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俺のドラムは少女のギターに救われた  作者: べるりーふ
第25章
358/572

学祭、上々の幕開け

 10月25日


 食欲の秋、芸術の秋、文化の秋、音楽の秋、そして......、


「学祭の秋!」


 沢山の人で賑わう大学構内を見渡しながら私は両手を挙げて叫んでいた。


「突然どうした」


 夏音が呆れ顔で私を見下ろしているけどそんなのどうだっていい、ずっと楽しみにしていたイベントが幕を開けたんだから。


「だってだって! ずっと前から待ちきれなかったんだもん!」

「そんなのわかってる、俺も一緒だ。ポスターも無事貼り終えたんだからな」

「おぉー、夏音が素直だよー。今日はお腹いっぱい食べようね!」


 昼休みはチェーン店や喫茶店、放課後になれば繁華街の飲み屋を中心として大都市中を2人で巡っていった。

 勿論全てのお店がポスターを受け入れてくれたわけではないけど、目標枚数を遥かに超える数を貼り付けることができたんだ。

 バイトも練習も上手く時間を使ってこなしていって、サークルに入って半年にもなるんだからそれぞれの実力は付いていっていた。

 あとはもう、役者が揃えばこのサークルはもっといい方向に傾いてくれるはずだよ!


「食うことが全てじゃないだろ、もっと大事なことがあるだろうに......」


 ライブ開始までまだ時間はある。午前中だけでもなるべく沢山の屋台に行って、後は自分の全力を出し切っていこう。


「楽しみが沢山あるからこそ学祭は胸が躍るんだよ! 夏音も早くしないと時間無くなっちゃうよ!」

「全く......、まだ始まったばかりだろ......。俺らは屋台ないから集合時間12時からだし、焦る必要ねえよ」


 駆け出した私の手を握り、2人並んで同じペースで足を運んでいった。




 そう、これが私にとって最初の学祭。何年も何年も待ち続けてようやく降り立つことができた夢のような場所。

 例えこの先何があろうとも夏音と一緒に楽しむって決めたんだ、今日明日という日が最高の思い出になりますように......。

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