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氷晶窟にて その1

朝を迎えたサヤ・不変・月下はみな食事場に居た

百夜の眷族に換わり原住民が道案内役として迎えに来ていた


「町からすぐです。探索されながら町に戻られますか?」

道案内役がそう訊ねてくると月下が答えた

「・・・いや。食事を詰め込んで行く」

月下がそういうとサヤは顔が少しひきつった

「不変と月下はいいかもしれんが、私はどうなるっ」

サヤが月下に怒鳴り散らしていた

「・・・ああ」

月下がそう言うと不変が不思議そうにサヤを見ていた

「ん?何が不満なのだ?」

ずっと刀だけあり、更に疎かった

「体を洗わないと臭くなるんだよっ。いくらあまり気にしないとは言え・・・」

サヤの顔は多少恥らいを感じていたようだった

「ああ。それならこの町で日常魔法の得意手がいましてね。水を出せるように特訓してもらえばよろしいかと思います」

道案内役が簡単に答えた

「特訓って?簡単なものなのか?」

サヤが近付き胸倉を掴むと道案内役は困った顔した

「子供でも出来ますし。サヤ様ほどの魔力であれば問題ないはずですよ」

サヤは一瞬固まり、道案内役を降ろした

魔力・・・?私に・・・?

サヤの思考がぐるぐるしていた

「如何ですかね?そこまでお時間取らせるようなことでもないですし」

道案内役が月下に問うと、月下は「ふん」とだけいい許可してくれたようだった

「では船着き場に向かいましょう。そこで教えてもらいます」

道案内役はそう言うと「こっちです」とジェスチャーした


「この方、クレレグさんです。この町で教師もしておりましてね。教わるのに最適かと」

道案内役はそう言うと、何やら袋を渡していた

クレレグと言われた人物は中身を確認すると、にっこりしサヤのほうへやってきた

「貴女ですね。ちょっと手を拝借してよろしいかな?」

クレレグがそう言うとサヤは手を出した

「ちょっとくすぐったいかも知れませんが、手の平に魔法陣を描いて水を出せるように致します。後は頭で魔法陣を思い描いて念じれば使えるはずです。歩きながらでも特訓出来ますのですぐ使えるようになるでしょう」

クレレグがそう言うと簡単な魔法陣が手の平に描かれた

「はい。出来上がりです。しばらくは消えないと思います。念じてみてください」

サヤに催促するとサヤは言われた通り念じてみた

手の平に水分が集まりだし、そして見事に噴水の如く水が放出された

クレレグはその様子に驚いていた

「サヤさんは水属性が得意かも知れませんね。初歩でそれだけ出せれば十分と思われます。後は鍛練です」

クレレグがそう言った時サヤの耳にはあまり届いていなかった

なぜならサヤは感激していたからだ

昔クママからいずれ魔法が使えるかもしれませんと言われたことがあったのを思い出していた


日常魔法と言うか水系の魔法を習得したことでクレレグとはすぐ別れた

サヤは時折水を出して喜んでいた

サヤのその様子を見て不変が少しいじけていた

「我はやはり炎なのだろうか・・・」

不変はぶつぶつ言っていた

「そうだろうな。しかしいつの間に魔力なんてついたんだろうな?」

サヤがそう言うと月下が口を開いた

「・・・クママ、ノッホ」

いつも口が足りてないがなんとなく、なんとなくわかった気がした

「魔力が高いやつの近くにいると魔力を帯びるってことなのか?」

サヤの目が輝き口角が上がっていた

「・・・そうだ」

月下がそう言うと道案内役が付け加えてきた

「これから向かう氷晶窟は魔力向上に打ってつけの場所でもあるんですよ。氷晶が魔力を帯びてますのでね」

道案内役がそう言うとサヤの目はさらに輝きを増していた

「なあ?我にも魔力はあるのか?」

不変が月下をこずつきながら聞いていた

「・・・ある」

こずつかれても気にせず月下は答えてくれた

「おお、サヤよ聞いたか!我もいずれ魔法を放てるんだろうか!楽しみだ!」

不変は浮かれて飛んでいたが、渋いおっさんなのでみんなどんびきだった


町からしばらく離れ海岸沿いを歩いていると

「あそこですよ。近いでしょ?」

道案内役がそう言う

確かに歩いて1時間も経ってなかった

「そうだな。道案内ご苦労さん!」

サヤが道案内役の肩をポンっと叩いた

そして道案内役は去っていった


氷晶窟

きらきらした水晶のような鉱石が氷のような形をしているため氷晶と呼ばれている

そして、洞窟にびっしりと埋もれていた

なぜ放置されているのかと言うと、敵が強かったためだ

そしてヴァンパイア達にとっては氷晶は必要なものでなかったため手つかずだった

氷晶窟の敵を一掃することはサヤ・不変・月下の強化と氷晶が掘りだせるようになるという

メリット尽くしのため百夜から勧められていた

そして、ここの奥にはオーガ族でもかなりの腕利きが潜んでいるという噂もあったためだった

オーガ族は強さがばらばらであり、弱いやつはかろうじて領域を出せるものもいれば

怨血童子のように刀の扱いはそれほどでもないが魔力が高いもの

凍土筆頭に刀の扱いに優れ、得意属性を刀に帯びさせるオーガが主流である

その中でも一人、統一戦争前に猛威を奮ったと言われるオーガがどうも住み着いているという話だった

その名は「水牙」と呼ばれていた

水牙は怨血童子の母と呼ばれるオーガであり、強さは元祖に匹敵するとも言われたほどであった

しかし、統一戦争時も戦うことはなく、ずっと表舞台に出ることはなかった


月下がまず入り口に立った

「・・・ふむ」

月下が少し笑った

「これは・・・道が3つ!別れて一番先にボスを倒したやつが勝ちでどうだ?」

不変がそう言うとサヤと月下の目が変わった

「いい・・・。それいいな!敗者はどうする?一週間ぐらいぼこぼこにされる刑とかか?」

月下のテンションが既に変わっていた

「私はもっと違うの考えておくよ」

サヤも真面目な顔をして考え始めていた

「それじゃ別れるとするか!我が一番なのは間違いないがな。はっはっはっ」

不変はもう勝った気でいるようだった

「チッ。後で吠え面かくんじゃないよ?」

サヤが唾を吐き捨てて不変を一瞥していた

「ふん!サヤには負けんな!」

サヤと不変が睨みあっていると

「俺が一番だあ~~~」

と叫びながら真ん中の道を走っていった

「しまった!」

サヤと不変が口を揃えてそう言うとサヤは左、不変は右の道へと消えて行った


こうしてサヤ・不変・月下のサバイバルレースが始まった


洞窟の奥で蒼く光る目が笑っていた

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