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3話 配信者は目撃する

 私、柊 鈴音は昔から仲が良かった鳳 輝夜と高校時代に知り合った先輩の剛田 健人と本田 真の4人でパーティーを組んでいて、今日はいつもどおり配信をしながらBランクダンジョン下層を探索していた。

 

 Bランクダンジョンだから全体で見るとそこそこ上位のダンジョンだが、私達が潜ってるダンジョンはBランクの中でも割と簡単なダンジョンに潜っていた。


 今日もいつも通りの配信になると思っていたんだけど、今日はやけにモンスターが少なかった。

 上層も中層もいつもならかなりの頻度で接敵するのに、今日はほとんどしなかった。

 だから、いつもよりも気をつけて探索をしてた。

 それでもやっぱり気付けなかった。

 ダンジョンからモンスターたちが種族関係なく集まって一群となって地上を目指す現象。

 

 ”スタンピード”

 

 それも100匹くらいの小規模とか、300匹くらいの中規模レベルではない、数十年に一度しか発生しないはずの1000匹以上の超大規模スタンピードが私達が今いるBランクダンジョン下層で起こっていたことに。


 「....!やばい!みんな逃げるよ!!」


 最初に気づいたのは弓術による遠距離兼探知役の真だった。


 「スタンピードが起きた!!それも超大規模なやつが!!」


 そんなことを告げられた私達は、急いで逃げた。

 スタンピード、それも超大規模なものに巻き込まれたら生還する可能性は0.1%を切る。


 コメント欄も混乱しながらも情報を集めてくれていたらしく


 :今、鈴音ちゃんたちがいるダンジョンで魔力放出(オーバーフロー)によるスタンピードを確認したって協会が知らせを出した!!鈴音ちゃんたちも早く逃げて!!

 :いま地上でも周辺地域に避難警告がでた!


 私達はその情報をチラッと見ながら走って逃げた。

 今までに出したことがないだろうスピードで走った。

 それでも追いつかれそうになって思わず叫んでしまったしまった。


 「いやぁぁぁぁぁぁ!」


 あと1分もしたら追いつかれてしまうで有ろう距離までモンスターが来たとき、眼の前に赤と黒の配色をしたローブを着て、手にはきれいだけどどこか恐ろしい大鎌を持った人が見えた。


 1番先頭にいた真がその人にスタンピードが起こってるから逃げろと警告した。


 「逃げろ!!大規模スタンピードだ!」


 けど、その人はその言葉を無視して私達の方へ歩いてきた。


 「何してるんだ!死ぬぞ!」


 真はその人に対して再び警告したがその人から


 「ふふふお兄さんたちは気にせず逃げていいよ...今日モンスターの数が少ないと思ってたら私が楽しめるようにスタンピードを起こしてくれてたんだね...」


 そんな声が聞こえてきた。声からしてまだ幼い少女なんだろうと予測ができた。私の心が幼いであろう少女を見捨てるのはどうなんだと言っていたが、それでもやはりコメントを見てもスタンピードに突っ込むような自殺志願者は見捨てて自分の命を第一にしてと言われたけど、それでもやっぱり見捨てたくないという心が強くてその少女の方へ向いたら、ちょうど技を発動していたらしく技能名が聞こえてきた。


 「エンチャントスペル・絶」


 と、すると少女の体からは黒いモヤが水が吹き出すように勢いよく溢れてきた。

 更に、少女が持っている大鎌は黒いモヤを纏ってさらに恐ろしさが増した。

 少女が続いて


 「起きて『紅月』」


 と、つぶやくと大鎌が纏っていたモヤが消えて代わりに赤くぼんやりと光った。

 戦う準備を終えたであろう少女が


 「ふふっ行くよモンスターさん?」


 と、言った瞬間黒いモヤをその場に残して突如少女が消えた。

 どこに行ったのかモンスターの方を向いて探そうとした瞬間いきなりモンスターたちの先頭に現れて目にも見えないような速さで大鎌を薙いだら、少女から前方10mくらいにいたモンスターたちは人形、獣形関係なく上下に泣き分かれた。


 「え?え?う、嘘でしょ??何あの子...」

 「やっば...なんだあの子。なんでこんなところにあんなやばいやつがいるんだ」


 :えぇぇぇぇ!一振りで大量のモンスター死滅したんだけど!

 :誰だあの子!

 :誰かわかるやついないのか!

 :だめだ!フード被っているせいで顔も見えないしわかんない!


 そのまま後続のモンスターに突っ込んで殲滅したと思ったら再び少女の声が聞こえてきた。

 

 「ふふふ...あははははっ!」


 「えぇぇ...あの子あの状況で笑ってるのか...」

 「やべぇやつですわ!」


 :なんであの子スタンピードに巻き込まれて笑ってられるんだよ...

