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俺のドラムは少女のギターに救われた  作者: べるりーふ
第16章 不完全感覚Drummer
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リズム感、本物とは違っても

「うぅん...、お腹きつい...」


 あれだけの量を残さず食べたから、私の胃袋は悲鳴を上げていた。当の音琶ちゃんはまだ食べ足りないくらい余裕がある感じだけど、私はもう限界かな。デザートを食べる気力も残ってない...。

 二人で店を出て、適当に歩き始める。


「ね、次はどこ行こっか!」


 食べたかったものが食べれて満足したのか、音琶ちゃんは上機嫌だった。でも...、


「音琶ちゃん、その前に、フリスク噛も?」

「え、うん。そうだね」


 水を飲むだけじゃ脂っぽさは消えないし、何より知り合いに会うかもしれないこと考えたら健康面は気をつけないといけないよね。でも音琶ちゃん、全く気にも留めず行動しようとしてたような気がしたけど...。

 音琶ちゃんにフリスク一粒あげて、私も一緒に食べる。さっきまでこってりしていた口の中が一気に冷たくなって爽やかな感触に包まれた。これで少しは大丈夫かな。


「もしかしてだけど、私が言わなかったらそのままどこか行くつもりだった...?」

「んー?そのつもりだったけど」

「音琶ちゃん...」


 デリカシーの無さに思わず私は呆れてしまった。何となく、夏音君が音琶ちゃんに厳しかったりする理由が分かった気がする。別に、音琶ちゃんは女の子特有の甘い匂いするから変な感じはないんだけど、人なんていつどのタイミングで容姿が変わってしまうかわかんないんだから、身だしなみは大事なんだよ...!


「もう少し、女の子としての自覚持った方がいいかもね」

「え、私男っぽい!?」

「そんなんじゃなくて...、音琶ちゃんは充分に女の子だけど...、身だしなみとか...」

「......」


 少しはそういうの気にした方がいいんだよ、私の言ってること伝わるかな...?


「どうしたらいいかはわかんないけど、気をつけてみるよ」

「......」


 何言ってもダメかな...?お節介だとは思われたくないからこれ以上は言わないけど、少しは今の会話思い出してくれたら嬉しいな。


 ・・・・・・・・・


 楽器見たり、本屋行って漫画買ったり、ゲームしたり、ご飯のことはいつのまにか忘れかけてしまうくらい楽しんでいた。そんな時...、


「こういうゲームって、みんなギターの方に流れ着いてベースってあんまりやらないよね」


 唐突に音琶ちゃんがギターの音ゲーを待っている間にこう言った。確かに、ギターやピアノ、ドラムの音ゲーは遠目でも目立つけど、ベースのはそんなにって感じがする。そういえば、DJの音ゲーもあったような...。


「セッションする?」

「う、うん。簡単モードでしかできないけど...」

「大丈夫、私もそれでしかできないから」

「えっ...?」


 音琶ちゃん、あんなにギター上手いのに、簡単モードでしかできないの...?


「ゲームと本物は別物だからね。譜面もちょっと違うとこあるし、結局は機械の譜面と人間の譜面じゃ弾き方も色々変わってくのかな」

「......」

「ハードでできたら楽しいけど、あんま練習したことない曲も多いからね。知ってる曲多くてもなかなかできないの現実がちょっと辛いかも」


 辛いとは言ってたけど、音琶ちゃんは笑顔だった。なんだろ、やっぱり感覚が違うと理想とかけ離れちゃうのかな。初心者の私にはまだまだ難しい話なのかもしれない。


「それに、大事なのはリズム感だから、敢えて簡単でやって高得点狙うのもある意味いい練習だと私は思ってるよ」

「そっか、難しいだけじゃやろうと思えば誰だってできるもんね」

「うん、大事なのは結果だし、バンドマンにとっても絶対音感は不可欠なんだよ!」


 自信あるんだな...。でも良い練習になるかも!これから定期的にここ通って音感鍛えていこうかな?


「空いたよ!やろっか。どっちでやる?」

「えっと、2P側で」


 機械を肩に掛けて、...って言ってもゲームであること覗けば本物と手順はあんまり変わらないかな。あれ?でもこれ、どうやってベースに切り替えるんだろう...、画面に表示されているのは『Guitar 2』って文字なんだけど...。


「音琶ちゃん...」

「あ!ごめん。これには切り替えコマンドがあって...」


 そう言って音琶ちゃんは2P側の弦を操作して、『Bass』に切り替えた。


「あ、ありがと...」

「ううん、曲決めちゃおっか」

「うん...!」


 弦を上下させると選曲されるシステムで、誰もが知っている曲や、今流行のバンドの曲が入ってたりして、迷ってしまいそう。残念だけど、RefLectの曲は入ってなかった。


「なんかやりたいのある?」

「えっと...」


 難易度とか、一応簡単モードでも侮れないよね。簡単モードの中でも特に簡単なの選んで、それ且つ私が知っている曲を...、


「これで...、いい?」

「お~、いいじゃん!やっぱ結羽歌センスあるよ!」

「そ、そうかな...?」


 誰もが知ってそうな曲を選んで、難易度も簡単にして、画面が切り替わる。小説線が上から下に流れていって、暫くしたらノーツも流れてきた。長方形の枠に収ったら同じ色の部分も弾いて...、あれ...?


「えっ...」


 判定は『Miss』だった。変だな、確かに当たったはずなのに...。気を取り直して、次のノーツは逃さないで...、


「やった...!」


 何とか判定枠には収ったみたいで、『Good』の文字が表示された。この調子で頑張れば...、


「あれ...、えっと...、うぅ...」


 本当にこれ、簡単モードなの...?簡単にしては弾く部分多い気がするし、スクロールが少しぐちゃぐちゃしていて見づらいような...。

 音琶ちゃんがなんとか最後まで弾けていたから完奏にはなったけど、ソロプレイだったらクリア失敗だよね...。


「音琶ちゃん...」

「大丈夫だよ、私も全然ダメだったし」


 ダメとは言ってるけど、それなりのスコアだったし、判定も『Great』が多い気がするけど...。やっぱり、ハードモードじゃないと満足出来ないのかな...?


「ね、次は私選んでいい?」

「うん、いいよ...」


 気を遣ってくれたのか、音琶ちゃんが選んだ曲はさっきのよりは難しくなかった。でも、やっぱり納得のいかないリザルトだったから、もっと頑張らないと...!

 確かに本物とゲームは違うかもしれないけど、簡単モードで手こずるのなら、私はまだまだってことだし、リズム感掴んでいかないとだよね...!

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