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俺のドラムは少女のギターに救われた  作者: べるりーふ
第37章
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リハ順、効率化のために

 午後3時半、休憩時間が終わり、もうすぐリハの時間になろうとしていた。


「スポドリ飲んでも熱いの治らない~。もうブラまでびしょびしょなんだけど......」


 そんな中、PA卓の横で琴実がパイプ椅子に座りながらぐったりしていた。家出てから全速力で部室まで走ったんだもんね、しかも今日の最高気温は32℃だったんだから、拭いても拭いても汗が噴き出るのはもう仕方無いんじゃ......、

 顔色は悪くないから、ちゃんと水分取っていれば熱中症にはならないとは思うけど......、それよりも心配なことが一つあった。


「琴実、ブラ透けてるよ」

「はっ......え? ウソ!?」

「黒なんだ......」

「ちょっ!? 見るんじゃないわよ!」

「見てるんじゃなくて、見えてるの」

「い、いいからあっち向いてて!」


 私が言わなきゃ気づかなかったんだろうな......。それにしても大人っぽい下着、意外と大胆なとこあるんだな......。


「男子の視線は気にしなくていいの?」

「と、取りあえず音琶と結羽歌! 私を囲んで隠すのよ! そうでもしないと許さないんだから!」

「いや、でも、私も結羽歌もすぐリハが......」


 リハはセトリの逆順で組んでいて、本番で最後にリハをしたバンドがすぐに用意出来るように、時間と手間を効率化するのが目的なんだよね。

 今回のセトリは、トップバッターが響先輩達の先輩バンド、LAST EMERGENCY。その次が琴実と響先輩の二人組ユニット、Not Equall。そして、トリが私達のバンド、unknown world。


 トリの私達が一番最初にリハをすることになるから、夏音はPA作業が出来ないし、私と結羽歌も琴実の恥ずかしい姿を隠すこともできない。PAは響先輩が代わりにやってくれるみたいだけど、大丈夫かな? 私、今まで響先輩がそっちの作業しているとこ見たことないんだけど......。

 琴実のお世話は留魅先輩か利華先輩に任せるとして、そろそろステージに向かわないと時間押しちゃう......。


「でも琴実ちゃん、起きた時私が気づかなかったら、下着付けないままここに来てたんだよね?」

「あーそうそう。私も慌ててたからね。もし付けてないままだったら危うく乳首が......って何言わせんのよ!?」

「こ、琴実ちゃんが勝手に言っただけだよぅ......!」

「あ、ちょっと! 2人とも待ちなさいよっ!」


 すっかり琴実は混乱してしまった。でも、ちょっとドタバタしたお陰で緊張は解けたかな? リハに向かう私も結羽歌も足取りが軽い。

 後ろで琴実が何か言っているけど、汗が乾けば下着の色なんてわからない。それに、演奏していれば私も結羽歌も汗だくになって、沢山の人の前で少し色っぽい姿を見せることになるかもしれない。

 でも大丈夫、本番になれば自分の姿が気にならなくなるくらい演奏に集中しているはずなんだから!


「準備オッケーだよ! リハお願いします!」


 機材のセットを終え、5人で響先輩に合図を出した。

 最高のバンドへの下準備、これから始めていかないとね。

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