5.魔王、湯浴みする (注)上級者向け
寝室は10畳程の広さで、窓際には椅子とテーブルが置かれていた。
天井には照明器具が設置されていて、部屋の入口にスイッチもあった。
ー 文明が進んでいるのか遅れているのか良く分からんな。
部屋の真ん中を、大きなプリンセスベッドが陣取っていた。
ヒラヒラと垂れさがるレースのカーテンが風に揺れ、どこか煽情的であった。
「いや、普通の布団で良いのだが・・・」
こんなベッドを見て喜ぶのは女性だけだろう。
プリンセスベッドにおっさんが寝ていても何のサービスにもならない。
「明朝、食事前に起こしに参ります」
メイド服の若い女がペコリとお辞儀をする。
「メイドさん、服が濡れていて気持ち悪いのだが。着替えはありますか?」
「こちらにございます」
質問をするとメイドさんは慣れた手付きで、壁際に置かれたクローゼットを開ける。
中には絹のタオルとか、絹のバスローブなんかが掛けられていた。
ついでとばかりに、メイドさんはどこからか大きなタライを持ってくると、何やら呪文を唱えた。
すると、タライが湯気の立つお湯で満たされた。
「着ていた服は、部屋の外にある籠に入れておいて下さいまし。洗濯をしてお返しします」
「何から何まで悪いですなあ~」
「いいえ。これが私の仕事ですので」
メイドさんが部屋を出て行くのを確認すると、豊は早速、湯浴みを始める。
純白のパンツは穢れを知らぬ生娘の清純さを持っており、それが今、荒々しく脱がされた。
純白の盾に守られていたジャングルの中から、小象がひょっこりと顔を覗かせる。
オドオドとし、どこか卑屈な、あまり戦いを経験した事のないような若輩者を連想させる。
小象は強靭な皮の鎧を身に纏っていた。
鎧によって、残念ながらその表情は伺い知れない。
湯気立つタライの中へ、縮れた毛が生え散らかした足が入れられる。
「あっ・・・」
おっさんの口から艶めかしい声が漏れた。
「あっつぅ~い・・・」
外敵に遭遇した野良猫が逃げるが如く、足はタライから遠ざかる。
おっさんはタオルに湯を含ませると、汗ばんだウナジに優しく当てた。
「ひゃっ・・・」
一瞬、体がビクリと揺れた。
その刺激は匂い立つ腋の下、だらしない胸板に鳥肌を作り上げた。
ほのかに赤身を帯びたウナジより垂れたお湯の一滴が、重力に任されるまま落下を始める。
その雫は、年相応に膨らんだ下腹を小馬鹿にする様に滑り落ちると、やがて小象へと滴り落ちた。
恵みの雨に喜んだ小象は、その顔を上下に揺らした・・・。
☆彡☆彡☆彡
湯浴みを終えた豊は、絹のバスローブに袖を通した。
「ふむ・・・悪くない・・・」
ビジネスホテルにあるような、紙のような薄手のローブでは無く、絹製の滑らかな物だった。
肌触りがまるで違う。
豊はほとほと感心していた。
絹は摩擦する事なく滑らかに体を包む。
その感触は素晴らしく、いつまでもこれを着ていたいと思わせる程だった。
「やはり絹は違うな・・・」
豊は脱いだパジャマと下着を丁寧に折り畳むと、部屋の外の籠に入れた。
お湯の入ったタライも出そうと思ったが、重くて諦めた。
どうやら9999ある攻撃力は、筋力と比例しない様だった。
「さて・・・案内人とやらを決めないとな・・・」
豊はそう呟くと、窓際の椅子へと足を運ぶのだった
湯浴みしちゃうんだよなぁ~・・・。
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