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Eパート

前回、配達方法のお話をした。


何度も繰り返しになってしまって申し訳ないが、こんなに細かく言うつもりはないんだけれど……。交通事故と誤配は、起こさなきゃなんだっていいんだけれど、起こしやすいやり方で仕事されたら困るんだよっていうわけです。

起きやすい、起こしにくいは、1年2年、ずーっと働いても個人ではよく分かりません。

5年ぐらい働いて、ようやく自分の適性ややり方が分かってきます。

他の仕事はすぐに適正とかが分かるのか、その辺は作者は知らんけど。

どの仕事にも絶対に当てはまる事は


「ミスする奴は、遅い!!迷惑!!」


酷く傷つくけれど、そーいうものである。

だから、始めの内は間違えないやり方で、自分の足元を固めた方が良い。郵便配達の指導は、人によるところはありますが、まずは”誤配しない”、”交通事故を起こさない”、”郵便事故”を想定されてます。これを怠るとあなたはミスしてますねって、言われております(当たり前なんだけど)。

指導されるのを基本にするのは、非常に有効です(相当な歴史なんで)。

そもそも郵便物の種類・配達方法の違い・家の並び・配達ルートなどなど……、覚える事が多く、間違えない方が難しいのだ。だから、焦って早くやれってのは熟練の人でもやりません。

圧倒的に早いのもいるけれど、そんなやり方で仕事する奴は大抵、”範囲が狭い”OR”業務時間が長い”。


ちょっと私情を挟みましたが。


まずは、その中にある”やり方”を自分で取り組んでください。その上で、”自分なりのやり方”をしてください。作者も会社のやり方を無視しています。ですけど、始めからそうじゃなくて、会社のやり方だと自分に合わない部分が見つかったからこそ、その修正や改善を行っただけです(だいたい、5年目ぐらいに独自で取り組んだ)。会社として必要のない事、無駄な動作も取り入れています。


”1年目、2年目……日頃からミスをしている人達が、『自分だったらこうします』、『このやり方でやらせてください』”


ぶっ飛ばすぞ、この野郎!!


テメェのやり方のせいで、俺達が謝罪しに行ってんだぞ、コラァッ!!


自分のやり方をやりてぇなら、まず最低限、自分自身を知ってる事と、周りに迷惑を掛けないという大前提でやってください。


この怒りは作者も少し入りますが、上司達が対応してるんで、彼等の声をそのまま載せていると思ってください。






◇       ◇




家の並びを覚える、道順を覚える。そこに郵便物の処理を覚えつつ……。などとやっぱり、書いていくだけでも覚える事が多い。

歴史の年表を覚えるのに似ているが、景色を覚えるところが地理の勉強っぽさもある。

そーいう風に気付く、例えるよりも、未だに前のところにいる森橋。まだ新人、半日目でしかない。


「むむっ」


慣れた人だととうに忘れてしまうが、定形と定形外を一人で同時に配るだけでもぎこちなさが出てくる。出前やルート配送にしろ、”ここに行ったら、次はあっち”って、おそらく明確に走る距離があるはずだ。そこで思考ができるものだが、郵便配達は、黒猫さんや佐川さんと違って、次の配達先への距離が短すぎる。通常、新人が初日でやらせる行為じゃない。指導者は”定形”か”定形外”のどちらかを配達しながら、新人さんに指導する。

それが普通。経験者が新しい配達地域を覚える際は、それが普通。繰り返すが、普通。



”この班が異常過ぎるんだよ……。”



指導役を任された山口は


「俺も新人の時に、木下にそれをやられた。……まだ、お前はマシだぞ。俺が組立した奴なんだから、間違えてねぇよ」

「えええ~!?」


俺も新人の頃にやられたってのもあるからだ。

しかし、実際にどうやるかは質問されるのか、研修で言われているのか分からないけれどだ。


「配達の時の持ち方をいくつか教えるから、同時にやらせてんだ」

「でもそれって、左手に定形持ちつつ、定形外持ちつつでいいんですよね?」


たぶん、7割くらいの配達員はその方式をとってるはず。

定形の束を握りつつ、その下に定形外を何通か握っての配達。これらの配達方法は”積込”という作業にも関わっており、色んなやり方があるんだよって山口は森橋に伝えているに過ぎない。