 :狂人さんですね

 :やべぇやつで草


 そのまま、少女がモンスターの大群を殲滅したら一番うしろから王冠をかぶった骸骨が出てきた。


 「う、うそ...でしょ。な、なんでBランクダンジョンにSSランクのノーライフキングが出てくるのよ!」


 :ノーライフキングはまじでやべぇ!

 :あいつは初手魔法を乱射してくるから巻き込まれないように早く逃げてくれ!

 :あはは...あいつが外に出てきたらやばくねぇ...?

 :あの少女が倒してくれることに賭けるしかないな...

 :流石に無理じゃないか?だってSSランクだぞ?


 ノーライフキングをみた少女は言った。


 「あはは!あとあなた一人だね!...最後まで楽しませてね?」


 と、その様子を見てたコメントでは


 :やっぱやべえやつじゃん!

 :本物の狂人さんでしたか...


 というコメントが大半を占めていた。

 そんなコメントを見ている間に少女はノーライフキングの懐に潜り込んであの大鎌を横に振り抜いたと思ったら、その瞬間ノーライフキングが消えて後退していた。


 「え?今あたってなかった?」

 「いや、短距離転移で避けられてたな。というかノーライフキングがSSランクな理由は魔法主体の攻撃が強い上に、攻撃しても短距離転移で逃げられるからだからな」


 :え?じゃあどうやって倒すの?

 :短距離転移の転移範囲が10mだからそれ以上の一撃必殺の威力を持つ範囲攻撃を撃って倒すしかないはず、もしくは逃げられる前に当てる

 :Sランク以上じゃないとできないじゃないですかヤダー!

 :ただでさえ体力の高いアンデット、しかも最上級だから更に体力が多いのに一撃で殺せる威力を持つ人なんてSランク以上じゃないといないでしょ

 :あの少女はどうするんだろう


 転移で攻撃を避けたノーライフキングを見た少女は

 

 「へぇ...転移持ちなんだ。...ふふふ本当に楽しませてくれそうね!」


 と言ってた。


 そこにノーライフキングから無数の魔法弾幕がはられた。


 「うわ!やべえ!輝夜!できるだけ硬い結界を頼む!」

 「わかりましたわ!『四重結界』!」


 私達には結界が張られたからなんとかなるはずと思い、少女を見ると魔法の弾幕に突っ込んでいった。


 「あれに突っ込むとか脳みそどうなってるんですの...?」

 「うわぁギリギリで避けながら全部切ってる...」


 少女は目を輝かせながら魔法の弾幕へ突っ込んでいき、自分に当たりそうなやつは全部避けながら周りの魔法をすべて切り捨てていた。

 魔法を全部斬り捨てた少女は


 「いい...いいよ!もっと...もっと私を楽しませて!『短距離転移』!」


 と言ってノーライフキングの背後に転移して


 「奥義『月影』」


 とつぶやいたと思ったら残像すら見えない速度で振り抜いた。

 突然突風が吹き荒れた。黒い風が巻き起こった。それに触れた瞬間壊すことがほぼ不可能な魔石、それに転移できなかったノーライフキングがきれいに上下に分かれた。


 「やべぇ...あの子一人で超大規模スタンピード潰しやがった...」


 :何者なんだあの子...

 :なに...あの威力の技...

 :多分...というか絶対Sランク以上のやつだろ

 :あ!自分の技の風でフードが外れて白色の髪があらわになってる!

 :白髪だと!?なかなか探索者でもいない髪色だから高ランクならすぐに見つけられる!


 「そ、それより!助けてくれたお礼しないと!」


 お礼をしようと声をかけようとしたら、声を掛ける前に転移していなくなってしまった。


 「あ...いなくなっちゃった...」

 「まあ、協会に行けば会えるんじゃないかな。あの子も探索者みたいだし」

 「そうだよね...うん!また会えたときにお礼言おう!」

 「それより配信終わったらどうですの?もう配信してもしょうがないと思うので配信切って早いところ帰っちゃましょう?」

 「あ、そうだね」


 すぅっっと息を吸ってカメラに向き直って配信の終了を告げた。


 「みんなここまで見てくれたりがとう。ハプニングもあったけど楽しんでもらえたかな?それじゃあ、また会おうね!ばいばい!」

 「お疲れ様でしたの!」

 「お疲れ様だぜ!」

 「お疲れ様でした。また次の配信でお会いしましょう」


 そう言って配信を終わらせた。

お読みいただきありがとうございました!

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