表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

幻想 日之本

作者: 低学歴snob

世界設定案です。今連載いているものが終わり次第、連載するつもりの裏設定みたいなものです。

【錬金術】卑金属を貴金属に錬金させようと試みる術。…


広義には、様々な物質、肉体や魂なども対象とし、それらをより完全な存在へと錬成する試みを指す。_


古代ギリシアに起源を持つとされ、エジプトからイスラム世界へと伝わる。イスラム錬金術がヨーロッパへと渡る。11世紀半ば、『Morienus』という錬金術について記したものを、チェスターのロバートによってアラビア語からラテン語へと翻訳された『錬金術の構成の書』。これを皮切りに13世紀以降、西ヨーロッパにおいて錬金術が大きく発展することなる。様々な実験と試行錯誤を繰り返し、化学延いては近代科学の礎となった。_




これが、正史である。


____________________________________________________________


しかし、歴史とは得てして時の権力者によって捻じ曲げられ、その者の都合のいいように記されるものである。


錬金術等もまた然り。


13世紀から16世紀に発展した錬金術は、17世紀後半にロバート・ボイルによって四大元素が否定され、33の元素や「質量保存の法則」の発表により近代化学へと変貌を遂げる。


錬金術などの衰退と同時期、最盛期を迎えた出来事がある。


“魔女狩り”_


魔術は古代から悪とされてきた。魔女狩りは、12世紀以降キリスト教会の主導によって行われる。16世紀後半から17世紀にかけて魔女熱狂、若しくは大迫害時代と呼ばれる。悪魔と契約してキリスト教社会の転覆を目論んでいるとし、白をも黒とし処刑された。


“世界的非科学術廃絶”_


それが“錬金術の変貌”と“魔女狩り”の実態だ。そして、その一部に過ぎないのだ。


西洋で盛んに研究された【錬金術】や【魔術】。これらによって(もたら)される“結果”と“原因”は、近代科学に於ける各保存則に反する。


“求める結果”。つまり、“非科学術”によって引き起こそうとする事象は、それに対する思念の強さと払われた代償や犠牲によって“実際の結果”に大きく差異が生まれるのだ。


1のエネルギーから10を、100を生む。額面上だけならば、現代のエネルギー問題を矢庭に解決してしまうようにも見える。しかし、事はそう簡単なものではない。


第一に非科学術の素質を持つ者の少なさ。魔女狩りが行われた時代の為政者のほとんどは術の素質を持ってはいなかった。このあたりも世界的非科学術廃絶の要因となる。もちろん素質を持つ者もいた。だが、彼らも廃絶を進めたのだ。


第二に非科学術の不安定さ。歴史的にみると、占星術などを国家運営に取り入れていた例は少なくない。だが、現代の国が取り入れていないのを見ればその精度はどれ程であったかは想像に難くないだろう。なにより、魔術などは先に述べた通り結果に対し思念、つまり思いや感情の強さが影響する。また、その結果も想定通りとは限らず、下手を打てば自身に返ってくるのだ。人を呪わば穴二つというやつだ。国家運営をする者が激情に身を委ね、あまつさえ不安定な結果に頼ることはしないだろう。そのような者がいたとて、その国の寿命は知れている。


第三に危険性。どれだけ賢く国を治めようとも、やはり川の流れ同様大きくなればなるほど(よど)みが生まれる。富める者が生まれる。貧しき者が生まれる。()える者が生まれる。そうした者達の怨嗟(えんさ)は次第に国へと向うだろう。力も何も持たざる者達が(すが)るのは、“呪い”といった非科学術しかないのだ。大抵は上手くはいかない。しかし、下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる。武力も軍事力も持たない者によって、一夜にして国が滅ぶ。非科学術はそんな危うさを秘めている。


これが、世界的に廃絶が進んだ背景だ。_


____________________________________________________________



世界的非科学術廃絶が水面下で進められ始めたのが12世紀。本格化したのが16世紀以降である。その変遷の中で、錬金術や魔術に関する書物もまた写本される度に内容がソレとわからぬよう書き換えられた。


『イル・ミリオーネ』または『世界の記述』という書籍もその一つだ。時代の変遷と共に内容が変わっていった。


非科学術の廃絶。世界から不思議が取り除かれる中で、その書籍には最後の楽園について記されていた。その国の民の大多数が非科学術の素質を持つ。非科学術、西ヨーロッパにおける錬金術だ。卑金属から貴金属を莫大に生み出す国という意味でこう記されてた。


“それは、カタイ(中国北部)の東の海上1500マイルに浮かぶ独立した島国。_



『黄金の国 ジパング』



その書物には幾つもの別名がある、その一つが『東方見聞録』。


____________________________________________________________


最後の楽園にも世界から遅れること一世紀。世界的非科学術廃絶の波が、黒船が訪れた。開国を迫り、日米和親条約交渉の裏で非科学術廃絶に関する密約が交わされていた。


内容は無論非科学術の廃絶だ。当時の日本で【(まじない)】と呼ばれた、妖術や呪術を消し去ること。


そして、日本の歴史からも不思議が消えた。過去は、歴史は逸話や神話として千切れて残った。_



____________________________________________________________


これは「(まじない)」に溢れ、歴史に記されなかった“名前のない時代”の話。_


意味の分からない、こじつけのような話を最後までお付き合いいただきありがとうございます。


反応が良ければ連載を始めると思います。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