やり方は自分で決めますっていう志は買うが、そのやり方はすでに誰かがやっている事もある。だからこそ、やり方・手段に関しては色々と伝えておいて、自分自身で試して合うやり方を選んで欲しい。


「ウチの班は、前カバンに定形外を置くのが多いからなぁ~」

「作者がそっちのやり方なんですよね?」

「しょうがねぇだろ。作者は普通の……会社のやり方が絶望的に合わなかったんだよ。まぁ、別にそのやり方で絶対にやれとは会社側も言ってねぇから」


作者の配達は早い方じゃない。そのやり方も後述するが、……。とりあえず、一般的な配達の仕方と思い浮かべると、


定形郵便と定形外を同時に左手に持つやり方だ。


そのまま下に挟む人もいれば、定形と定形外の間に人差し指OR中指を入れて、くっつかないように持っている。その状態でバイクを運転し、ポストに投函する……。

この持ち分とは、配達する定形の1コマ分の束と、定形外の1コマ分にある数通。定形外はその厚み、重さが異なるため、片手で持てる量に限りがある。


「このやり方でやる場合は、前カバンに定形郵便詰めて、キャリーケースに定形外を詰める。キャリケースは常に開けっ放し(集合住宅の時は締めるけど)にしての配達になる」


前カバンが定形。キャリケースが定形外と嵩物を積込のが基本。

キャリーケースを開けながら配達で、取り出す手前側に定形外を並べ、奥側に嵩物などの対面配達をする郵便物を配置する。もちろん、嵩物郵便も道順に並べているケースもあります。


「メリットとしては……」


1.

配達方法が速い。


2.

積込作業が速い。(キャリーケース載せも可能である)



3.

一人作業の多い配達業務において、人のやり方を見る事はあまりありません。結局、自分がどーやるかを考えています。

その中で比較的、周りがやっている配達方法なので、覚えやすくて新人も人のアドバイスを吸収しやすいです。



「デメリットも当然あるけど……」


1.

郵便物に対する確認時間と意識が短く、誤配などを防ぎにくい。

定形と定形外を片手で見ており、似たような住所や苗字を思い込みで配達するケース、くっつき誤配を回避し辛い、誤組立に対応しにくい、追跡郵便を見逃しやすくなるなど。

通常ならば気付く事でも、長時間の労働や悪天候などによる不注意が配達に影響しやすいです。

また、定形外のサイズによっては気付かないこともある。



2.

配達ルートの自由性が少ないOR難しい。

毎日の配達するルートは決まっていますが、その日の時間指定などによっては配達を始める箇所が異なります。一方通行が多くて、平地中心の配達地域だと手間が掛かります。



3.

物増の際、前カバンから定形郵便に詰め切れないOR定形外が積み切れないなどが発生しやすく、見込みよりも積めない事がある。



「はへ~……デメリットがやたら長いのは、作者の欠点がモロに乗っかってるからですか?」

「悪い事に関してはガンガン強気に言えるのが、人間の強みだよ。新人はこのやり方でいいぞ。誤配対応も『新人だから悪かった~』で、2回目くらいまでは持つからな」

「なるほど」

「主に平常物数ならこれが一番早ぇよ。ほとんどこれだ。配達物数が12万越えるとキツイけど、それ以下ならこれが一番だろ(俺はやらねぇけど)」



挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)


定形を左手に、定形外を前カバンに置いての配達方法について、


「こっちのやり方が作者と、この班の人間のほとんどがとってる配達方法だ」


定形外を前カバンにセットする。代わりに定形をキャリーケースに入れる形。あるいは、前カバンに定形外を入れた時、横に隙間ができるので数コマほど入れている。

基本はこの形で、その日によって定形外を手に持ってたりもする。そこは柔軟にやるわけで


「最近、そうなんだけれど。定形外に重さや厚みがあって、手が疲れるんだよ」


定形は重さを感じないが、定形外はさすがに重い……。楽する意味で前カバンにセットしている。


「デメリットからまず伝えるぞ」


1.

