8.案内ハムスター(ハムゲーター) 誕生
「そうそうハムちゃん、私は魔王なんだよ」
豊は突然カミングアウトをする。
『わぁ~ご主人様、魔王なんハムね~』
あまり驚かないハムちゃん。
「うん。勇者として召喚されたみたいなんだけど、何故か分からないが私だけ魔王だったんだ」
『ご主人様が勇者でも魔王でもアタチには関係ないハムよ~』
「ありがとうハムちゃん。そう言ってくれるのはハムちゃんだけだ」
『照れるハム~』
ハムちゃんはそう言いながら、タンタンと音を立てて何かを入力し始める。
「ん?何をやっているんだい?」
『ご主人様の情報をHC・・・通称HCに打ち込んでるハム~』
「はっ・・・HC・・・」
『アタチは案内人・・・案内ハムスターとチてご主人様を支える義務があるハム~』
「案内ハムスター・・・」
ハムスターの国にコンピューターがあるとは驚きだ。
てっきりヒマワリの花が咲き乱れる、ほのぼのとした世界を想像していたのだが、思ったよりも進んでいるらしい。
『頭の良いハムスターが色々開発チてるハム~』
そのハムスターは自分より頭が良いな・・・。
豊は素直にそう認める。
『ご主人様~。ご主人様のステータスをアタチのHCにダウンロードしたいハム~』
「うん。どうすれば良いのだろうか?」
『情報開示って唱えて欲チいハム~』
「情報開示・・・」
豊はハムちゃんに言われるまま、そう唱える。
『うわ~凄いハム凄いハム~。ご主人様のデータ容量が85GHBもあるハム~』
「85GHB・・・」
『WIHM入ってて良かったハム~』
「WIHM・・・」
こんな世界に召喚されるのではなく、ハムスターの国に召喚されたかったな・・・。
そんな事をふと思う豊であった。
『それでご主人様、その世界では何をするハム~?』
「何をするんだろうなぁ~?」
『世界を征服チますか~?それともヒマワリの種を植えるハム~?』
「ふむ・・・ヒマワリの種を植えるのも悪くないな・・・」
『流石ご主人様は分かってるハム~』
ー ハムちゃんを飼っていた時は、実際に庭でヒマワリを育てていたしな。ハムちゃんはヒマワリが大好きだった。良く一緒にお散歩もしていたし。トテトテと走り回るハムちゃんは可愛かったな。この世界にヒマワリの種を植えて回るのも悪くない。あとは絹だな。絹は良い。スルっと肌に馴染むもんな。お蚕さんはこの世界に居るのだろうか?絹のバスローブがあるくらいだから、お蚕さんも居るのだろう。お蚕さんを飼うか。お蚕さんを飼って、ヒマワリの種を植えて・・・。良いじゃないか。これで行こう。
「ハムちゃん、色々とよろしく頼むよ」
『あいっ。アタチはご主人様の案内ハムスターとチてご主人様を精一杯サポートチますハム~』
豊が訳の分からん計画を立て終わった所で、今夜はお開きとなった。
高機能ハムスター、それがハムちゃん。
ー--
大切な読者さまへのお願い
クスリと笑えた
続きが気になる
ハムちゃん可愛い
と思った方
下の【☆☆☆☆☆】マークをクリックして
評価を頂けると大変嬉しいです。
ブックマーク登録もよろしくお願いします。
「私と君達との約束だな」
『約束なのハム~』
「約束なんだどぉ~」