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Aパート


みんなみんな、生きるために働く。働くために生きている。


”朝は希望を持って目覚め、昼は懸命に働き、夜は今日を感謝と共に眠る。(〇〇さんの有り難いお言葉)”

そんな社会でありたい。そんな1日が365日と続けばいい。

それが社会の安定。日常という世界。


ガバッ


「……あ~、おはよう」


平凡な自分が。改めて、平凡な自分が……。

社会の中に組み込まれる。あるいはそうなろうとする時だった。ベッドから起き上がって、挨拶と共に始まる今日に、いつもと違う通学・通勤路を歩く。

今日から違う日常を歩む。

だが、その日常は学生のような3年ほどで変わるものではなく、10年、20年と続けていくだろう。自分はそれでいい。自分はそれでいいんだ。


出来が良くないからだ。


このお話は、平凡ほどの高卒社会人である自分。森橋が、先輩達、良い上司と悪い上司達と共に郵便配達員として奮闘する。そのわずか”2か月”ほどしか記されないお話である。




◇        ◇




トボトボ……



「ん~~」


高卒という学歴にコンプレックスはある。本来、大学や専門学校を通ってから社会に出ているのが、現代の社会人と思われる。しかし、自分には家族の事情があった。

それは中学受験の頃。入試から12日前。父親が交通事故で亡くなってしまい、自分もそのショックのあまり第一志望の高校から落ちてしまったのだ。公立高校から滑り止めの私立高校に行くわけだから、学費とかが嵩むな……。ま、そこはともかくとして。

今の家族構成は、母、俺、妹2人の4人家族。父親が残していた財産だけでは大人になる俺達のお金は足りていない。そりゃあ、自分も友達と大学に行きたかった。でも、妹の2人は中学2年生、小学6年生だ。妹達にはそーいう心配がなく進路を考えて欲しいから、俺は働くことを決めた。母の負担も軽くできるしな。


高卒というハンデで、長く働けて、稼げるお仕事より安定性……。あと少なからず、短期間で取得できる必要な社会的な資格。高校在学中に原付免許を取得し、母の知り合いから原付を1か月、1台借りて練習もした。

体力を使う仕事なら、高校を卒業したばかりの自分には合うだろう。大工などの建設系も良いと思ったが、運転免許の取得期間がそこそこ長い。そこはこの仕事が安定してからで良いだろうな。

そこで目を付けたのが、郵便配達のお仕事であった。常に募集をかけていて、スキルアップチャンスもあり、給料も悪くないし、安定した職種。主婦や学生さん達が短時間で働くような職場ではなく、長時間の労働なら残業代込みで稼げる。

あと家から自転車で通える近さだ。家事のいくつかもしてやらなきゃ。

正社員登用だってある。将来はやや不安に感じるけれど、物流の仕事かつなんだかんだで必要とされる分野の事業だ。一生懸命やれば、やっていける。

そう思っていた。そこに平凡な頭でする打算もあった。


「えー、森橋くんですね。……19かー。この年で働くなんて、偉いなぁ。今年、免許を取得したんだね」

「はい。家族のために頑張ります」


面接時に運転免許の確認をされた。(作者はそうだった)


「ウチは若い奴が少ないし、ウチの馬鹿息子なんかこの年頃じゃ全然働かなかったから、凄い真面目だな。仕事は色々覚える事もあるし、分からない事は先輩に聞いてくれ。ちょっと雰囲気が学校とは違って、戸惑うかもしれないがね」


面接をしていた日。相手の部長さんからこんなことを尋ねれた。


「とはいえ形式だから、面接をしようか。まず、あなたの”しぼうどうき”について、教えてください」

「私がこの仕事を志望した理由は……」


この時、俺は郵便局に勤めたい理由。……家族とか色々あるが、スキルアップや正社員登用。体力なら自信があるということ。色んな面でここで”働きたい”に、仕事内容は特に考えていなかった。

そう言った自分の回答を応えたのであるが、相手の部長さんは


「いや、この仕事を”しぼうしたどうき”じゃなくて、あなたの”しぼうどうき”を聞いているんだけど」

「え?」

「……まぁいいか。若いし上や現場の方に声を掛けてみるので」


他にも色んな質問をされたのだが、ところどころ。


「履歴書以外に遺言書を持って来てって募集要項に書いたじゃないですか」

「え!?あっ……履歴書しか持って来てませんでした(なんの冗談だろって思ってた)」

「……まぁ、採用されたら書いてきて」


部長さんと話が噛み合わないところがあり、自分にコミュニケーション能力がないのかと、ショックを受けてしまった。緊張もあったかもしれない。


「審査の結果はお電話で致しますので、今日はありがとうございました」


面接が終わり、その結果に不安を覚える。

バイトの面接なんて、審査の合否を待たずに色んなところを受けろって友達も言っていたが。個人としてはここが良いと思っていただけに、良い報告を待っていた。


そして、俺は1週間後に採用のご連絡が届いた。

4月1日付けで、郵便配達員として働くことが決まったのであった。




※  作者からのお願い(コピペ)  ※



個人情報を出すような事はないが、ご質問・感想などに答えることやレビューなどは申し訳ないが避けさせて頂きたい(感想欄は解放するが)。作者として問題になる事もあるため、ご承知して欲しい。そーいう内容になるという事はすでに書いておきます。


