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美少女選抜優勝者の彼女に俺だけ塩対応してたのに、なぜか興味をもたれてめちゃめちゃ甘えてくるようになりました  作者: 遥風 かずら
幼馴染と思い出エピソード

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第52話 現実は院瀬見


「翔輝くんの気持ちはよぉく分かったよ! 分かる、分かるよ〜」

「何が……?」

「あたしに惚れた……つまり、初めて恋をしちゃったんだね」


 全然違うし励ますつもりだったのに、まさかそれを告白とみなすなんて想定外すぎる。


 ……とはいえ、弁明したところでさらに歪曲されても困るし、この際このまま誤解されたままで放置しとこう。


 多分この人は俺の言葉を自分にとっていいように変換するタイプだろうしな。


 そんなこんなで、


「準優勝とったぜ〜!」

「おめでとう!」

「翔輝くんのおかげだぜ! キミの恋には応えられなかったけど、あたしはいつでもキミの味方だぜ」


 ◆◆◆


 ――といった感じで俺の告白が幼馴染の脳内にすり込まれ、俺もまたそれに付き合うことになり、しばらくはこいつに会いに行ったりしたのを思い出す。


 ただ、俺が生徒会に入って生徒会長になった頃には俺から新葉に会いに行くことも無くなって、そのことをなかったことにしたのも事実だったりする。


 生徒会長になることを勧めたのも新葉だったこともあり、不本意な初恋となった告白も今となってはただの思い出話でオチがついた。


「いやぁ、そんなことがあったんだねぇ」

「まあな。でも、もう忘れていいぞ」

「そうはいかないよ! あたしはあんたの恋には最後まで面倒をみるって決めたんだからね?」

「……それってどういう――」


 またしても曖昧なことを言い出したところで、インターホンが鳴る音が聞こえた。


「きたきたー!」

「荷物とかなら俺が出とくけど……」

「シット! シッ。翔輝は音を立てずにそこから動くでないぞ!」


 俺がこの部屋にいることを外部の人に知られたくないとか、今さらのことだと思うんだが。


 そう思っていたのに、


「……いると予想してましたけど、噂は本当だったことが今、はっきりと分かりました」


 部屋に入ってきたのは、まさかの院瀬見つららだった。


 しかも握りこぶしを作ってお怒りなご様子。


「ひ、久しぶりだな、つらら」

「……相変わらず間抜けな人のようで何よりですね、南生徒会長さん?」


 ん?


 何か違う気がするのは何故だろうか。俺への反応がまるで出会い初めの頃のようにひんやりとしている。


 さっきまで思い出に浸っていたのに、今は別の意味で冷えまくった空間に浸っているような。


「翔輝くんの為にも、ここはお互いにじっくりゆっくりと話し合ってね」

「草壁先輩の考えと狙いは理解出来ませんけど、お部屋に入らせて頂きましたので話はします」


 どうやら新葉にしてやられたようだ。


 まさか新葉の部屋で院瀬見と向き合うことになるなんて、一体俺は何を言えばいいんだ?


 そもそも噂ってどういう意味なんだろうか。


「南生徒会長さん。まずは――」

「は、はい」

「差し入れを持ってきましたので、飲みませんか?」

「差し入れ……」


 何かを話し合うんじゃないのか?


「話し合いの前の水分補給です。喉がカラカラになると思うので遠慮なくどうぞ」


 これは本気のやつだ。


「わたし、本気で怒ってますので!」

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