積込に時間が掛かる。

誤差程度かもしれないが、このやり方はキャリーケースごとバイクに積込という方式を採用し辛い(物数にもよるが)。キャリケースに郵便物を載せる作業が発生する。



2.

確認箇所が自然に増えて、配達が遅い。

前カバンに定形外をセットする方式であるため、左手・前カバン・書留カバン・嵩物郵便物・ゆうパックと5か所の確認がいる。次のコマの配達をするのにも、定形外をセットする必要があるので手間も増えてる。



3.

配達のし忘れが起きやすい。

このやり方だと嵩物郵便物やゆうパック、定形外の書留など、道順に並べた定形外と”一緒にはしない”郵便物をやり忘れる可能性が高い。確認する箇所が増えるので、”配置をなるべく固定にする”、”早めに配達するOR一番最後に配達する”などの取り決めをしておくと、改善がしやすい。


「実際、こんな感じかな(悪天候の時にでもまた話すけど)」

「たったそんだけの違いで、差があるんですね」

「”その差”に気付くまでには何年か掛かるし、人のほとんどは気のせいだって結論付ける事もあるんだよ。大抵、文句や意見を言う奴は、”仕組み”に目を向けるんだよな。その後すぐに辞めるけど……で、メリットとすれば……」



1.

両手が自由フリーにしやすい。これが最もこのやり方の利点だと思ってる。

定形と定形外を左手に抱えながら、書留カバンから書留をとったり、キャリーケースにある嵩物郵便物などをとるのは、結構に邪魔に感じる。

キャリーケースに郵便物を置けばいいじゃんって、当たり前の発想は出てくるんだが……どの仕事においても、横着という行為はある。誰でもやる。忙しいほどやる。

それを考慮した上で、定形外を前カバンにセットすると、両手が使いやすいから横着にも制限が掛かる。


「これはホントに思う」




2.

定形外の郵便物の確認を”必須にする”から、誤配する確率は大分下げられる。

左手に定形と定形外を持つと、目”だけ”の確認でしかない。頭が整理されてない事もあって、”近隣誤配”……隣の家に郵便物を入れてしまうとか、名前は同じだけど住所が違うなどは、見てるだけだから配達員がやらかすタイプの誤配である。

このやり方だと、前カバンにある定形外の郵便物は、”バイクから降りて、ちゃんと目で見て確認しないと分からない”。運転しながら郵便物を確認するのと、止まって郵便物を確認するのは大分違うのだ。


「飲食店に例えるなら、ウェイターさんがちゃんと立ってお客様の注文を受けるのと、別のお客様の料理を持ちながら、別のお客様の注文を受けるのって、どっちが間違いやすい?って話。ベテランだったら慣れで出来るだろうけど、常態化はしないだろ?……もちろん、絶対はないけれど」

「とりあえず、慣れを避けさせるわけなんですね」



3.

積込できる量を増やせることと、配達ルートの自由性が高い。

定形外を前カバンに積めると、前カバンからひょっこりはみ出る。定形を詰め込むよりも簡単に詰める量を増やせる(大した差ではない)。

定形を前カバンに詰め込むやり方は、積込時点で配達ルートを決めていないと成立し辛い。不意に来る午前配や早期対応のクレーム、配達途中に出くわす道路工事などの対応はし辛い。反面、こちらの場合は配達ルートを変える事が難しくない。


「このやり方はバイクのところで、配達ルートを基本的に固める。定形を前カバンに入れるやり方は、……バイクに乗るもっと前に配達ルートを固めなきゃいけない。エレベーターに乗る前」

