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6話 東京中央ダンジョン2

 視聴者さんとわいわいしながらどんどん潜っていった。

 時々雑魚(最低Sランク)と接敵しながらも殲滅していった。

 しばらくそんなことを繰り返していると大きな扉が目の前に現れた。


 その扉は大きな模様が描いてあり、どこか威圧感がある絵だった。

 

 「お~...上層ボス部屋かな?今さっきまで出てきてた雑魚と比べて威圧感あるね~」

 『あなたが雑魚って言ってる奴普通の人から災害なんですよ』

 『威圧感あるって...さっきのSランク達の威圧感もやばかったんだけど』

 『これは格が違いますね』

 「いや雑魚でしょ。私に手加減されても一撃でやられてるんだから」

 『あなたが規格外なだけです』

 『普通の人にはSランクは倒せないよ』


 私はボス部屋の前まで来たのだが緊張感なんてものはなかった。

 どんなボスと戦えるのか、どのくらい強いのかしか興味がなかった。


 「さてさてどんなボスなのかなぁ。強ければいいんだけど」

 『普通なら弱いことを祈るんだがやっぱり戦闘狂だな』

 『ここまで戦闘狂な人は初めてかも』

 『大体の戦闘狂って呼ばれてる人たちは道中ポップのモンスターと大量に戦いたいひとが多いもんな』

 『その戦闘狂でもボスは弱いことを祈ってる奴が多かったしな』


 「とりあえずはいるね~」

 『がんばえ~』

 『がんばー!』

 『ファイト!』


 そう伝え、固く閉ざされている扉に触れた。

 いつもならそのまま『ゴゴゴゴゴゴゴッ!』という音とともに扉が開くはずだった。

 そういつも通りならばそのはずだった。


 《システム認識。対象:白雪 真白。技能を認識。神級技能『死神』を確認。記憶を読み取り...エラー。再度読み取りを開始します。認識結果:記憶欠損。武器を認識。結果:幻想神器『紅月』『紅焰』を確認。魂を読み取り...消滅した神の鱗片を確認。特殊ボス部屋へ転移します。ボスは下位SSSランクモンスター『陸の王ベヒーモス』》


 無機質な声が無音のボス部屋前に響いた。

 そして気づけばそこは石の壁に囲まれた空間だった。

 特にいつもと違うところはないがただただ広く、その中央には山のように大きい一匹の魔獣が佇んでいた。


 『ベヒーモス...!?』

 『いままで討伐された記録がない化け物じゃないか!』

 『マジでそいつはやべぇ!逃げたほうがいいかもしれねぇ!』

 「いやいや視聴者は何言ってるの、逃げるなんてもったいないよ。せっかくダンジョンが気を利かせて私に強いかもしれないモンスターをくれたんだから、戦わないなんて手はないでしょ!」


 私はそう言ってその場に残像を残すような速さで踏み込んだ。

 駆け出した私の手にはいつもの武器『紅月』が握られていた。


 「エンチャントスペル・凍」


 紅月に氷属性のエンチャントをしてベヒーモスの頭上まで躍り出た。


 「先手必勝!大鎌術『断罪』!」


 そう叫び目に見えないような速さでベヒーモスの首に鎌を振り下ろした。


 『GRRRRRRRR』


 その一撃でベヒーモスは起きたらしく唸り声を上げて私を睨んでいた。


 「チッ!流石にSSSランクと言うだけあって皮膚もかたいね。切り裂くだけならトップクラスの技なのに、まさか今の一撃で皮一枚も切れないとは」

 『うをぉぉぉ!やべぇぇぇぇ!』

 『うわぁぁぁぁ!こえぇぇぇぇ!何だあの巨体!寝てたときでもやばかったのに起き上がったら更にやべぇ!』

 『協会のデータベース見てきたけどマジでやべぇぇぇ!あの巨体に見合った防御力...というかそれ以上の防御力持ってるみたいだし!』


 視聴者の言う通り寝ていたときでさえ山のように大きかったのに、私の攻撃の衝撃でその巨体を起こしたベヒーモスの全長は小さい山くらいだったのが大きな山レベルまで大きくなっていた。

 それに防御力もえげつない。私の技の中で一番切り裂く力が強い『断罪』、それを食らってもダメージを受けた様子もなく平然としているのだからすごく硬いことがわかる。

 どうするべきか。もう紅月を覚醒させるべきなのか、それとも自分にもっとバフを掛けて戦うべきなのか...

