南西戦争 ルシファー陣営vsヴァンパイア陣営 その3
不変は何かを感じ取っていた
ルシファーに似たあの感じだ・・・
そしてその予感は的中した
背後には倒れたはずのケイトが立ちあがっていた
いや・・・ケイトだった者・・・だ
禍々しい角が生えているだけでそれ以外はケイトであった
だが目からは青い炎が立ち昇っていた
だがその様子に人間達は気付いていないようだった
そして・・・ケイトだった者が口を開いた
「ふぅ。確かに素体としてはまずまずよさそうね。ベルゼブブの割にはよくやったわ」
ケイトだった者は体をまじまじと観察して動きを確認しているようだった
「おい。お主。誰だ!」
不変は尤もな質問をぶつける
「うん?ああお前があれか。ルシファーのおっかけやってるミカエルか。あたしはサタンだよ。何度かやりあってないっけか?」
サタンは頭に指を当てて考えているようだった
不変も考えてみる
だが、サタンと言えば・・・
こんなかわいらしい姿なんかしていない!!
と思っていたことが口に出ていたらしい・・・
「あははは。確かに今までのはもっとごつかったかもね。今回は素体がこれだからこうなんだよ」
サタンはドヤ顔で体を見せつけていた
何故かはだけているので不変は思わず顔を逸らしてしまった
「ふ、ふぅ、ふき。ふきゅをきゅろ」
不変は動揺しすぎてろれつが回っていなかった
「あははは。見た目渋いおっさんだから抵抗ないのかと思いきや、思い切り照れてんの!だからルシファー逃げたんじゃない」
サタンがそこまで言った時だった
ルシファーがサタンに接近していた
「そこまでだサタン。ちょっとお喋りすぎじゃないかな?ひとまずあいつやっつけちゃってよ」
ルシファーは不変を指差す
サタンは舌舐めずりしていた
だがルシファーが出てきたことで不変の顔つきは一変した
「やっと会えたな。まさかお主がこっちの世界に居るとは・・・な」
不変は感慨深い顔つきで喋っていた
今は渋い顔が似合う立ち振る舞いであった
だがルシファーには関係なかったようである・・・
「うるさい!しつこいんだよ!お前には飽き飽きだ!さっさと帰れ!」
ルシファーの口調もいつの間にか変わりつつあった
そんな二人のやりとりをにこにこ見守るサタンであったが
「早く行け!なかなか見つからない良い素体だから十分やれるはずだ」
ルシファーは顔を真っ赤にしながら命令していた
その様子にやれやれとしぶしぶ動き出したサタン
そんな三人のやりとりを見守っていたのがレイカである
隙をついて倒しにいくはずが、相手に強大そうな敵が増えてしまっていた
レイカからは激しい怒りと共に早くやらなかった後悔の念が出ていた
だがその怒りが誤算であった
動き出したサタンであったが、首をルシファーの方に逸らす
「ねえ。あっちに激しい怒りが見えるんだけど心当たりある?」
サタンの好きな感情であった
そう言われルシファーは考える
そして何かを思い出したかのようにサタンに話しかけた
「一人人間の小娘が私にそう言う感情でぶつかってきたな。虫けらだったが・・・。死んだはず・・・。まあどっちでもいいや。こっちは少しだけミカエルの相手してるからあっちから片付けてよ」
ルシファーはサタンにそう言うとサタンはにっこりして頷き
そして宙を舞った
一気に不変を通り越し怒りの目標へとひとっとびしていた
「さて・・・。少しだけ遊んでやる・・・。かかってこい」
ルシファーがそう言うと不変はただ黙って頷く
その頃百夜対ゴゴン
激しい魔法戦が繰り広げられていた
初級から上級魔法まであちこちに展開され、激しい土埃が舞いそして木々は燃え凍りつき突風が舞い起きる
そこに闇の怨念が地中から浮かびあがりゴゴンを狙うかと思えば
ゴゴンは聖なる光を浴びせ怨念を浄化していく
右手と左手で別々の魔法を描いているハイレベルな戦いである
百夜は後方を気にしつつも、ゴゴンに勝っている自信はあった
魔力だけで言えば元祖に匹敵するほどの力を実は持っている
接近戦はたしなみ程度だったのだ
それでクママにも苦戦をしていた
今は完全な魔法戦であり、読みが重要であった
百夜はワザと外し、魔法陣の罠を張りつつあった
ゴゴンはそこまで出来ていないと確信していた
「そろそろ幕を引かせて頂きましょうか」
百夜はそう言うと漆黒に映える赤い目が一段と光り輝いた
ゴゴンは息をきらしながら
「ひぃふぅ。年寄りになん・・・て・・・。ひぃふぅ」
魔力が尽きてきたのか動きも悪くなってきていた
そこへ百夜がたたみかけた
「第二真祖・百夜の名のもとに!この地に駆け巡りし大地とこの地に舞う風よ。この地を燃やしつくす炎とこの地を凍らす吹雪よ。百夜の名のもとにいでよ!ヴァンパイア・エレメント」
ゴゴンの足元が凍りついたと思ったら体が燃えあがり、そして土が体を覆いつくし風が全てを吹き飛ばした
「ふぅ。これでよ・・・?」
百夜は辺りを見回した
確かにゴゴンの気配を感じた
さっき散り散りになったはずである
百夜は読み間違いをしていないはずであった
そのときだった
「くそっこんな体かよ!もっといい体よこせよ!ちっ。目の前のもおんぼろじゃねえか!ベルゼブブのやろう戻ったらただじゃおかねえぞ!」
汚らしい言葉がどこからか響いてきた
そして、土埃が舞ったかと思ったらそこからゴゴンの姿に翼の生えた悪魔が姿を現していた
「てめえが百夜だっけか?よかったな、俺様マモンの復活記念に始末してやるよ!」
そうマモンは言うと生やした翼を利用して一気に百夜に迫る
だが百夜の仕掛けていた魔法陣の罠が次々とマモンに襲いかかっていた
「猪突猛進ですな。もっと慎重に行動すべきですよ」
百夜は冷静にその目でまだマモンが生きていることを確認していた
だがマモンは魔法を気にする様子でもなかった
「ん?ちいっとベルゼのやろうに感謝しないといけないかもなあ。まあ全て頂くがな!」
直撃したはずの魔法は全てマモンが吸収していた
そのことに気付いた百夜はごくりと唾を飲み込む
「・・・若が来るまでもてばいいのですが・・・ちょっと厄介ですな」
百夜は相性が良くない相手になってしまったことに気付いてしまった
そして忘れていた・・・
後方に控えていたレレクの存在を・・・だ




