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「ロラン、もう少し光の粒子をしっかり感じ取って、傷口を縫うようにね。」


「はい、先生。」


「リューもなかなかいいですよ。その調子だとあと少しで傷が塞がりそうですね。」


「えへへ。先生ありがとうございます。」

リューは照れくさそうに笑う。


治癒魔法と古代魔言語の先生である、上級魔道士のクラテス先生はとーっても、とーっても優しくてわかりやすい先生である。


ルカのような説明不足も

滝壺に生徒をぶっこんだり、

いきなり黒鬼に襲われるようなダンジョンに放り込む鬼行為もしない!


そうだよ、「授業」ってこういうのだよな!!!


ルカの教え子たちはしみじみ「普通」のありがたさを感じていた。


アデルを除いて。



「・・・。アデル・・・。」


クラテス先生は言葉が出てこない。


かわいそうな子を見る目で、同期2人もアデルを無言で見つめる。


「あーーーもう!なんなのよ!」


アデルの目の前にある傷は1ミリも塞がる気配がない。


アデルが必死に光の粒子を集めて、練り込んでいるが、傷はそのままである。


3人の目の前には、食堂からもらってきたホロホロ鶏の塊がある。

このまま中に野菜や米、ハーブなどの詰め物をして、蜂蜜と塩とスパイスを塗りこんでオーブンでこんがり焼けば、ホロホロ鶏の丸焼きというご馳走になるが、もちろん3人は料理教室を受講しているわけではない。


クラテス先生は、魔法でさっとホロホロ鶏の表面に傷をつけた。

そして、先生は3人に説明しながら、手慣れた様子で治癒魔法を使ってその傷を治す。

アデル、ロラン、リューの3人は、先生の説明を反芻しながら、それぞれ自分なりに傷を治す。


最初は皆うまくいかなかったが、アデル以外の2人はもうほとんどその課題をクリアしつつある。


「なんで?なんで私の光の粒子は言うこと聞かないわけ?

傷を治しなさいよぉ、このコチビ粒子たち(怒)!!!」


美人が怒るととても怖い。

同期はアデルの横顔を見て学んだのである。


「うーん・・・。アデル、君は光の粒子に・・・。」

「舐められてますよね!これ!」

「いや、そうではないようです。」

「へ?」

「どちらかと言うと、好かれていますね。傷を治すより、アデルと遊びたいみたいです。」

「光の粒子が私と遊びたい・・・?先生、熱ありますか?」

「どうもありがとう。私の体調は極めて良好です。

つまり、アデル、あなたは光魔法の属性がありますね。」

クラテス先生はサラッと話す。


「えっ!光魔法!」

「マジかよ、アデル!」

同期が驚愕した目をして、アデルを見つめる。


「まぁ、ほんのちょーーーっぴりね!」


確かに子供の頃、その指摘はされたことがあった。

アデルには光魔法の要素が少しあるらしい。


そのせいで簡単な光魔法は子供の時から使えたし、光の粒子も見ることができた。


「まぁ、でも早くその遊びたいとわちゃわちゃしてる光の粒子たちを手懐けないと、アデル、あなた一生、治癒魔法はつかえませんよ。」


深いため息がアデルから漏れた。

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