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「おっ!アデル!」

「お元気でしたか?」

鬼ごっこが中止になったアナウンスがアカデミー全体に流れると、2人の同期も白亜の宮に戻ってきた。


「リュー!ロラン!」

アデルは同期の顔が見えると嬉しそうな声をあげて駆け寄った。


「2人とも大丈夫だった?」

「ええ。僕もリューも元気ですよ。」


「アデルすげーじゃん!あの『黒の貴公子』を討ち取ったらしいな!」


「・・・・・・・・は?誰、それ?」


「えっ!だから、『黒の貴公子』だよ!アカデミー始まって以来の天才魔導士と言われている、影の魔導士!」

「一体どうやって、彼の首輪を外したんですか?」

2人はまるでアデルがものすごい魔導士であるかのようにキラキラした目でアデルを見つめる。


「えっとぉ・・・・。」

(『影の貴公子』って、多分と言うか絶対ユキのことよね?いやー普通に首輪に触れて解除呪文を唱えただけですよー・・・って信じてもらえなさそう。)


「えっと確か、黒の貴公子、名前は『ユキ』って言うんでしたっけ?変わった名前ですよね?」

「なんか東洋の果ての国の出身とか聞いたぜ。ほんとかどうかわかんねーけどな。聞いた話だけど、エスメラルダ様が後見人で、無試験でアカデミーに入学したらしいぜ。」

「リューはずいぶん詳しいのね。」


「赤き龍の友達に聞いたんだ。」(←誰とでも直ぐ友達になれる、純度100%の陽キャ)


「僕が聞いたところによると、すでにアカデミー卒業どころか、王立直属部隊の隊長クラスの実力者らしいですよ。そんな人がなんでアカデミーに入ったんですかね?」(←アリシア王国3大貴族のバルモア本家直系の息子)


(わ、わ、私の同期って、情報網やばい!!)


「で、アデルはなんでそんな人と知り合いなんだ??」


(そんなん私が知りたいわーーーーー!!!!大体知り合いじゃないわよ!!!私はユキのこと何にも知らないんだから!!!)


「アデルは美人だし、目立ちますからね!」

「ロラン、それは関係ないと思う。」

「?」

「多分、人違いだよ。私に似てる誰か別の人と勘違いしてるんだと思う。私はユキのこと何も知らないし、昨日出会った(?)ばかりだもん。」


「????」


リューとロランは顔を見合わせる。


「おっ!やっほー!僕の生徒たちは無事みたいだね。」

「あ、ルカ先生!」

「しかもリューとロランは結構な数の赤鬼たちから首輪を奪ったらしいじゃん。優秀!優秀!」

ルカは、わははは、と明るく笑う。

「そして、アデルはあの生意気な影坊主の首輪をとって、大金星だね!あははは!ユキがあんなに感情豊かな様子、僕、初めて見たよ。」


影坊主、というのはユキのことであろう。

ルカは本当に嬉しそうに笑っている。


「しかし、アデルがユキの初恋の相手とは、びっくりしたねぇ。」


瞬間でフリーズするアデル(もう口きけない)と、母国語なのに言葉を理解できない同期2人がそこにいた。


「あ?はつ・・・こい・・・?」

「先生、ちょっと意味が・・・?」


「あっ!僕ったらつい口が滑っちゃったー!わー!これユキに怒られるなあ。(ニヤニヤ)」


ルカは再び高らかな笑い声をあげると、こう続けた。


「あ、明日からまた授業だからねー!宮の近くの森に集合ね!じゃ、僕はこれで!」


そう言い残すと、ルカは消えた。


ルカが消えた後には

「ねぇ、どういうこと?」

「影の貴公子とどんな関係?」etc

と質問攻めする同期2人と


「だから知らない!あーーもう!許せん!バカ銀髪教師!バカ影!」

と発狂する美少女が残された。

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