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美少女選抜優勝者の彼女に俺だけ塩対応してたのに、なぜか興味をもたれてめちゃめちゃ甘えてくるようになりました  作者: 遥風 かずら
第三章 恋と争う二人

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第69話 きっと気のせい


「な~んで、そんなにワイシャツが汚れてるんですかぁ?」


 放課後の生徒会活動の時間になり、誰よりも早く俺に声をかけてきたのは九賀みずきだった。


 教室では一番後ろの席ということで誰にもバレずに済んでいたが、さすがに一緒に談話室に向かっていれば背中の汚れに気づかれてしまう。


「どれどれ? うわ~きったなぁい!!」

「そんなでもないだろ。いちいち騒ぐなよ、新葉」

「い~や! 翔輝が良くてもあたしは許さん!! 清潔保持をモットーに生きてきたわたしにとっては死活問題なんだぜ?」


 放課後になると嫌でも新葉が俺に張り付いているから、やかましいことこの上ないな。親でも嫌なのに、何で幼馴染に清潔感まで管理されなきゃいけないのか。


「お前のモットーなぞ知らん。気にすんな」

「何だとぉう!!」

「ま、まぁまぁ。でも南会長さん。実際問題、どこで汚したんですかぁ?」

「転んだ。以上」


 まさか自ら進んで地面に寝転がったなんて言えるわけがない。


「……南が望むならこの場で脱いでもらっても構わない」


 まして俺の隣には聖菜もいる。新葉と九賀だけでも面倒なのに、何で早くも聖菜が俺の隣を歩いているんだろうか。


 北門には現れないように厳しく言っておいたから良かったが、聖菜(彼女)には特にそんなことを言っていなかったのが裏目に出た。


「それは無いから気にしなくていいぞ、聖菜せな

「そう、それは残念……代わりに聖菜が脱ぐ?」

「脱がなくても大丈――って、俺が言う前にシャツごと脱ごうとしなくていいから!」


 ただでさえ霞ノ宮の制服は厳しめに出来ているのに、それを脱ぐのはさすがに無いだろ。


「むふふふ……翔輝は知らないんだね?」

「何がだ?」


 新葉と九賀は、聖菜が院瀬見と敵対している女子ということを知っている。それなのにあえて放置しているように思えるのは気のせいだろうか。


「あたしを見ろ~!」


 そう言いながら新葉は自分の胸を強調させながら、たわわな胸を揺らし始めた。


「何だ、痴女か」

「ちっが~~う!! 夏服だぞ、夏服! 何と、夏服は首元を開放中でせくしぃなんだぜ~?」


 残念なことに新葉の学年は女子だけで男子はいなく、恥じらいなんてものは必要無いことを意味する。


「だから何だよ? 俺に見せたところで今さら興奮するとでも?」


 要点を言えずに行動だけ先に示したみたいだが。


「そうじゃなくて~!」

「はいは~い! 新葉お姉さまが言いたいのは、女子の制服って夏と冬で違いましてぇ、夏服は一番上のボタンがそもそも無くて~普段はリボンで何とかなってるだけなんですよね~」

「そっ、それそれ! それと、翔輝が気付いて無いだけで、ほとんどの女子はみんな涼しさ求めてせくしぃなんだぜ!」


 せくしぃしか言って無いじゃないかよ。


「脱ぐ脱がないの前に、そんなことで気にしていたらやっていけないって意味で合ってるか?」


 ふと聖菜を見てみようと思ったが、その上のことをしかねないのでやめといた。


「そういうことで~す。なので、南会長さんが女子をそういう目で見るのは間違いっていうか~」

「見ることは無いから安心してくれ、九賀」

「ふぅ~ん? そうですか?」


 よくよく見ると、可愛らしいリボンが首元に付いている。しかし今は緩めているようで、三人とも首元を開放中だ。要するに聖菜の行動で焦る必要は無かったことになる。


 そんなこんなで談話室に着くと、やはり俺たちよりも先に彼女たちの姿があった。おまけにメンバーが増えているようだ。


 下道、鈴原、それと二見――それから、上田の妹か。気のせいかもう一人見知らぬ男子がいるように見えるな。


「遅かったですね、翔輝生徒会長さん?」

「早いか遅いかで勝負してるわけじゃないからな。そういうそっちは、見た感じただ座っているようにしか見えないが?」

「こちらはいつまでたっても来ない現生徒会長を待っていたんです。活動の際は生徒会長の指示が必要……とお聞きしましたので。違いますか?」


 適当に答えたのは下道だな。やることは以前と変わらないんだから、俺を気にしなくてもいいのに。


「……一応聞くが、院瀬見は生徒会メンバーとしてはどの位置なんだ?」

「副会長です」

「……え?」


 あれ、院瀬見は確か生徒会選挙で俺を下ろして会長に――じゃなかったか?


「もうお忘れですか? わたし、言ったじゃないですか。副会長をやっていた男子の代わりに副会長になります! って。おかしなこと言ってますか?」


 完全に記憶から抜け落ちていたな。確か渡り廊下の時にそんな展開になっていた気がする。

 

「あ、いや……おかしくない」

「ところで、さっきから気になっていたんですけど……」

「ん?」

「どうしてあなたの隣に聖菜さんがいるんですか? それと……」


 そういや、さっきから両腕に何かが絡みついている気がするし、背中越しにはたわわな胸の感触があるような気が。


 きっと気のせいだろうし、そうだと信じたい。


「九賀さんと聖菜さんを腕に絡めて、おまけに草壁さんに後ろから抱きついてもらっているのはどうしてですか!」

「え~と……それは~」

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