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氷晶窟にて その5

鍔迫り合いが続くなかサヤは身動きが出来ないでいた

今はひとまず息を整えることに集中していた


お互いの力が拮抗しているのか全く鍔迫り合いが終わる気配を見せない

だが不変のほうが多少不利なようにも見えた

足場を見ると不変の方が沈んでいたのだ

パッシブスキル「炎鱗」は範囲が短いためアクアには届いていない

しばらくすると不変が「ぬんっ」と言い退いた

そして今度は高速戦闘へと移行する

一合一合金属音が鳴り響いた場所と違う場所に既に移動しているのだ

不変は楽しそうだった

アクアは般若の面が邪魔し表情が読み取れない

この戦闘に参加出来るのか・・・?

そう言った感情がサヤの中に芽吹く

これがおそらくこの世界でも上位同士の戦いということなのだろうが

サヤはなんとか目で追えるだけで、体がついていけるかと言われれば首を横に振るしかない

修行で追いつけるものなのか?

そう思っていた時だった


「サヤよいつまで休んでいる?不変は苦戦しているぞ。俺も参加したいところだが意識を戻すところまでだな今のところ」

月下が意識を取り戻していた

だがアクアによって傷つけられた体の再生はままならずにいた

「悩んでいる必要はあるまい?戦闘が好きであり、戦闘で死ぬことこそが本望であろう?悔しさを力に変えろ!」

月下にそう言われ何かが吹き飛んだ気がした

「チッ。簡単に言ってくれるね。だけど、やはりクママと違って考えるのはだめだな。勘に頼るのが一番だ。体もな」

そう言うとサヤは不変刀を握り締め立ち上がった


「おや?嬢ちゃんも来るのかい?そこで月下の介抱でもしてりゃよかったんちゃう?」

アクアがぴたっと足を止めたので、不変も距離をとり足を止める

「こっちの世界に来てから自信無くしまくりなんだけどね。ベルゼブブを倒すって目標を失いかけてたよ」

そう言うサヤの目には輝きが戻り始めていた

「ベルゼブブ?知らないけど・・・」

アクアがそう言うとサヤと不変は顔を合わせた

「怨血童子が召喚したらしいんだが。親も知らないって・・・」

サヤがそう言うとアクアから得体の知れないオーラが出た

「うちの子が召喚しただってえ?世間に悪さはしてないだろうねえ?」

得体の知れないオーラそれは母のオーラとでも言うべきだろうかそれだった

「悪さも何も・・・。なあ・・・」

サヤはなんとも言えない雰囲気になって不変に助けを求める

「我が聞いた情報だと統一戦争なるものを始めたのは怨血童子らしい。人間達を大虐殺をしたらしいぞ?人間達にとっては忌むべき相手だろうな」

不変がそう答えるとアクアの体がプルプル震え始めた

「その話ほんまやろな?ほんまやったら・・・。あいつの父はに・・・こほん」

アクアは何か言いかけたが止めた

そしてまた動き出していた

「そろそろしまいにしよか!」

アクアがそう言うと、不変も頷いた


鬼水きすいの型・弐」

アクアがそう言い刀を振るう

水が放出されそこから虎の形が出来上がり襲いかかってくる

対して不変は

「大天使ミカエルの名の元に。炎よ我の名に答え敵を滅ぼさんとせしめせ!フレイムス・オブ・ゴッド」

巨大な魔法陣が不変の前に展開されていた

そして不変の形をした炎が虎と相殺されていく

その時サヤはぶつかりあい水蒸気となった戦場を静かに動きアクアの背後に迫っていた

アクティブスキル「一撃必殺」を放つ

アクアは咄嗟に回避しようとしたが般若の面が割れる


「くっはぁ~。うちの面砕くなんていつ以来やろな」

アクアがふらふらと般若の面がなくなった顔を抑えながらサヤのほうを見る

「なっ!?なんで般若の面してるんだ?そんな美人なのに」

サヤは般若の面をしている理由は顔が醜いだろうと思っていた

いや不変も月下もそう思っていただろうだが実際には違った


右目に泣きぼくろがあり、着物と夜会巻きが相まって和風美人と言ったところ

目は澄んだ蒼い目をしており、鼻はそれほど高くないが形が整っていた


だがサヤが顔に見惚れている隙にまた般若の面をつけていた

「代えも万全やでえ。これは話すと長いんや!」

そう言ってるアクアの目の前には不変が迫っていた

そして決着がつく


アクアの刀は不変の鎧を貫き、不変は消えて行った

サヤは不変刀に不変が戻ってくるのを感じた


「なかなか強いおっさんやったな。まあ仕舞じゃあ」

アクアはサヤにも月下にも見向きせずに広間から立ち去ろうとしていた

がサヤが大声を上げていた

「修行つけてくれないか?怨血童子もベルゼブブを倒そうとしている!どうか頼む!」

サヤは日本人ぽい立ち振る舞いをしていたアクアに賭けをしていた

土下座である

アクアもそれを見て、足を止めた

「土下座・・・?まさかまた見る日が来るとはね。じぶんは日本から来たのか?」

アクアの興味をそそったらしい

サヤは賭けに勝った

「そうだ!日本人ならみんな最終奥義として使うであろう最高のお願い方法だ」

サヤは地面に頭をつけたままそう言った

「懐かしいのお。それじゃあ般若の面も知っておろう?」

アクアがそう言いながら踵を返しサヤの方へと近づいてきた

「嫉妬や恨みだったか・・・?」

サヤは記憶をたどってなんとか答えた

「そうそれや。まあうちは意味合い込めて着けてたわけじゃああらへんからちゃうねんけどな?」

サヤは不変に意志疎通を図っていたが反応がなかったため内心は焦っていた

そしてアクアに肩をポンっと叩かれた

「うちの子に話しつけるのは後でもええわ。ちょいと日本について語りあわへんか?」

サヤは呆気に取られていた

だがアクアから殺気は無くひとまず信じるしかなかった

不変も月下も戦闘離脱状態でサヤも一番の大技である「一撃必殺」が代えの効く般若の面を割っただけだったのが大きい


しばらく話して現在の情勢などもアクアに教えたところ

修行をつけてもらえることとなった

サヤにとっては刀の扱いも教えてもらえて大幅な強化へと繋がる

不変、月下も傷が癒えたところで修行へ参加することとなり

目的の第一段階はクリアとなった


修行期間は一カ月であったが、サヤ・不変・月下の強さは格段にあがっていた

特にサヤは刀技を習得も出来たのであった



サヤ達が修行していたころ首都に迫っていたクママ達は異常な光景を目にすることとなっていた

巨大なスクリーンが魔法陣の上より出現していた

そしてそこに映っていたのはトロヘイ大森林で見たベルゼブブが少し成長したような格好である

「なっ?ベルゼブブが何で首都に・・・?」

思わずクママがそう言うとドリィとメッフィが顔を合わせそして笑った

「やだなあ。アイドルグループ・ベルルンですよ?魔法新聞見てればわかるはずだけどな」

ドリィがそう言うと

「今や首都で知らぬ者はいないでしょうね~。それにしてもベルゼブブは倒されたんですからおかしなこと言いますね~クママさんったら~」

メッフィも冗談を言ったのだろうとクママの肩を叩いて笑っていた


クママは先行きに不安を感じながらもその足を首都へと向けた

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