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アデルは憂鬱だった。


雲ひとつない美しい初夏の最中、ついに最終結果発表された。

3日間に及ぶ試験を終えて、ようやく発表された最終結果に、晴れて見習い魔導士となった若人たちの歓声や落胆の声がヒバリのように響き渡る。


そのような若いヒバリたちの中で、アデルはひときわ憂鬱だった。


美しい相貌に、光り輝く金髪、そしてすらりとした肢体は周囲から浮いていた。

そして、なによりも珍しい紫色の瞳は、普段の輝きを失い、憂鬱な雲に覆われていた。


しかし、自分の見た目など、アデルにはどうでもよかった。


掲示された「最終結果」に、アデルは自らの名前を見つけた。そして、その横に印されている、白い羽のマークにアデルの目は釘付けになっている。


魔導士の名前の横につけられた、このマークこそが「最終結果」を示すものだ。


白い翼のマークは、その中で最も珍しく、そしてアリシア王国の中でも極めて希少な存在を表す。


アデル・ラ・トラヴィーチェは、「白き癒し手」になったのだ。

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