「その違いって大きいんですか?」

「考える時間はとりやすい。エレベーターが来るまでは暇だろ?貨物用のエレベーターだから早くもねぇし。午前配をやりながら、邪魔そうな郵便物を始末するルートは数秒かかる。……あと、バイクに乗る時だから、配達ルートをちゃんと決められる事だな。配達先についたら、しばらくはこうやるってやり方を出発直前に決めてるのは結構大きいかな」


メリット・デメリットなんて、仕事をしてる人にしか分からない事だから。

個人として言える事は、動作の見直しはミスの軽減・業務の改善ができる。それをいかに自分に合わせるかが大変なことであり、自分が会社に”言われず”・”言わず”にやるべきことがだと思う。



挿絵(By みてみん)



ピンポーン



「じゃ、次は対面配達の処理だな」

「そこまでネットリ説明するんですか?研修すら要らないでしょ……」

「しょうがねぇだろ!こーいう物語なんだから!!誰だって分かってる事でも一から説明するの!どーしてやねんって思うけれど、対面配達でクレームもあるんだよ!」


ちょっとした小話をしつつ、お客様のインターフォンを押した山口。


「郵便の種類によって処理は違う。それは今回は省く。配達員がお客様に渡すところまでにする」


一軒家のお客様の玄関前でベラベラと男2人が話していられるのにも理由がある。

ここの配達を何百回とやっている山口にとっては、


「まず、お客様が不在の場合……の前にだ。なんで俺がお客様がいないと分かってると思う?」

「そ、それは……慣れ?いつも不在を切ったりするから?」

「そりゃあそうだな。いつも不在きって、今日の夜か明日の再配で流れるのを知ってる」


作者の配達地域が基本、住宅地であるからってのもあるが。

一軒家の場合。


「外からカーテンを見ろ、あと車。……それと自転車だな。案外、自転車の方が車より分かりやすいかもな」

「凄い、まるで空き巣専門の泥棒みたい」

「配達員に泥棒稼業は合ってるかもな」


突発的な犯罪を起こすのは馬鹿だ。泥棒という職業だって、下調べは入念にする。それは置いといて


「窓にかかるカーテンORシャッターが降りてる場合は、大抵いねぇ。次に車か自転車がない場合も、大抵いねぇ。いちお、インターフォンを押してから目を向けろよ?怪しまれる」


その判断材料と長い事勤めている経験から、不在の判断が数秒は早いし。

逆にそれが分かっていれば、


「外で待っている時間も伸ばせるわけだ」

「はぇ~」

「俺達くらいの配達員だと、在宅してるのに気づいていたり、居留守してるのも把握できてるんだよ、中に誰かいるかまで知らんけど」


近頃は物騒なニュースのせいで、子供の受取は大分減ってしまった。その癖、子供は好奇心でインターフォンに出て、外に出るんだか出ないんだかの行動をしちゃって迷惑……なんて事はいいか。よくできていると褒めている。


「あ、そうだ。最近、インターフォンにカメラ付きとかあるんだよ。防犯カメラ付きの家とか」

「それが?」

「配達員の動きとかチェックしてる奴とかいる。変なことで指摘する奴もいるし、脅しに使うのもいるから気を付けとけ」

「???どのように?脅し?」

「この物語でそれは書く予定ねぇけど、いちおな」



不審者をチェックするためだとか言われるけど、オートロックマンション以外であれば役に立たないと思うぞ。性能によってはカメラが機能してなかったり、録画してない奴も普通にあるし。一軒家だと普通に窓から覗いてくるし。

どんな人がお伺いしに来たのかモニターに映すタイプじゃなくて、録画までするタイプのインターフォンは要らなくね?って思うこと。頭の隅に入れてくれれば、山口の言う、脅しの意味が分かる。



「1度目のインターフォンを押してから、不在票を取り出せ。そんで普通に書け」

「いいんですか?」

「不在票って、お客様が思ってるより書くのに時間が掛かるんだよ」


これはホントにそう。1分は掛かる。

自分の名前を書くならともかく、人の名前を2つ記入する事はそこそこかかる。慣れてない漢字を書くってのは四文字、五文字でも少々……。


「俺の最速は、田中一だったな。あれなら書くのに5秒はかからねぇけど、そんな名前ばっかりじゃねぇからな。受取人はそうでも、差出人は会社名だったりするからもっと長いし。ひらがなや英語でもそうだ」

