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美少女選抜優勝者の彼女に俺だけ塩対応してたのに、なぜか興味をもたれてめちゃめちゃ甘えてくるようになりました  作者: 遥風 かずら
第三章 恋と争う二人

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第60話 強い味方?


 ……人の数が半端無いな。


「翔輝会長、どうしたんすか?」

「学食にこんなに人がいたかな、と」

「仕方ないっすよ。男子だけの時代とは比べられないんすから。でも、霞ノ宮の学食は最高っすよ~! 男子よりも女子の方が圧倒的で最高っす!」


 下道はにやつきながら、目の前のシーフードパンに夢中でかじりついている。俺は放課後にある定例会のことを考えておにぎりを二個だけ食べた。


 こんな感じで俺と下道だけ昼を食べるつもりだったが、


「なぁ、南。生徒会って楽しいんか?」

「普通だ」


 今まで古根のクラスの時、俺は他の男子とほとんど話をしなかった。だが、今回同じクラスになったことで鈴原すずはら怜雄れおという奴と話すようになり、昼も一緒になることが増えた。


 友人関係でも無いのでどういう奴なのかは不明だが、北門よりも気楽に感じるということで今に至る。


「へぇ~。んでも、確か二学期から女子と同じになるんじゃなかったか?」

「予定はそうだな。もしや生徒会に入りたいのか? 怜雄」

「最強美少女の院瀬見つららが間近で拝めそうだし、マジで興味ある」


 院瀬見狙いか?


 同じ教室にいながら普段は院瀬見に近づくのも畏れ多いらしいが、生徒会に入れば確かに身近にはなるか。


「翔輝会長、放課後の定例会に鈴原を参加させてみたらどうっすか?」

「……俺は別にいいけど、怜雄はどうする? 参加してみるか?」


 俺と下道の提案に、


「面白そうだし参加してみるけど、途中で抜けていいんだろ?」

「見学ってことなら問題無い」

「んじゃ、よろしく~」


 お調子者っぽい奴だが、悪い奴じゃ無さそうだ。

 

 昼を済ませ教室に戻ると、ポツンと外を眺めている院瀬見の姿があった。


 もしかしたらぼっちなのかもしれないな。


「こんにちは、翔輝さん」


 俺は音を立てずに自分の席に着こうとしたのに、気配にすぐ気づかれてしまった。


「こーんにーちはー」


 ぼっちを慰めようと思って明るく振る舞ってみたが、


「……殴りますよ?」

「ご、ごめん」


 冗談が通じなさそうなのですぐに謝った。


「もうすぐ昼休みが終わるけど、もしかして昼抜きか?」

「どうしてそう思うんです?」

「いや、まるでぼっちのように席に着いてるから……」

「必ず食べる必要もありませんし、食べたい時はお誘いしますので問題無いです」


 美少女選抜優勝者だからというのもあるのか、他の女子が話しかけているのをあまり見かけていないのは気のせいだろうか。


「俺が誘っても一緒に食べるのか?」

「食べますよ。何なら食べさせてあげてもいいですし」


 いわゆる『あ~ん』とかいうアレのことを言っている?


「……そのうちな」


 興味はあるが今はまだそういう段階じゃないよな。


「はい、そのうち。それで、何の用ですか?」

「放課後のことだけど、行くんだよな?」

「はい、出ます。わたしが出ないと始まらないので」


 もっとも、院瀬見はまだ正式な生徒会メンバーというわけでも無いわけだが。女子達が活動に参加していたのも興味本位だったみたいだし。


「ん? 一応聞くけど、今日の定例会には他の女子……かつての推し女も来るのか?」

「それは分からないですけど、わたしは行きます。誘いたかったら九賀さんに声をかけたらいかがですか?」

「何で九賀? というか、俺が声をかけなくても勝手に来ると思うけどな」

「翔輝さんがそう言うならそうでしょうね」


 何でか機嫌悪そうにしてるのは何でなんだ?


 ――などと話していたら昼休みが終わってしまった。まあ放課後になれば分かることだろう。


 二学期初めての生徒会定例会――ということで、今日に限っては先生も参加することになった。本来なら古根の教室でやるはずだったが、院瀬見先生の提案で談話室でやることに。


「私は見守るだけだから、好きにやりたまえ!」

「何か意見するわけじゃないんですよね?」

「古根の先生から生徒会に一任していると聞いている。だから私もそれに従うつもりだ! 私のことは気にしなくて構わないぞ」


 実は放任主義なのか?


 そうだとしたら今までどおりの活動が出来そうだが。


「それと、院瀬見つらら」

「はい」

「……今日から始めるってことで違いないのだろう?」

「間違いないです」

「そうか。それなら安心だ」


 何やら通じているようだが、一体何の話だろうな。


 それはそうと、


「……何でここに草壁先輩がいるんですかね?」

「んまぁっ! 何て他人行儀なのかしら!?」

「他人です」

「そう言うでない! あたしは君の強い味方だよ? 決して敵にはならないんだよ? 君には多分あたしが心の友になるんだぜ~」


 新葉ごときが敵になるわけも無いが、こいつには定例会のことを一切教えてないのに何で参加出来ているのか意味不明すぎる。


 院瀬見先生が新葉に何も言わないのも気になるし。


「ところで、生徒会長さん。単刀直入に言います」

「……どうぞ?」


 院瀬見が開幕で発言するとは珍しいこともあるものだ。正式にメンバーとして名乗り出るつもりだろうか。


「わたしはわたしで今日から新たに生徒会を立ち上げます。生徒会長はもちろんわたしになるんですけど、これは本決まりではなくて生徒会選挙で決めてもらうことになります」


 ――な!?


 敵ですって言ってたけど、これのことだったのか?


「南さん。わたし、負けませんからね?」

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