また、お話の中で色んなコツや技、仕事の流れなどを伝えるご予定。しかし、仕事の流れについては管内によって、微妙に違いもありますし、これからご指導を受けるといった読者がいれば、指導される方の意見を聞くのが良いと思います。


あくまでこれは参考レベルにするべきと存じます。






いちお、作者のスペック(ざっくりとバレない範囲で)。




経験年数、10年ほどの現役。


配達員として、班内全域の配達可能。夜間、平日、休日、なんならぶっ通しもOK。


夜間のAMAZON当日便、全世帯へのマイナンバーカード通知の交付も経験。


配達地域、主に住宅街と工業地帯。(山とか海とかはやったことない)


配達速度、並よりは早いが慎重。(基本、担当地域が決まっていない)


区分速度、並。(区分に関しては、経験年数でそんなに人と差が出ません)


組立速度、上。(班内では速いが、局内では自分より速いのが数人いる)


お客様対応、基本ど下手なコミュ症、クレーマーが大の苦手。


誤配確率、滅多にない。1年に1回か2回程度しかしない。


運転技術、滅茶苦茶ど下手。すり抜けなどもしない臆病者。交通事故を起こした事はないが、3回ほど巻き込まれた事がある。(ちなみにここ2年で後ろから、3回ぶつけられているので、かれこれ6回になりますね)


病気、発達障害。


基本的にミスを極端に嫌う配達員だと思ってください。





今回のお話は、新人配達員達の2か月ほどの奮闘記録のようなお話になっております。

そのため、休日配達や夜間配達、特殊な行事に関するお話はありません。(再配の話はするが)

また、配達地域も1か所だけに絞ります。


業務的に言うと、Cランクほどのお仕事の内容です。今回はそれを濃密にして書いていく方式をとります。ちなみに、C,B,Aランクというランク分けがあり、さらに”+””-”の評価がついて、最大で9段階の評価が配達員としてあります。作者は最高ランクのA+です。でも、周りも最高ランクです。


物語の設定は、まだ土曜日配達があった時代となっており、違和感があるかと思います。(働き方改革がまだ定まっていない頃のお話)


”ミーティング”、”日常点検”、”抜出”、”大区分”、”道順組立”、”積込”、”運転”、”配達全般”、”居住確認”、”事故付け”、”悪天候への対応”、”お客様対応”、”不着申告”




などなど、郵便配達員の一日にある色んな業務を書いていこうと思います。


物語を始める前に2つほど、結末や注意事項を書いておきます。


1.森橋くんは2か月で郵便配達員を辞める展開にはなりません(設定では、彼は正社員登用をされます)。


2.郵便配達員に関わらず、新人の時のお仕事は過酷です!!ですので、無理して仕事を続ける必要もありません!ですが、新人のお仕事を乗り切ると凄い楽です!このお仕事だとそれは顕著に出ます!経験は必ず強い力になります。


10年以上もこの仕事をしていますが、新人時代がベスト3の過酷さでした。人によっては違うかもしれませんけど、自分はそうでした。


ランキングにすると、こんな感じ。(欠員とかは省く)




5位、防災の本を配る奴 (これはまだ楽な方)


4位、休日を一人配達 (これは基本的に今は禁止されてる)


3位、新人時代


2位、マイナンバーカードの配布 (これもう終わった)


1位、AMAZON当日便 (これはもう終わった)



ランキング外として、クソ過ぎる上司(今回のお話で登場いたしますよ)と関わることでした。


それからこのお話は土曜日配達があった頃どころか、まだ局内の人数が多い時期でした。

2024年11月現在。仕事動きは結構変わって来ております。使用する端末も、もうスマホです。図に使われている端末もなくはないですが、2つか3つ前のものです。

さらに、通常郵便物の量に関しても、この時期はそこそこある方です。なので、現在と比べると大分違っておりますが。基本はそんなに変わっておりません。

今は通常郵便は激減していますが、追跡郵便が爆増していますので、やり方などもちょっと変わっています。


この作品は、本来、2023年に投稿する予定であったため、少々ズレが生じているかもしれませんが、ご了承ください。


挿絵(By みてみん)

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