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アイアンゴーレム

帰る道中もなにかに襲われることなく無事にラカハイへたどり着くことができた。


途中の野営時に狼の遠吠えが聞こえたので警戒はしてたんだけど襲われることはなかった。


ラカハイに着いたのはお昼すぎぐらいだったので馬車屋へ馬車を返しに行って、そこの待合席で冒険者への報酬を手渡した。



まずはジェイクさんへ1ゴールドを渡した。


「楽勝な仕事でこれだけもらえるのは、ちょっと気が引けるが契約は契約だからな。ありがたくいただくぜ」


そう言って受け取ってくれた。その後シャイニングホライゾンへ挨拶してから早々に帰っていった。



次にシャイニングホライゾンだ。


「いやぁ、結局何も出なかったのにこの報酬額はなんだか悪いなぁ」


皆に90シルバーずつ渡してからタルバガンさんに半ゴールドを渡した。


「これは?」


「うちの師匠から馬車持ち込みで助かったから、これを打ち上げのたしにでもしてほしいとのことです」


「あー、遠慮しても何だから受け取りますね。馬車持ち込みは仕事獲得のためのアピールと自分たちの生活向上のためなんですけどね」


「まあそれでも皆さんの分をこっちで用意するよりはずっと楽ですしね。今後も物資を持っていくこともあると思うのでその時はよろしくです」


モヒカンの屈託のない笑顔をいただいた。


「ええ、こちらこそお願いします。優先して引き受けたいぐらいですよ。また声かけてください」


タルバガンさんと握手してからシャイニングホライゾンと別れた。



「ユーリア、帰ろうか」


「うん、帰ろ」


早く町に帰るのを優先したので昼を食べていなかったから屋敷に帰る前に広場によって屋台でご飯を食べた。



「ただいま」


「おかえりなさいー」


子どもたちとシムーンさん、ロメイさんが出迎えてくれた。


「あら、クレイトさんはいらっしゃらない?」


シムーンさんが真っ先に質問してきた。


「ええ、エテルナ・ヌイに用事があったらしく残ってきました」


「あら、そうなんですか。それじゃ皆でお湯の浄化をしましょうか」


「どうかしたんですか?」


「ええ、子どもたちも男たちもだいぶと汗をかいたので今日はお風呂にはいろうということになってたんですよ。クレイトさんも帰ってくるだろうし、と」


「何かされたんですか?」


「はい、屋敷の庭に畑を作りまして。今後は屋敷にいる子どもたちと男たちで管理していく予定です」


おー、なんか以前言ってたな。


「なるほど、俺もピュリフィケーションは使えるから、やる時は呼んでください」


「わたしも使えるよー」


「そうなんですね、これだけいればクレイトさんがいなくても浄化できそうですね」



「あ、クレイトさんがお帰りになられたら改めて報告しますが、リュウトさんにも」


ロメイさんが何か報告あるらしい。


「なんでしょう?」


「はい、魔法の素質の件なのですが、フィオナとエドガーが魔法の素質を持っていました」


「おー、他に二人もいたかー。良かった」


「ルクスはまだ幼いので調べていません。今素質があると分かっても魔法覚えれませんしね」


「分かりました。引き続き魔法に関することはロメイさんにお任せしますよ」



「報告は以上です。夕食までごゆっくりしていってください」


「ユーリア、遊んで来るかい?」


「リュウトは?」


「俺はちょっと疲れたから昼寝でもしておくよ」


「そっか。じゃあいってくるー」


別に寝込むほど疲れてはいないが、こうでも言わないと気を使ってしまうからな、ユーリアは。



二階に上がって本でも読んでおくか。


二階の俺のために用意してくれた部屋に入り、アポーツで以前のモンスター辞典みたいな本を呼び寄せて読み出した。



おっと、読んでるうちに本当に昼寝してしまったようだ。


下に降りるとちょうど夕飯の準備が終わったところだったので、夕食をいただいた。


食べ終えた後、風呂の浄化をユーリアとロメイさん、シムーンさん、モーガンさん、ファーガソンさんとパトリシアで行った。七人がかりでやるようなことを一人でできてしまうクレイトさん、まじ魔力半端ないわー。


