ ◇ ◆


尿意を感じて、トイレに入りふと考えてしまった。

以前のように立ってできるわけじゃないんだよな……尿意を我慢して考える。


「どうしよう……」「とりあえず試すしかない!」


決意して挑戦することにした。恐る恐る便座へ座り込んでみる。


「うぅ……どうやって出すんだよ!」


混乱しながらもなんとか放尿できたものの解放感と同時に羞恥心が

混じった奇妙な開放感があり驚いた。


しかし排尿後に温水洗浄機能を使った際、

予期しない刺激を受けてしまい思わず声が出そうになる。


「やばい……何だよこれ……」


慌てて止めたが、その後しばらくは自分で自分を抑えきれず

震えてしまうほど感じてしまっていた。



◆ ◇ ◆ ◇ ◆


美咲の部屋で美咲のベッドで眠ることになる。


枕元には美咲と婚約者の写真立てがあり、

恋人同士が笑顔を向ける写真を見て胸が痛む。


夜になり眠ろうとするものの……


この身体の婚約者である彼の事が頭から離れず寝付けないでいたら

身体が疼いているように感じた。特にお腹の奥底には熱い疼きを感じ、

下半身に熱を帯びた湿っぽさを感じた。


それを無視しようと思ったが、益々強まってゆく一方なので仕方なく

そっと指先をパンティの中へ伸ばしていく──────、



朝を迎え意識が覚醒していくと共に自らの秘所に違和感を感じ、昨夜の痴態が

夢ではなく現実だと再度認識して、娘の身体を穢した父親の自分に自己嫌悪した。



◆ ◇ ◆ ◇ ◆


またある日には不意に訪れる生理への対処に苦闘する事となった。


出血していると気づけず床を汚してしまったり、ナプキンやタンポンなどの

道具の使用法に四苦八苦したりと不安だらけで過ごすことになった。


数日間慣れていくうちになんとか日常的な行為として受け入れることが

できるようになった……だが、ただし毎月やって来るものは

やはり憂鬱でありそのたびに気分も落ち込むことが多くあった……


それでもなんとか適応しようと努力は続けている。


同時にこれまでとは全く違った人生を生きるということに

気付きはじめてしまっていたのであった……。

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