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「森・・・ってここよね?」

白き癒し手たちが集う白亜の離宮は、離宮と言われるだけあって広大なアカデミーの中でもとりわけ辺鄙なところにある。


他の属性の宮が利便性が高く、開けた場所にあるにもかかわらず、白亜の離宮は森に四方を囲まれた上に、さらに深くて幅の広い堀と城壁がぐるりと周りを取り囲み、宮というより、さながら要塞のようである。


そのため、宮に入るのも出るのも魔法を使わないと大変なので、移動魔法を使うことになるが、これも登録された者以外が宮に入ろうとすると、たちまち弾き飛ばされ、さらに王立直属部隊が管轄するトランスルームに転移させられた上、怪しい者でないか、徹底的に調べ上げられるらしい。


↑ちなみにアデル以外の同期は、最終属性が発表されてすぐ、お迎えの使者が白亜の離宮からやってきて、使者と一緒に転移魔法で宮に入った。

(ばかアデルは「なんか下級事務官にギャンギャン噛みついています。」と困惑した使者からの報告うけた師匠のルカが「えー!噛みついているの?今年の新入生はワンちゃんなのかなぁ?僕が迎えに行ってくるねー!」「いやいや!貴方様がわざわざ・・・」すでに消えるルカ・・・という流れ)


「森って、宮を出れば全て森なんですけど・・・」

「やはり適当だな、あの先生。」

「まぁ、いいんじゃないんですか?きっとルカ先生は僕たちがどこにいるかわかりますよ。」


「やっほー⭐︎僕の可愛い生徒たち、そろったねー!」

「ほらね。」

ロランはそう言って声のした方に顔を向けた。


そこには白のローブを纏ったルカがいた。


「じゃ、これから授業だから僕についてきてね!」


そう言ってスタスタと森へ入っていく。

3人は慌ててルカの後を追う。


しばらく歩くと、大きな滝が虹を作る、開けた場所に出た。


「このへんでいいかなー?」

「ここは・・・?」

「ここは『龍の滝壺』だよーん♪」

「龍の滝壺・・・?」

「アカデミーの敷地にはいろんな場所があるけど、その中でも有名スポットかな?

大昔に、ここの滝壺の下に龍が封印された、と言われてるよ。

ま、高位の魔道士たちが色々調べたけど、何ひとつわからず、龍の痕跡もでず、どうやら迷信と断定されているけどね。」

「ふーん。」

アデルは大きな滝を見つめる。

滝から放たれる水飛沫が細かいミストになっており、あたりは湿り気を帯びた空気が霞のようにたなびいている。

太陽の光がさすと、空気中の細かな水滴を照らし、乱反射して、宝石のようにキラキラと輝いている。


「確かに幻想的な場所ですね。」

ロランがそう言うのも納得である。


「さてと!早速授業はじめるよー!」


ルカは一段と明るい声を出した。

3人はこの声音を聞いて、ものすごく嫌な予感がした。


「じゃ、滝壺に3人とも飛び込んでね。」


「はぁぁぁぁぁ?」

アデルとリューは思いっきり声をあげた。

育ちのいいロランは何も言わずに絶句している。

ルカといるとこんなんばかりである。


「先生、今日は授業なんですよね?」とロラン。

「ん?そだよー!」

「・・・・。」

「滝壺の下に何があるんだ?」とリュー。

「あ、それは飛び込んでからのお楽しみだよ。」


(いやいやいやいや!!!楽しみなワケあるかい!滝壺やぞ!怖いわ!)


3人は心の中でツッコミを入れる。


「この授業が終わると、3人とも治癒魔法の基礎は大体できるからさ!頑張ってね。」

「?!」

「じゃ、ほぉら!いってらっしゃい♡」

ルカはそう言うと左手の人差し指で3人を指差すと、その指をスイッと右下へ動かした。


あっという間に3人は空中に浮かんだかと思うと、そのまま滝壺に落とされた。


「えええええええええええ!!」

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

「うぉーーーーーーーーー!」


3人の絶叫が響きわたる。

そして滝壺へと消えていった。

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