エピソード:1
ここは・・・・・・
私は・・・・・・・
分からない・・・・・何も・・・何が・・・
何が分からないのかも・・・・・分からない・・・
暗闇の中で、私の意識は朦朧としていた・・・
ここは何だろう・・・
辛うじてある意識の中で、そんな事をずっと考えていた・・・
いつから考えていたのか、どれほどの時間こうしているのか
私はただ、暗闇の中で朦朧としていた・・・
ドクン・・・
ドクン・・・・・・
何かを感じる・・・
遠く離れた所から・・波の様な・・・
気の・・・せい・・・?
ドクン・・・
ドクン・・・・・・
いや・・・・・・感じる・・・
ドクン・・・ドクン・・・
ドクン・・・・ドクン・・・・
その波に共鳴するように、私?からも感じる・・・
ドクン・・・ドクン・・・ドクン・・・
確かに感じる、鼓動の様な・・・
ドクン・・・ドクン・・・ドクン・・・ドクン・・
・・・
・・・・・
・・・・・・・ドクン!
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
段々と、意識が覚醒し始める。
ゆっくりと肺を動かし、呼吸をした。
まず空気を感じた。
そして、五体の感覚が感じとれる。
頭・頸・胸・手・足
私のものだとはっきり感じる。
・・・・・
慎重に目を開く・・・
青い・・・白い・・・眩しい・・・
空が見えた。
ゆっくりと起き上がる。
そして空の下には、荒野が広がっていた。
何もない、枯れ果てた大地。
「・・う・・・・・・・・・」
理解が追い付かない・・・
辺りを見渡す・・・
私がいる所は、半壊しているけどカプセルの様な物の中
そして、前方は、まるで内部から吹き飛んだ様に半壊した建物から荒野が見えていた。
カプセルの後方は無事・・・
「・・・・・」
やはり理解が追い付かない。
カプセルから出てみた。
半壊したカプセルのガラス越しに自分と思われる姿を確認した。
「・・・少女」
顔立ち、体のライン、間違いなく少女だ。
腰の長さまである、白銀の髪。
前髪の隙間から見える、透き通った水色の瞳。
「・・これ・・・私」
カプセルの下に目をやると、文字が掘ってあった。
【La vie】
「ラ・・ヴィ・・・」
服装は全体的に黒っぽい。
そしてなにより気になった、右腕の黒い波の様な模様。
そこからは、自分の腕なのに禍々しい何かを感じる。
「何・・これ・・・」
ここに居ても拉致があかないので、とりあえず外へ出てみる事にした。
「・・・・・」
やはり、何もない枯れ果てた大地。
唯一あるのは、半壊した建物。
そこに少女ひとり・・・
私はそんな風景を見て、途方に暮れていた。
「何も・・分からない・・・」
何ひとつ理解できない。
けど、何かを取り戻したいと言う、感情は強く感じていた。
それが何かが分からないけど、私に必要なものだと
私にはなぜか確信があった・・・
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・いこう・・・」
結局何かを思い出した訳ではないが
私は、荒野へ歩みを進めた。