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俺のドラムは少女のギターに救われた  作者: べるりーふ
番外編 其の六
274/572

二度目の出会いと夏音への想い

 ***


 夏音と初めて出会った日から、私は入学式が楽しみで仕方が無かった。

 入学式が終わった後、それぞれの部室でサークル紹介があって、部室の見学ができるようになっているって、年間行事表に書いてた。

 だから私は私服に着替えたら真っ先に軽音部に向かって、夏音が来るのを心待ちにすることにした。

 してたんだけど......。


 上川音琶:軽音部、入るんだよね!?


 先輩達がバンド練習している間、私は部室の隅で体育座りしながらスマホと睨めっこしていた。

 あの日から、私は夏音に何度も連絡を取っていた。最初の方は一つ返事でも返信があったし、たまに簡単なスタンプが送られてくることもあった。

 でも、いつからか返信が全く無くなって、既読が付くだけになっていた。

 だから私は、何度も何度も、夏音に......、


 上川音琶:返事くらいしてよ!

 上川音琶:何かあったの?

 上川音琶:私、入学式終わった後部室行くから!


 私だって必死だった。これを見て夏音がどう思うかなんて、考えてもいなかった。

 でも、これだけ送っても、夏音は私をブロックなんてしなくて、ちゃんと既読を付けてくれていた。だったら、直接会って返事を聞くしかない。

 これでも私は、諦めが悪いんだから。


 そして再会の時は、訪れてくれる。


 部室の扉が開き、初めて会った時より少し窶れた夏音が姿を現した。

 でも、私がずっと会いたかった人、その人が瞬時に私に視線を向けてくれたのが嬉しくて仕方なかった。

 だから......。



「やっと見つけた!」



 周りに誰が居ようと関係無い。私は、会いたい人が目の前に現れたことが嬉しくてたまらなかった。

 会いたい人が大切な人になって、大好きな人になる瞬間をこの先感じることになる。


 出会えて良かったって、思えるだけで、私は幸せだった。

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