南西戦争 ルシファー陣営vsヴァンパイア陣営 その9
「不変の動きだいぶ軽そうですね。それでもルシファーと互角ですか。強いですねえ」
「うん~。それにサタンもいるし~」
少し年をとったおっさんと見た目が幼女に近い女性が喋る
「チッ。そんなもんじゃないだろ不変!」
「確かに・・・。本気なのでしょうかね」
切れ長の目をした美人と双子と言われてもおかしくないほどその美人に似た女性が会話を交わす
「あいつ真相知ったらどうするだろうね?」
「どうだろうねえ~。楽しくてしょうがないんだけど~。にゃはは~」
妙に明るい若い女性とフードを被った怪しい女性はどこか楽観的に見ていた
「ルシファー!!」「ミカエル!!」
激しい剣と剣のぶつかり合いで衝撃が生れる
そこへサタンがぼろぼろの両手斧で不変に隙を生じさせるように動く
不変はだいぶ圧されていた
シュトリュの気配が感じられなくなり
レイカは期待出来そうになかったし、サヤも不在
状況を一転させる何かが欲しかった
もう本気でいかざるを得ないか・・・
不変は盾を投げ捨てる
そして右手に剣を持った
いつの間にか左手に秤が持たれる
「いざ参る!」
不変の渋い顔が一層渋みを増したように感じた
ところ変わってレイカ対レヴィアタン
凄まじい剣幕でレイカはレヴィアタンがいるであろう方角を見ていた
そこにレヴィアタンは確かにいた
左手を失ったダメージにより、かなり疲弊していた
「これは生け捕りにするのもちょっと難しくなったわね・・・」
回復に魔力を回しているため、生け捕るだけの魔力確保が難しくなってしまっていた
不意にレヴィアタンはレイカと目が合った気がした
「・・・確かに今・・・。いえ見つかるはずないわ」
何か腑に落ちない感覚に陥った
レイカは急激に力がついているのを感じていた
シュトリュが最後に何かをしたのはわかっていた
だが詳しいことはわからない
未だに複雑な感情が入り混じって整理がつかないけれど、わかっていることは一つ
あの魔女を倒す!
今ならなんとなく魔女の居る場所がわかる
これが実力者なのだろうか・・・?
ジュピに助けてもらい、凍土と鍛え、真祖となり今に至るレイカ
「きっと私はルシファーを倒せる運命なのよ」
レイカは力がついたことで、実力の自信を取り戻していた
そして笑いが込み上げてくる
「ジュピの仇ついに討てるわ!もう誰にも邪魔させないわ!魔女覚悟しなさい!」
レイカはそう言うと一直線にレヴィアタンの元へと向かった
レヴィアタンは焦ってうまく逃げれないでいた
「ちょっと!?もうしばらく大人しくしてなさいよっ!!」
レヴィアタンが気を逸らそうとするが今のレイカには通じない
狂ったかのように笑顔で追いかけてくるのだ
レヴィアタンから見ても異様な光景であった
必死に逃げるレヴィアタンであるが、飛ぶことすら忘れ焦って転ぶ
「観念なさい!シュトリュの仇は取らせてもらうわ!」
転び振り返るとレイカが既に魔法を構えていた
それはもう二度ほど見ていたあの魔法であった
「シュトリュが仕損じた魔法で止めよ!ヴァンパイア・エレメント!」
近距離で直撃したレヴィアタンはそのまま消し飛んだ
その様子を笑いながら見ていたレイカだったがすぐ首をルシファー達の方角へと向けた
「不変まだ生きてるよ・・・ね?こうしちゃいられないわ。私が・・・あいつをおおおおおお!」
レイカの雄叫びが森に木霊した
奇しくもこのトロヘイ大森林とは何かと縁があったレイカ
ここにきてついにかの者たちに届かんとばかりの力を手に入れた
「なんだ?あの雄叫びは!?レイカのような声だった気がするが・・・?」
「なんだと!?レヴィアタンの気配も消えたぞ?」
不変もルシファーもびっくりしていた
サタンに関してはびっくりというより青ざめているように見えた
「くそっ!武器を召喚してもらうはずが・・・。どうすりゃ。って・・・」
サタンが喋っている最中だったが、不変が構わず剣を振るっていた
その剣を直撃したサタンはもはや戦線離脱止むをえないほどのダメージを負った
「ちっ。サタン貴様は下がれ!ここは俺が戦う」
ルシファーもさすがにこれ以上大悪魔達の喪失は避けたかった
思った以上に敵が強かったのか?
ルシファーの考えでは大悪魔達が一人も倒れるとは思っていなかった
だが既にマモン・レヴィアタンを失っていた
ベルゼブブがどう思っているか・・・
受肉による復活はもう期待出来ない
そして統一戦争による人間減少により、魂による復活も難しい
何より復活させてまた消失したので再度復活には時が必要である
「どいつもこいつも・・・。油断しすぎなんだよ!」
ルシファーも珍しく怒りが募る
これも傲慢故なのか・・・
あれこれ考えてるうちにサタンは後方へ退いたようだった
そして全然気にとめていなかったあの女性レイカが見えてきた
「俺達の舞台に上がってきたのか・・・?」
「むう?レイカよ。この短期間で何があったのだ?見違えるほど強くなったみたいだぞ?」
ルシファーも不変も感じていた
レイカがかなり力をつけていたことに・・・
有りえない成長であった
そのことに大天使と大悪魔共にびっくりしていた
だが二人ともその正体に気付いた
元祖の力がレイカにわたっていたのだった
ただ元祖の力だけでそうなったのかそれは解りかねていた
「へえ~。これは面白くなってきたね~。るーちゃんピンチだね~。にゃはは~」