 うーん.........楽しめそうだから自分にバフを掛けて戦うか!


 「エンハンスフィールド、エンハンス、エンチャントスペル・闇炎、エンチャントスペル・絶」


 自分自身の身体にエンハンスをかけて、更にフィールドに自分にのみエンハンス効果があるフィールドを展開。

 さらに紅月に闇炎と死の属性をまとわせた。


 「これで無理だったら紅月を開放するか」


 自分に強化をかけた私は今までの比じゃないレベルで踏み込んだ。

 その速さは音速にも達し、音すら置き去りにしてベヒーモスの懐まで潜り込んだ。


 「本当かどうかは知らないけど皮が硬いやつは大抵腹の部分は柔らかかったりするみたいだね!大鎌術『三日月』!」


 紅月を振るい三日月のような形の斬撃を放つ技をベヒーモスのお腹の部分に叩き込んだ。


 『GRRRRAAAA!!』


 ダメージは多少なりともあったようで、ベヒーモスの叫び声が響き渡っていた。

 ベヒーモスはその大きな目に怒りの炎を灯し、私がいる場所に向かって前足を振り下ろしてきた。


 「そんな遅い攻撃には当たらないよ!」


 私はその場を飛び退き回避し安全な場所に着地するが、その瞬間ベヒーモスの足が振り下ろされた場所を中心に石の床が波立った。


 「うそでしょ!?力で無理やり床を動かしたの!?」


 着地したばっかりだったのでその揺れを避けることができず、思わずバランスを崩し飛んできた石の塊に当たる。


 「いったいなぁ!乙女になんてことするのよ!攻撃の範囲がおかしいってわかったからもう絶対攻撃させない!私に攻撃する暇もないスピードで攻撃を叩き込んであげる!」


 私は叫びながらベヒーモスの足がある場所へ突っ込んでいき、その足に小さな傷をいくつも作る技を放った


 「大鎌術付与「鎌鼬」!」


 その勢いのまま残りの足にも同じ技を放った。

 ベヒーモスの筋をうまい事切れたのか、バランスを崩し無防備な首を晒した。


 「これでとどめだよ!起きて『紅月』!大鎌術奥義『断絶』!」


 大鎌は付与していた氷、闇炎、死の付与をすべて吸収し呼びかけに応じてきれいに光った。

 そうして私は条件付き単体火力においてトップクラスの威力を持つ奥義『断絶』を放った。

 私は背後に死神を呼び寄せその私の持つものの10倍以上ある大鎌をその首めがけて振り下ろした

 その死神の大鎌はきれいに弧を描きベヒーモスの首を捉えた。

 刃と首がぶつかった瞬間その刃は首を切り裂きその首を地面に落とした。

 ベヒーモスの亡骸はアイテムを残してその場で光となって消えていった。

 

 「ふう勝った勝った。思ったよりも強くて結構満足できたなぁ。そういやコメント全然見てなかったね。どれどれ...」


 私がコメント欄を覗き込むと称賛の声?が動いていた

 

 『うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!すげぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!』

 『ベヒーモス初討伐おめでとう!ヤバすぎ!』

 『何だ最後の技!かっこよすぎだろぉぉぉ!』


 「あはは、ありがとう。思ったより強かったけど討伐できたよ!」

 『思ったより強かったで済むしろちゃんがすごすぎるんだよなぁ』

 『ほんとそれな』

 『ベヒーモスが思ったより強いで済むってホントすごいな』


 視聴者とワイワイしてたら再び声が聞こえてきた。

 

《ボス討伐を確認。これより特殊SSランクダンジョン名称:東京中央ダンジョン精霊層に転移します》


 そんな無機質な声が聞こえてきてなにかを言う前に転移させられた

お読みいただきありがとうございました!

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