喉の渇きに耐えかねて 諦めきれぬこの想い
勝って来ようと負けようと
露知る事もいささかに
浮世の荒波避けつつも
この身の丈の生活を
いつまで続けて行けばいい
明日の光の戯言も
知らぬが仏で済ましつつ
仏様より女神様
おいでと呼んではくれないか
ほら此処に居る気付いてと
手を差し伸べる筈も無く
陽の猛攻もジリジリと
歩む足取りふらついて
噴出す汗のポタポタリ
喉の渇きに耐えかねて
砂上の丘の灼熱に
足の平さへ焦がされし
針の筵と成りにけり
どうしてそんなに生き急ぎ
永久に求めて彷徨えば
振り返っては立ち止まり
嗚呼こんなにも無力なる
己の足跡見つめてる
遥かに遠い道のりに
焦りを憶えて進まずに
一つ握った砂粒を
放り投げては撒き散らし
何度も何度も叩きつけ
疲れ果てゆく骨と皮
悔し涙を噛み締めて
御天と様を睨みつけ
それでも人で在りたくて
在りし日々の碑を
誰が見つけてくれようか
誰に見つかることもなく
幾千年の長しえに
そこに佇み続けてる
そんな無垢な存在に
成れた暁 妖艶の
生きた証を刻みつつ
そして記憶に刻まれて
語り継がれし伝説の
疑義と矛盾に苛まれ
真偽の意味さえいざ知らず
浅き夢見し漆黒の
砂丘の星に囲まれて
空腹さえも憶えずに
この身のちひささ感じつつ
星の数だけ人々の
語る碑 常日頃
魂にさえ響かずに
風に吹かれて消えてゆく
嗚呼万感の無情にも
弛まぬ日々の歩みとて
意味を求めて彷徨えば
女神でさえも嘲笑う
星の瞬き高らかに
そして漂い虚空へと
人の縁取り逃れては
旅の最果て見据えつつ
それでも女神は見当たらず
のたりくたりと放浪の
行く先々の出来事に
恐れを抱いて拉がれて
這い蹲ってはみたものの
一体何を手に入れて
何をリセットできようか
時の無情の苛みに
どれだけ砂を踏みしめて
足跡つけて翻弄の
旅の軌跡を描きつつ
広い大地に対峙して
ポツリとそこに在りにける
諦めきれぬこの想い
今日も鞄に携えて
希望の光求めつつ
ちひさな己と対峙する
意味など今は考えず
筆を折らずに流離いの
流浪の民と成りにける
それでも地軸は一定に
大気を纏って廻ってる
大きな空のその果ての
遥かに浮かぶ星屑の
隙間を通って漂って
そして宇宙の偉大さに
無垢に真摯に向き合って
祈りを込めて巡礼し
果ての銀河のその外の
次の銀河のその向こう
流れて遥か天の川
三途の川と人の言う
渡ってしまえばもう御仕舞
彼岸に女神を見つけても
まだまだ今は参りませぬ
鞄の名残が重すぎて
立ち往生ですさようなら
そのうち迎えに来ておくれ
僕には未だ叶わない
胸に稲妻持ってます
生き急いではみたものの
彼方に会いはしないから
そう振り向いて後ずさる
時の移ろい放浪の
民の礎洗うよに
砂丘に雨の降りにけり
陽炎漂い消えていた
彼方に見揺るオアシスに
辿り着けない理不尽さ
砂を蹴飛ばし唸ってた
昨日の僕に雨粒の
稲妻さえも叩きつけ
やがて残残降ってくる
打ちひしがれた在りし日の
骨と皮にもふんだんに
ビショビショですよ濡れ鼠
此処がオアシス ユヤユヨン
喉の渇きも潤って
諦め全て流してく
辿り着いたね在りし日の
焦燥さえも諦めの
ジリジリさえもいざ知らず
残残降りです天の川
生きてゆきますその先へ
ちひさな夢の星屑を
鞄いっぱい詰め込んで
帰ってきましたただいまと
胸の女神にお辞儀する
~fin~