水を綺麗にした後ジャービスさんが風呂を沸かしてくれたので、俺もルクスの世話係として入らせてもらった。


風呂から上がったあとは着替えて子どもたちの話し相手になった。

皆町の外に出たことないみたいだし、俺が馬車に乗ってエテルナ・ヌイに行った話だけで盛り上がった。

状況が整ったらこの子たちを連れてエテルナ・ヌイに行きたいな。


ユーリアのおにいちゃんだったと言う子はこの子らにもおにーちゃんだっただろうし。



子どもたちが寝る時間になったので俺達も小屋に戻ることにした。


ジャービスさんについてきてもらって周りに誰もいないことを確認してからコマンドワードを唱える。


……おう、けっこう魔力持っていかれたな。しかし無事に転移門は開いてくれた。


「ありがとうございました、ジャービスさん。しばらくはクレイトさんがいないので突然こちらに来ることになると思うので、いつも以上に誰も近づけないよう気をつけてください」


「はい、もちろんです。それじゃおやすみなさい」


「おやすみなさい、ではまた」


「おやすみなさいー」


ユーリアと手をつないで転移門をくぐる。いつものクレイトさんの部屋に戻ってきた。部屋の中に変化はない。本が一冊抜けていたけど、今元に戻した。


部屋から出ると広間に義体を椅子に座らせたドゥーアさんがいた。正直一切気配はなかったからびっくりした。そういえば護衛で来てもらうようにするとクレイトさん言ってたっけ。



「おかえりなさいませ、ユーリア様、リュウトさん」


「ただいまー」


「すいませんねドゥーアさん、またこちらにきてもらって」


「いえいえ、全く構いませぬ。クレイト様がお帰りになられるまで私がここにおりますので、どうかご安心ください」



「クレイトさんは一人でリザードマンのところへ?」


「はい、ケリスが着いていくと主張したのですが、エテルナ・ヌイの守りが薄くなるのを恐れ、またクレイト様なら単独の方が動きやすいとのことでして」


まーそうですよねー。


不意討ち騙し討ちでもクレイトさんがやられることはないだろうし、いざとなったら死の瘴気だっけ?

それ使えばすむことだしな。


その際は逆に周りに誰も味方はいない方がやりやすそうだ。


広範囲攻撃魔法もたくさん知ってるっぽいし。

あの戦いの時はゲームでもあまり見たことないような魔法も使ってたものな。


「そうなんですね。それじゃまたお願いします。俺らはもう寝ますね」


「わたしも寝ますー。おやすみなさい」


各々の部屋に戻って寝た。



次の日は何事もなく終わった。


流石に一日ではクレイトさんも帰ってこなかった。


明日か明後日ぐらいじゃないかな。

朝方はエテルナ・ヌイへ行っていつものをこなし、午後は畑の様子を見に行くと称してユーリアを連れて屋敷に行った。

目的はもちろんユーリアに友達と遊んでもらうためだ。まあ実際に畑の方も気になったし。


なんでも土を庭に運び込んで豊穣の魔法をモーガンさんにかけてもらったそうだ。

豊穣の魔法とかあるんだな、と思って聞いてみたら土質を向上させ病気や寄生虫に強くする効果があるらしい。

そんな便利な魔法があるのか。


ここ魔法さえ使えたら元の世界以上に発達した世界なのかもしれない。



夕食は屋敷でいただいたが、今回は時間があったのでビルデアさんの手際を見るために料理を手伝わせてもらった。


なんというか器用さの時点で真似できないということがわかった。

あんなに早く皮剥けないよ。

ただ味付けのコツ、みたいなのとか火力の調整の仕方のコツなどを教えてもらったので、技術向上の役には立ったかもしれない。


夕食を食べたら片付けを手伝って小屋に戻って寝た。



更に次の日、朝にエテルナ・ヌイへ行ったが、まだクレイトさんは帰ってきていないようだった。


グーファスはさっそく鍛冶道具と手斧を使って大きな斧を作成してるようだった。


薪を買わなくて済む生活が近づいたかもしれない。


ユーリアがいつもの作業をしている間、見て回っていたら黒く見えるゴーレムが広場の近くにいたので近づいてみると、どうもアイアンゴーレムみたいだった。


いつの間に作ったんだ。


そういえば普通のストーンゴーレムも南門と東門それぞれ二体だったのが北門にも二体いた。


ドゥーアさんに聞いてみたらアイアンゴーレムや増えたゴーレムはクレイトさんが出かける前にさっと作ったらしい。


ちなみにアイアンゴーレムの中にはゴーストではなくファントムがはいっているそうだ。


アイアンゴーレムは歩哨に立たせず広場の番人にするらしい。


広場からならどの門へもすぐに行けるしな。

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