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マリラは突然自分の前に現れた、うら若き謎の美少女を見つめていた。
アデルというこの美少女は、どうやらアリシア王国の見習い魔導士だという。
しかも、「白き翼」とは・・・。
マリラはこの巡り合わせにある種の運命を感じていた。
逃れることができない、運命を。
「えっ!!光魔法を教えてくれるんですか??」
次の日、アデルはすっかり元気になって、マリラと一緒に外に出た。
なんとマリラは治癒魔法だけではなく、光魔法も使えるらしい。
「だいぶ年季が入っているけどね。」
マリラは紫のローブを纏うと、どこからか大きな杖を取り出した。
マリラが杖を振り、呪文を唱えると、小さな光の粒が現れた。
キラキラとダイヤモンドダストのように輝いている。
「わあ〜きれい!」思わずアデルは叫ぶ。
「さて、アデルよ。」
マリラは左の手のひらを上に向けると、ちょうど自分の胸の高さくらいに持ってくる。
次の瞬間、空中に漂う光の粒子がマリラの手のひらに集まり、光り輝く玉が出来上がっていく。
(これは一体どういうこと・・・?光の粒子が凝縮しているわ)
マリラは微笑むと、アデルに両手を出してごらん、といい、アデルが言われた通り、両手を差し出すと
その光の玉をアデルに手渡した。
驚いたアデルだが、受け取った光の玉はほんのり暖かく、わずかに電流のようなものを纏っているのか、両手が少しビリビリする。
しかし、次の瞬間、まるで風船が割れるようにパンッと割れて、弾き飛んでしまった。
「やはり何も見えていないせいか、コントロールが悪いねえ」
おやおやとマリラはつぶやく。
アデルは再び散り散りになった光の粒子を見つめる。
「え・・?どういうことでしょうか・・?」
マリラはアデルと一緒に周囲に輝く光の粒子を見つめる。
「アデル、この粒子たち集めて、光を凝縮させること、それができるまで、あなたは「見える』ようにはならなだろうよ。」
「・・・?」
「そして元いた場所に戻ることも出来ない。」
「え???」
アデルはまるでお天気の話をするような気軽さで、とんでもない話をするマリラを見つめる。
「だから、がんばることだよ。」
マリラはそう言うと、にっこりと微笑む。
(この微笑み、どこかで見たような気がする。デジャブ???)
アデルの脳裏にはあのムカつくバカ教師の顔が浮かぶのであった。




