ドワーフ大迷宮の災難 その2
「元祖・・・?なぜにここに?」
月下が珍しくハイテンションモードなのにテンションが低くなっていた
それに対しシュトリュは微笑みながら返した
「レイカさんのお手伝いさ。何おもしろくなってきたのでね。むしろこっちからするとなぜ月下がここにいると言いたいんだが?」
シュトリュはそう言うと月下を見る
だが悠長に話している場合ではなかった
視線を逸らし過ぎた月下にドラゴンの爪が襲っていたからだ
それに気付いた月下は致命傷は避けるもののそれなりにダメージを受けてしまっていた
「しかし、ドラゴンに喧嘩を売るなんて、おもしろすぎでしょ。僕でも躊躇するのに。あはははは」
シュトリュはまだ悠長に話していた。おまけにドラゴンに見向きもしないで手を額に当てて大笑いしている
ドラゴンもそんなシュトリュの姿を確認したのか尻尾を振るう
直撃したはずだった
だが土煙りが収まるとシュトリュは尻尾を掴んでいた
「僕は元祖なんだよ?月下は真祖。わかるかなあ。ヴァンパイアに関しては血筋が一番なんだよ」
シュトリュはそう言うと尻尾を離した
ドラゴンはそのままシュトリュを睨む
「元祖だと・・・?もうそんな力は残ってないはずだぞ」
ドラゴンの声が響き渡る
そして理解に苦しむ月下以外の面々
そんな中シュトリュが答える
「確かに統一戦争の前に一度力を失ったさ。だけど・・・ね。僕は亡くなった真祖達を回収したんだ。ドラゴンなら理解出来るだろう?」
そう言いドラゴンの方を向く
「・・・そうか。だがな、我はまだ活動期ではないのに起こされたのだ。このまま見過ごすわけにはいかぬ。それに元祖と言えば、嘘つきでも通っておるからな」
そう言うと巨大な爪がシュトリュを襲っていた
それを避けたはずだがシュトリュは傷を負っていた
「それにわかっているだろう?我の力を・・・!」
シュトリュも少し嫌そうな顔をしていた
4大竜はもちろん強いのだが、それ以外もかなり強い
個体数は少ないのだが、討伐を試みる者もいないため減ることもなかった
「力比べする気なのかい?それに僕だけじゃないのは気付いているだろう?ここにいるのは強者のみだよ」
そう言って周りを見る
サヤは前より断然力を増していた
不変もぎこちなさが取れていた
月下は戦い方に幅が出たように見える。尤も要らぬ攻撃を受けて回復におわれているが・・・
隠れているレイカ、ジュッチェもそこまでひどくはない
だがドラゴンは首を横に振っていた
「強者とか関係ないのだよ。我々竜族は縄張りを荒らす者は許さない。ただそれだけだ」
ドラゴンがそう答えると、シュトリュは異変に気付いた
「これはまずい。魔法来るぞ!!」
シュトリュが珍しく声を荒げた
そしてその通り魔法が発動される
凄い熱風が吹き荒れる
そこへ巨大な爪が襲いかかってくる
サヤは不変の後ろに隠れてしのぐ
月下は今建物の後ろに避難しているため平気だった
そしてシュトリュは・・・
「いやはや。これはさすがだね。これはきついわ」
魔法でガードしていたが、竜の魔力は高い
そしてシュトリュは全盛期より遥かに戦闘力が落ちていたのは月下から見て明らかであった
「元祖!退いてください。ここは俺達が!元々俺達の戦いでもある!」
月下がそう言うがシュトリュはにっこり微笑むだけでそのままガードする
「お主も我の後ろに隠れればよかろうに」
不変がサヤを親指で示しながらそう言った
不変は魔法によるガードも何もしていなかった
つまり、それだけ固かった。物理に関しても、魔法に関しても・・・だ
だがシュトリュは首を横に振った
「どれだけ力が回復しているか確認もしたいんだよ。それにこれだけ強いと斬られた目が疼くんだよ」
そう言った時のシュトリュからは、明らかに今まで発したことない強い気を放っていた
月下はそう言ったシュトリュから昔の力が少し戻ってきている錯覚に陥っていた
そう目がまだ斬られていない頃の元祖に
魔法が収まったころサヤが斬りかかっていた
だが弾かれる
並みの剣ならばもう折れていただろうが、刀不変であるため平気だった
そしてサヤに気を取られた瞬間に不変が盾で頭を強打する
だがあまり効いてないように思えた
それもそのはず強打したはずが、そのまま巨大な黄土色の瞳が不変を捉えていた
そのまま不変に向かい火を噴くドラゴン
無傷ではあるが、前が見えない不変は思わず後退するしかない
そして攻撃をはじかれたサヤはまた不変の後ろに退いていた
そんな時不変はサヤを一瞥し、サヤもまた頷いた
その頃シュトリュはどうするか迷っていた
ここで本気で暴れるとどうなるのか不明だったのもあるが、レイカを恐れさせてはいけないと思ったからだった
ここは月下達に任せていようかと思ったが、レイカが強い男が好きだったらと考えてもしまう
月下なんかは普通にしていればカッコイイのだ
尤もピュイアが目を光らせているからそう簡単にはいかないはずだが・・・
不変は渋すぎるからさすがにないだろうとは思う
レイカは日本人だ。単純に強い者が好きなこの世界の住人とは違う
クママから情報を仕入れておくべきだったと後悔する
そんな時不変が動いた
不変が領域を発動させたのだ
ただ前回と違い天使達はいなかったステンドグラスが荘厳に佇むだけだ
だが、ドラゴンもそれに対して領域を発動させた
ドラゴンの領域は4属性が激しくうねりをあげ戦うにはきついとしかいいようがないそんな領域だった
そして領域がぶつかり合う
力が五分五分だったのかお互いの領域が消滅する
その光景に何よりびっくりしたのはシュトリュであった
ドラゴンの領域を消せる人物を初めてみたからだった
神器・悪魔殺しは消すのともちょっと違うので、純粋な力比べでドラゴンの領域を消せるなんて知らなかった
そしてびっくりしたのは不変もドラゴンもであった
不変は勝てる気でいた。ドラゴンもそうだった
お互いにびっくりした様子でしばらく動けなかった
そして二人が膠着している時に不変の後ろに居たはずのサヤが動いていたことに誰も気づかなかった




