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美少女選抜優勝者の彼女に俺だけ塩対応してたのに、なぜか興味をもたれてめちゃめちゃ甘えてくるようになりました  作者: 遥風 かずら
第四章 迷わない関係

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第71話 放課後ナンパと疑惑の事件 1


 放課後。


 毎回生徒会メンバーが集まるでも無い活動を終え、野郎だけで下校することになった。院瀬見は生徒会以外でも忙しいようで、席が隣だからといって詳しいことは教えてくれなかった。


「そんじゃあ、次の美少女選抜の美少女候補を見つけにるるポート行かね?」

「俺は行きたくないぞ」

「そう言うなって! 南は男子にとって頼りになる存在なんだぜ? お前が一緒にいれば美少女が近づいて来ること間違いなしなんだよ~」

「そうっすよ~! 何せ翔輝さんは院瀬見さんに堂々と話が出来る男子なんすから、選抜候補の女子も気にすること間違いなしっす! なのでとりあえずナンパっす!」


 ……などと、下道や鈴原などと次の美少女選抜についてくだらない話をしていた流れで、下道の悪い癖である放課後ナンパを実行することになった。


 名目は美少女選抜候補を見つけることらしいが、もちろん俺は同行しない。だが監視する必要があると判断したので離れてついて行く。


 そんな野郎どもから離れて歩いていると、どこかで聞いたことのある女子の声が下道たちが歩いている前の方から聞こえてくる。

 

「男子ってくだらない!」

「そう言わないの! お話をして、次第に分かってくるものなんだよ?」

「わ、私はしずくさんと同じ意見です。男子……特にあの男だけは気に入らないです!」


 女子たちの声は俺の位置からは一人くらいしかはっきり聞こえてこないが、前を歩く下道が興奮している様子を見るに、おそらく美少女センサーに引っかかっている。


 三人の内の一人は帽子をかぶって顔を隠してるっぽいが、あとの二人は素顔を出してそうだし声をかけるのも時間の問題か。


 彼女たちの前に出て見てみたい気持ちはあるものの、一人だけ判明している声の主が()()だとすれば、すぐに問い詰められるのは明白だ。


 ここは前方にいる下道たちを監視することに徹しよう。

 

「……変わったね。前は世の男子なんてみんな同じだから何も見えない。なんて言ってたのに、今は全然違う人みたい。何で?」

「――そ、そう?」

「あの男に何かされたから変わっちゃったんですよね?」

「あの男って、せおりが言ってた()()?」

「そ、そんなことはないけど。でもめぐちゃんも気になってる男子がいるって……」


 声の主の一人は十中八九、院瀬見つららだな。あとの二人は不確定でよく分からないが。

 

「……それはそうですけど、彼、最近謹慎が解けたばかりなので大人しくて」

「ふ~ん? 男子になってるボクが言うのもなんだけど、男子なんて全部似た感じだろ? どいつもこいつも下心ミエミエじゃんか!」


 この話の流れを聞くに、男子嫌いの女子と誰かを好きな女子をなだめてる感じか。そうだとしたら下道たちに気づかせてはいけないな。


 ……ってあれ? あいつらどこ行った?


「キミたち、どっかで会ったよね? うん、間違いなく会ってる!」

「いや~美少女っすね~! オレたち、美少女選抜候補を探してる最中なんすけど~」


 あいつら、やっちまったな?


 こうなるとこの位置にいる俺なんてすぐにバレてしまうじゃないか。ここは急いで適当なところに身を潜めるしか――。


「誤解っすよ~! オレたちはリーダーの指示に従って動いてただけなんす」

「……リーダー? あなたたちの他に誰が?」


 ふざけるなよ、いつ俺がナンパリーダーになった?


「あっ、あいつじゃない? リーダーっぽい奴が後ろに見えた!! ムカつくな~! ボクがとっちめてやる!!」

「待って、無理しないで!」


 おいおい、マジか。何で俺が狙われるんだ?


「このぉ~!! 逃げんなよ、この野郎!!」


 俺は無実なのに、何で街中を全力疾走する羽目になったんだよ。


「あっ、待てっ!! ボクを舐めるなよ?」


 しつこい奴だな。追いかけてきているのは院瀬見じゃなくて別の女子っぽいが。だからといって捕まるわけにはいかないな。


 幸いにもこの辺は人通りが少ない。ネットカフェも点在していることだ。そこに入ってやり過ごせば何とかなるだろ。


「あ、こらーー!」


 追いかけてきている奴の足も俺よりやや速そうだが、さすがに店の中までは追いかけて来ないはずだ。


 数少ないが、会員になっている店に入ることにする。そうすれば何とかなるだろ。


 俺は迷路のような路地をひたすら進み、隠れ家的なネットカフェに何とか逃げ込むことに成功した。


 個室タイプが運良く取れたので、そこで二時間ほど時間を潰すことに。まずは帰りが遅くなることを教えるために新葉に電話を――と思っていると、携帯電話が激しく振動を始めた。


 確かめると発信主は院瀬見つららとあった。防音にもなっているので電話に出てみることにした。


「あ、あのぅ、しょ、翔輝くんですか?」


 そういえば電話で話すのは初めてだったか? 


「……他にどこに繋がるとでも?」

「意地悪ですね、相変わらず。それはそうと、翔輝くんは今どこにいるの?」

「部屋」


 ネットカフェの部屋だから嘘は言って無い。


「ふぅん? お部屋にいるんですね?」

「そうだけど、どうかしたか?」

「おかしいですね。お部屋の中には草壁さんが寝転がってるだけなんですけど?」

「――おっ、おぉぉ……そうだった。俺がいない時は自由に出入りしていいって言ってたんだった。言い忘れた、ごめん」


 新葉の行動がある意味救いの何とやらだったな。上手く誤魔化せた。


「あれ~? この部屋、誰かいる~。間違えたのかな? すみませ~ん、そこの人~?」


 ……ん?


 鍵をかけたはずなのに何で勝手に誰か入って来るんだ?


「……翔輝さん。誰と一緒なんですか? そこはどこ……ですか?」

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