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ベルゼブブ その5

「ベルゼブブめ。こんな真面目そうな男の体に封印を施すなんて何考えてるんだ?まあおかげで失態続きのサタン・マモン・レヴィアタンより強く復活出来そうだがな。アスモデウスも満足のいく復活が出来そうではあるな。なあアスモデウス?」

「なんなの!?この小さい体に幼女体型は!!まったく!!・・・ってあらベルフェゴールあなたも復活の兆し?奇遇ね。まあ依り代の関係かしらね?はぁ・・・今すぐこの体を・・・ん?ああ!それならよかったわ」

「やっと貴様ら復活したか。一年近く経つのか?我々の魔王城に乗り込んできた日本人PTペロロンでも見込みのあったクママとノッホを依り代にさせてからな」

「失敗したと思ってかっちり一致しやすいやつを依り代にしたら格下如きに負けてるからね~。やはり真逆のような性質でじっくり復活したほうがよさそうだね」


常闇の部屋に円卓が置かれていた

そこには7つの椅子が用意されていたが、3席ほど空いている

そしてそこに座っていたのが、ベルゼブブ・ルシファー・ベルフェゴール・アスモデウスであった


「しかし真逆もいいところすぎやしないか?アスモデウスとかかなり可愛そうじゃないか!俺は怠惰出来てよかったが」

「そうよねえ。こんな体で魅惑なんて出来るわけないじゃない!」

「おいおい。落ち着け。復活すれば体はノッホ本体のほうを使っていいよ。クママはそのままだから融通利かないけれどね。ノッホの魂を無理やりどうじちゃんの妻・ヤエに転移させたからね。ノッホ本体は結構体型よかったはずだ」

「ヤエちゃんの魔力半端なかったからつい遊んじゃった~。けどいいよね?ああ、復活遂げたら何しようが自由だよ~。僕に逆らってみても・・・ね。ヤエちゃんの体使わないならお墓に戻すよ?それが元契約者への情けってもんさ」


ベルフェゴールもアスモデウスもまさかと言った表情をベルゼブブに見せた

ベルゼブブはつまらなさそうにルシファーを見る

ルシファーはベルゼブブから視線を逸らし何かぶつぶつつぶやく


「ノッホ本体に戻るとしよう!体は持ってきてあるのか?」

「もちろんだとも!というか魔法袋に入れてあるからな。持ち歩きさせられる身にもなってみろ・・・。契約できないからだなど何の役にもたたんのを持たされるのだぞ!」

「はいは~い。そこまで~。とりあえず大詠唱が終わるまではサポートよろしくぅ~。食べてるほうが好きだけどやっぱりたまには運動しなくちゃいけないしね。まだまだ遊び足りないんだよ」

「じゃあひとまずヤエちゃんの体のままで居たほうがよさそうね」

「そうだね~。ノッホ本体はそれほどでもなかった気がするよ。重唱が使えるぐらいじゃなかったかな?本体が弱いから宝の持ち腐れ状態だったよ。だからヤエちゃんの体で遊んじゃったんだけどね」


