表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/61

45

ルカは王宮の奥にある部屋にいた。


部屋というより、トランスルームの中にいるというべきだろう。


「その話は本当じゃな?」


エスメラルダはルカを見つめる。


「間違いございません。」


ルカはそっと頭を垂れて、エスメラルダの言葉をじっと待つ。


エスメラルダは険しい表情をすると、長考に入った。

トランスルームの中は何も音がしない。

ルカは微動だにせず、あまりの静かな空間の中で、自分の鼓動がトクトクと波打つのを感じていた。


どのくらいの時が過ぎたのであろう。


エスメラルダは決意したかのように、顔を上げると、手短に答えた。


「この話、伏せよ。」


その返答にルカは無表情のまま「御意。」と簡潔に返答する。


さらにエスメラルダは続ける。


「アデルの守護者(ガーディアン)はどうするのじゃ?」


「ユキが適任かと。」


「よかろう。」


エスメラルダの琥珀色の瞳が鋭く輝く。


「ルカよ、この話、他言無用ぞ。」


「仰せのままに。この命にかけて。」


そう言うと、ルカはハッとしたような表情を浮かべる。


「帰還したようじゃな。」


エスメラルダはそう言うと、もう話は済んだとばかりに、頷く。


ルカはそのエスメラルダの仕草を見るや否や、消えた。


エスメラルダはそっと魔法陣を使ってトランスルームを解除する術式を組む。


「俺は、会わなきゃいけない人がいるんだ。それが誰かわからない。だけど、会えば絶対にわかるんだ。」


幼いユキの悲痛な告白。

そんな彼も、今や将来を嘱望される、いや、ある意味危ぶまれるほどの優秀な魔導士に向かって歩みはじめている。


そして、アデル・・・。

あの紫の瞳・・・。


「不思議なお嬢さんだのう。」


エスメラルダの呟きだけが響いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