「山口も相当早く書けると思うんですけど」


受取人と差出人の名前の記入、郵便番号の記入。

そして、郵便物の種類の記入。定形外だったり、ゆうパケットだったり、書留だったりなどの欄にレ点チェックOR〇囲いだ。

そしたらだ、



ピンポーン



「え!?もう一回鳴らすんですか?」

「そりゃあそうだろ。……あ、そうだ。”郵便局でーーす”、”坂口さんにお荷物届けに来ましたー”!……ま、こーいう感じに、声掛けするといいな」

「1回目にすればいいのに……」

「お前と喋ってたからしなかったんだよ。大丈夫だよ、いねぇよ」


インターフォンについてだ。

基本は”2回鳴らし”と”呼びかけ”を徹底しよう。


「お前ん家になんか行かねぇよって思うけど、セールス関係の人と思われるから。自分が”誰か”を伝えること、”受取人の氏名”を伝えることは大事だよ」


インターフォンの種類によっては、音が鳴るだけのタイプがある。

一軒家の並びでも、集合住宅でもそうだが。自分の家に荷物が来たのかと思って、扉を開ける隣のお客様もいる。その逆もいる。自分のところじゃないと思っている方もいる。

忙しい専業主婦からしたら


「夫が頼んだSM系のグッズの荷物なんか知ったこちゃねぇからな」

「そ、そんなことあるんですか」

「うん、あった。奥さんが元女王様なところ、実際にあった(笑)」


”2回鳴らし”は連続で鳴らすと、それはそれでクレームになる。不在票に受取人・差出人の名前を記入した辺りの間で、もう一度やるといい。間隔として丁度いい。この時も呼びかけをすると良いぞ。

連続で鳴らすなってクレームも珍しくないが、それよりも”鳴らしてないで不在票を入れられた”というケースが多いと思う。あるいはだ、


「すぐに配達員が立ち去ったってクレームもある。あれね、配達員の半分以上は客の居留守を分かってるんだ」

「マジですか?」

「さっきのカーテンを見ろとか言ったじゃん?あーいうところ見て、判断してんだ。それにワザと居留守を決め込む人もいる(今はこれも減った)。文句言いたいだけの人とか、子供しかいないとか、色々あるから無視しとけ」



ジーーーーッ


端末を使って、再配時に必要な番号を小型プリンタで印字し、不在票に貼りつける。その後、不在票を2つ折りOR少し丸める形で投函。

電気やガスが動いていると凄く分かりやすい。夏と冬は特に在宅してるかどうかが、冷暖房の音や風によるカーテンの揺らぎで感じる。もちろん、付けっぱなしで外出する人もいるから、100%でもないけれど。


ガコォッ


「ほんじゃ、行くぞ」

「はい」


不在票をポストに投函。

2回目の呼びかけは


「あんまり長くいなくていい」

「分かりました」

「配達員が呼び鈴鳴らしてすぐ行っちゃったってクレームは、この2回目の呼び鈴を1回目だと思ってるお客様だ。郵便局だけでなく、黒猫も佐川も……その他も、2回鳴らしが基本だ」


これは呼び鈴を鳴らさずに不在票だけを投函されたってクレームにも通じる。

実際にお客様に謝罪しに行くと、出て来るお客様がヘッドフォンからVチュー〇ーみたいな、ライブ動画の音をガンガン鳴らしながら、荷物を受け取るのだ。

少しはヘッドフォンの音量を抑えなさい。

他にもお客様が高齢のお客様といった、耳の遠いお客様という事もある。


「そーいうクレームは、配達員が気にする必要はない」


休日だから、うっかり昼まで寝てましたーってのもあるから。


挿絵(By みてみん)

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