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「じゅ!じゅぎょう???え?いまから??何するのデスカ??」


アデルは思わず大きな声で叫ぶ。


「んー?あ、そうだねー授業というよりテスト?」


(ぜんぜん違うじゃないかーーー!)

(この人バカなの?え?本気でバカなの?本当に師匠??)

(適当が服着て歩いてる・・・)

3人ともずぅーんとした絶望的な眼差しでテキトーなことを言う銀髪教師を見つめる。


しかし銀髪教師はそんなことを微塵も気にしていない様子でにっこりと微笑む。


「さぁ、いまから鬼ごっこだよ!

僕の可愛い生徒たち、がんばって逃げてね」


「「「・・・は?」」」


3人ともあまりの説明のなさに絶句している。


「とりあえず君たちはこれから3日間逃げればいいから。

鬼は赤き龍だけで、白き翼はもちろんのこと、あとは全部逃げるほうね!赤き龍からみんなで逃げるんだよ〜!

ちなみに魔力ゼロになると強制終了ね。

あと赤き龍に捕まっても終了だよ。

君たちはどんな手を使ってもいいから、とりあえず赤鬼さんからアカデミーの中を逃げ回っていればいいよ」


「・・・。」


そして手をパンと叩くとこう付け加えた


「あ、あと赤き龍はこの鬼ごっこで魔力をこめた赤い首輪つけてるんだけど、それを解除すればその赤鬼は君たち側になるよ。つまり、君たちを守る役になるってこと。これってめっちゃ有利なルールだよね!

がんばって解除してね〜あはは!」


「その首輪はどうやって解除するんですか」


冷静な声でロランが尋ねる。


「初歩的な解除呪文だよ。首輪に触れるか、魔力を当てるかして『開け!さすれば我は行かん』と唱えればOKでーす」


(いやいやいやいや!全然簡単じゃないから!!)


「ふぅーん。すごく単純なんですね。わかりました。」


(えっっ!ロランは余裕なの?)


「まぁ、俺は姿消しで隠れておこうかな」

「えっ!リューは『姿消し』使えるの?」

「ちょっとだけな」

「えっ!えっ!すごい!」

「えへへ。」


「はいそこ!そろそろ赤鬼が追いかけてくるからさっさと逃げた方がいいよ」


「もう?早くないですか?白き離宮ってアカデミーで一番奥まった場所にあるはずですけど」

さすが、貴族のロラン!丁寧な言葉遣いは、服を着たテキトーというべきルカの振る舞いにも動じない。


「あっ!ごめーん。実はもう15分くらい前に開始してるんだよねー!だからさっさと逃げた方がいいよ。」


(お前・・・!!!!!)


この銀髪、適当というより杜撰である。

もはやツッコミさえ馬鹿らしくなる3人であった。


そして次の瞬間、リューの姿が消え、ロランも風のように去っていった。


(え・・・?)


ポツンと残されたアデルは呆然としている。


「あ、アデルは特に気をつけてね。」


にっこりと銀髪が微笑む。


「・・・?」


「君は狙われてるから。とぉってもしつこくて、陰気で嫌味ったらしい奴に」


「は?誰よ?」


意味不明かつ意味深な発言に、思わず師匠にむかって、思わずタメ口をきいてしまったが、ルカは気にしない。


「ふふっ!まぁ、すぐ分かるよ」


そう言い残してルカも消えた。

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