ベルゼブブはクスクス笑っている

他の大悪魔たちも釣られて笑いだしていた

ベルフェゴール・アスモデウスは元々完全復活を遂げても力ではベルゼブブ・ルシファーには及ばない

だが、ほぼ完全といっていいほどの出来具合だった

そうなるとさすがのベルゼブブもそれなりに苦戦するほどの実力は秘めている

ただベルフェゴールは怠惰であり、アスモデウスは色欲である

アスモデウスはともかくベルフェゴールは動かないのだ


「そろそろ戻りますかね。体の状態は確かめたいから多少運動はするかもな」

「あら?ベルフェゴールが動くとか言ってるわ。おもしろいものが見れそうね」

「はぁ?ベルフェ。お前が動くとか奇跡か!」

「おもしろいじゃ~ん。これも真面目なやつのとこで眠ってた影響かもね~。次の候補も探さないとね~。ね~るーちゃん?」

「ちっ。俺は暇じゃないんだがな・・・」

「あ~あ~。き~こ~え~な~い~」


近づいてくるすさまじいプレッシャー

ベルゼブブ本体の力は想像を超えていた

「舞闘神姫」で近接攻撃は無効化出来そうであったが、いかんせんベルゼブブの本領は魔法戦のようであった

サヤは歯軋りする

クママたちのサポートを得ても実力差があるのは誰もが知りえるところであった


・・・だが逃げるわけにはいかない


レイカを守るために命を散らしたジュピ

ジュピのためにルシファーを倒すことに命を懸けたレイカ

ベルゼブブとの再戦を夢見た月下

オーガ族を守れずその身を捨てたアクア


あまりそういうのは気にしないのだが、ここまでベルゼブブの力を引き出せると思ってしまうことはあった


だがベルゼブブは少しの間動きが止まった

いや・・・クママたちも止まっていた


サヤは息を整えた

体のあちこちが傷だらけだが、幸い骨とかに異常はなかった

「不変。何か向こう変じゃないか?」

「ふむ・・・。我にはわからん!」

「ぺっ」


こいつ・・・まだ寝ぼけてるんじゃないだろうか

サヤの胸にそういう思いが浮かんだ


またベルゼブブが動きだした

そしてクママたちが一気に闇に包まれた


「ノッホ!俺たち・・・」

「クママ・・・。私たちどう・・ち・・・」

二人の人間の意識は深い闇へと落ちていく

そして代わりに浮かびあがる悪魔が二体

「お前は十分働いた。俺の中で怠惰にすごせ」

「あなた嫌いじゃないけど、もう時間なの。じゃあね~」


サヤの前に現れたのは二人の大悪魔

ベルフェゴールとアスモデウスであった

といってもクママとノッホに角が生えた程度である

だが放たれるオーラからベルゼブブやルシファーに近い力を持っていると推測できた


「サヤさん!加勢するよ。一泡吹かせてやろうじゃないか」

「はぁ?そこまでやる気だしてるの?あははは。私も加勢してあげるわ」

サヤの前で大悪魔が大笑いしていた

サヤにとっては全く笑えない状況である


「俺はベルフェゴールだ。クママの中で眠っていた。まあクママは昔一度死んでるからな。俺に感謝して欲しいぐらいだな」

「私はアスモデウスよ。ノッホの中で眠っていたわ。といっても今のノッホの体はいろいろあって違うんだけどね」

大悪魔が自己紹介するが、サヤにとってはもはや理解を超えていた


「はぁ・・・?」

ベルゼブブが迫っているのも忘れたかのような気の抜けた返事だった

そのとき不変が言ってきた

「我々は不滅の存在。人間が存在するかぎりな。だがそれでも復活するための期間であったり、いろいろ必要なのだ。おそらくそんな理由なのだろて」

そう不変に言われて無理やり納得した

「つまり目の前にいるのはもはや別人である。でいいんだよな?」

「そういうことだな」


ルシファーはどっちつかずの形であったが、サヤへのサポートだけは律儀にしているようだった


「おやあ?ベルフェだけじゃなくてアスモもやる気かあ。これは楽しくなるぞお~」

ベルゼブブが上機嫌そうに喋りだしていた

「もう今回動いたら当分は動かなくていいだろう」

ベルフェゴールは軽く体を動かして体を確かめているようであった

「私は早くこの体からおさらばしたいだけ。ベルゼさえ満足すればそれでいいんでしょ?」

アスモデウスは体を見てため息をついている

「サヤちゃんもちゃんと参加するんだよ~。残りは頭の詠唱だけだからね?」

ベルゼブブは頭を指差す

魔方陣が少しずつ大きくなっているのがわかった


サヤはこっそり眠姫を見た

それに眠姫は頷いてみせた


反撃はこれからだ・・・!

サヤは不変刀を持ち構えなおす

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