私だけが知っている
この話は事実に基づいたフィクションです。
20✕✕年高校2年生になったりりは高校に入って初めての友達が2人出来ました。
1人はサチ。とても活発な子ではっきりとした性格で物怖じせずに何でも言うタイプの子です。(帰宅部)
後1人はチサト。とても真面目な子で些細なことでも誰かに相談をして石橋を叩いて渡るタイプの子です。(茶道部)
りりは好奇心旺盛で色んなことに興味があり、厄介事が身の回りで起きやすいタイプ(吹奏楽部)で3人全く違うタイプではありましたが仲良しでした。
冬休みに入る終業式の日にサチからうちでお泊まり会をしない?という誘いがありました。
「ねぇ、りり。チサト。うちでお泊まり会&勉強会でもしよう!」
「えぇ、お泊まりはいいけど勉強いやなんだけどー。」
「サチちゃんの家さえ良ければ、りりちゃんと一緒に行きたいな。」
「チサトもこういう事だし、良いでしょ?りり。」
「行くこと自体は断ってないよ〜。勉強がいやなだけ〜。」
「じゃあ、細かいことはLINEで送るからよろしく!」
「「りょーかい。」」
そして、りりとチサトはそれぞれの部活へ行くのでした。
「お疲れ様です〜。」
「あ〜、りり!やっと来たんだ!遅いって〜!」
「ごめん。りっちゃん、そんなに楽しそうにどうしたの?」
「聞いて!ミオが年上の人と付き合ってるんだって!」
「好きだねぇ〜恋バナ。若いっていいね〜。」
「何言ってんのうちらこれからでしょ?ミオからも言ってやってよ!」
「笑。そうなんだけどね、りりちゃんぽいよね。」
「ミオちゃん彼氏出来たんだね〜、おめでとう!」
「うん。りりちゃんありがとう!」
明日から冬休みだし、部活終わったら彼氏とデートするって言う仲間を横目で見ながらりりはコントラバスを夢中になって弾くのでした。
それから何日か経った頃、ミオちゃんから相談がある。と言われたりりはトランペットの練習場所に行くことになりました。
「ミオちゃん来たよ。相談ってなぁに?」
「りりちゃん。練習中に呼んでごめんね。クラスも違うしこういう時じゃないと2人で話せないから。。」
「ミオちゃん可愛いし、人気者だから周りに人多いもんね。」
「それはありがとう。それなりに問題もあるんだけどね。」
「誰かに妬まれてるとかありそうだよね〜、可愛い子も大変だ。」
「まさにそのことで相談があるの。」
「まさか。りっちゃんじゃだめなの?」
「りりちゃんじゃないと困るの。あのね、彼氏が出来たって言ったでしょ。それ以降、誰かに突き飛ばされたり靴とか上履きが無くなったり、彼氏と別れろって書いた紙が机や靴箱や鞄に入ってたりするの。だけど、彼氏と別れたくないしどうしようって思って困ってるんだ。」
「それなら余計他クラスの私より、同じクラスで同じパートのりっちゃんの方が良くない?」
「りっちゃん彼氏が欲しいって言ってて、私の彼氏がイケメンだからそれが原因かも知れないって。」
「つまり、りっちゃんが犯人だと思ってるの?私が知ってる限り、りっちゃんはそんな卑怯なことする子じゃないんだけどね。」
「私だってりっちゃんのこと信じてるけど。1番身近にいて私がいない時にどうこうできるのはりっちゃんしかいないもん。」
「それは、難しい話だね。りっちゃんにそれとなく聞いてみるね。」
「うん。よろしくね。」
すぐにでも話を聞きたかったりりでしたが、相談があった日の翌日から3日間部活が休みでお泊まり会に行くことに決まっていた為、休み明けにりっちゃんに聞くことにしました。